離れて暮らしていた長男と一緒に暮らすようになるも、不安定な精神状態の長男
長男がこちらに来た時は16歳で、娘がきた小学6年生の時とは、全く違っていました。
年齢的に思春期ど真ん中、反抗期もあったでしょう。
口では一人前の事は言うけど、まだまだ子どもで 、1人では生きていけない。
弟のことや、父親のこと継母のこと、義理の兄たちのこと、長男の心の中はぐちゃぐちゃだったと思います。
高校の友だちと遊んで帰って来ないことも、しょっちゅうでした。
友達のケンカに巻き込まれて、夜中の3時に警察から呼び出されたり、友だちからリンチを受けて動けなくなり、朝電話で、迎えに来て欲しいと連絡があったり 。先輩のリンチを受けた友だちと一緒にいて、その友だちの親から、一緒に居たのになんで助けてくれなかったのかと言われて、私も一緒に菓子折り持って謝りに行ったり。
所持金を全てカツアゲされた上に、免許証の写メを撮られ「10万持ってこい、さもなくばお前の家を燃やしに行くぞ」と脅迫されて、何度も電話がかかってきて、警察に相談に行ったり。友だちのお兄さんから頼まれて中古バイクを友達に仲介したら、それが盗難品で、お母さんに謝りに行ったり。
夜23時以降に出歩いているために警察から呼び止められ、鞄の中からタバコが見つかり、警察から電話がかかってきたり、色んな意味で何度も警察にお世話になりました。
家でもちょっとした事でキレて、私につっかかってきました。
長男「お前なんか俺を捨てて出ていったくせに!俺は絶対許さない、お前なんか母親だと思ってない!」
私は子どもを捨てたつもりはありません、元夫から出ていくように言われて家を出ました。
でも、長男は「捨てられた」そう思っていたのです。
私「捨てたつもりはない、でも連れてこれなかった。ごめんね。ママが弱かったから悪かった。でもこれだけは分かってほしい、忘れたことはないし、大切なママの息子だよ。大好きだよ。」
大抵夜遅くにつっかかってくるため、明け方まで、このやり取りを繰り返し、感情的になっている息子とたくさん話しました。
(今思うと息子が20代になる頃まで、私につっかかってくる、このやり取りは繰り返していたと思います。)
私が決めていたことは、絶対逃げずに向き合おうと。
息子であってもこの頃には体格もいいし、言葉も凄まじかったですが、弱かった昔の私ではなく、強くなった今の私を母親として見てほしかったんです。
たとえ、息子に殴られたとしても、怯むまいと思っていました。
(殴られたことはありませんが)
親には言えないこともあると思い、区の無料相談で心理士さんが話を聞いてくれるというのがあったので、長男にそれを提案し ました。長男自身も苛立ちが治まらず、心が不安定だったことは自覚していたので、受けたいということで、話を聞いてもらうことになりました。
その後、長男は催眠療法も受けました。
催眠療法では、最初の少しだけ催眠にかかったものの、ショックな場面を見てしまい、その現実が受け止められずに、悪夢を見た時のように、「がばっ」と起きてしまったという事でした。
セラピストさんから聞いた話だと、そのショックな場面とは、父、継母、私など身内が自分の前から全員去っていくという光景だったそうです。
その時私は、長男は父親とケンカして出てきたこともあり、父親に対する複雑な想いもあったと思いますが、本当はみなが仲良くして欲しいんだなと思いました。
子どものころからとても優しくて人情深かったので、自分が関わった人に対しての思い入れ、仲間意識が強いのです。
大人になった今の長男は、大人の事情に対してどうすることもできないと割り切ることができたようです。
16歳でこちらに来て、20歳の時に父親から呼ばれて誕生日祝いをしてもらい、和解したと話していました。