離れて暮らす長女が私のところへ家出してきた日のこと
娘と会えなくなってから2年が経ち、離婚から4年めに入った頃のことです。様々な勉強会に参加して「子どもに愛してると伝えよう」と意を決して、娘と再会しました。
その後もたまに学校開放日に行ったり、休日の習い事を狙って会いに行きました。
ある日の夕方、唯一のママ友から電話があり、娘が「ママに連絡して」と、ママ友の家に来ていると。
家には帰らないと言っていると。
私は驚いて会社からすぐに帰宅し、車でママ友の家に向かいました。
私が迎えに行くまでの間、兄が探しに来たそうですが、娘が頑なに「帰らない 」と言うので、兄は帰らせたという事でした。
ママ友の家の近くで待ち合わせをし、娘を車に乗せて私の家に連れて行きました。
娘に話を聞くと、「家には帰らない」「家出してきた」「ママと一緒に暮らしたい」と言います。
「ママのところに行きます」と家に置き手紙をして出てきたという事でした。
その時は私も動揺していたので、娘に理由は聞けませんでした。お腹空いてない?と聞くと「空いた」と言うので一緒にコンビニに行きサンドイッチなどを買って家に戻りました。
家に帰ってきてすぐに、私の携帯が鳴りました。
警察からでした。
警察:「〇〇さんの携帯ですか?」
私:「はい、そうです。」
警察:「〇〇ちゃんはそちらに来ていますか?」
私:「はい。」
警察:「これから、そちらに行くので、すぐに 〇〇ちゃんの引き渡しをお願いします。」
私:「娘は帰りたくないと言っているので、今日はここに泊まらせます。まだご飯も食べていないんです。」
警察:「親権者のお父さんから要請があったため、引き渡してもらえないと、あなたを誘拐罪で捕まえることになります。私たちもそんなことはしたくないので、引き渡しをお願いします。私たちが責任を持って〇〇ちゃんを送り届けます。パトカーで行くと目立つので、〇〇のバンで行きます。マンションの前まで来たら電話をするので、出てきてください。お母さんも一緒に乗って〇〇ちゃんを送り届けましょう。」
急いでサンドイッチを食べさせていると、10~15分ほどで警察官がきて、娘と一緒に車に乗りました。
車の中で、警察官から娘に、「〇〇ちゃんがこういうことをするとお母さんが捕まることになるから、お母さんに迷惑がかかるから、こういうことはしてはダメだよ」と説得されていました。
私は娘が家に帰ってから父親に叱られて辛い思いをするのではないかと警察官に伝えたところ、「〇〇ちゃんのことを怒らないようにお父さんに話します」と。
警察官は、本来は車で15分くらいの距離を40分くらいかけて遠回りしてゆっくり戻ってくれました。
家のそばまで行くと、やはり近所の人に目立たないようにということで、歩いて家に娘を届けてくれました。
その後、車の中で待っていた私を送ってくれました。
帰りの車の中で、父親の様子を聞きました。実は怒鳴り声が漏れてくることが多く近所から通報があるため、見回りを多くするつもりだと言う話を警察からしてきました。
こんな話を聞いて、どんなに心配でも、親権者ではない私は何もすることができません。
日本では離婚後は単独親権のため、親権者の一存で、親権を持たない親は子どもに会えなくなってしまいます。
そればかりではありません。子どもがこうやって助けを求めてきても、親権者である父親からの要請があれば警察は動かない訳には行かず、近所から通報があるような家庭であっても連れ戻さなくてはいけないのです。これを不条理といわず何といえばいいのでしょうか。
これが日本の現状です。
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