vol.2。私の分岐点。サントリーニ島の話。
私が旅を語る上でこの話は外せないので、先に書いておきます。
紀元を前後に分けるのならがキリストの生誕ならば
私の人生を前後に分けるのは
「サントリーニ島一人旅」になると思います。
以下は今から5年前、旅を終えて作成した旅行記の冒頭文です。
ちょっと長い抜粋ですが↓↓↓
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30代前半のある日
2年使って飽きてきた携帯を買い替えたくて
仕事の合間に博多の電気店に立ち寄った私は
1台の携帯の前からしばらく動けなかった。
それは折りたたみ式の小型の携帯電話。
くの字型に開いてディスプレィされていたその携帯の待ち受け画像
鮮やかな青さの丸いドーム屋根
小さな画像でも分かる
日差しを反射した白壁の眩しさ
深い深い
吸い込まれそうな碧さを湛えた海。
何故だか涙が出そうなくらい
その風景に胸が締め付けられた。
その携帯の価格やスペックを見てみた。
1番希望だった当時最新式の携帯からすると容量も画素数も小さいし
折りたたみ式はすぐに壊れるから元々好きじゃなかった。
価格も私好みじゃない。
でも私はその携帯を買って帰った。
機能でもなく価格でもなく
その待ち受け画像を手にしたい、という理由だけで。
機械系は新しいもの好きの私は
携帯は2年契約が切れると同時にいつも買い換えて来たけれど
この携帯だけは
ボタンの数字が擦り切れて、液晶が薄暗くなっても使い続けた。
待ち受け画像は1度も変えなかった。
あの携帯を手に入れたころは
私はこの先どう生きて行きたいのだろうかと
心の深いところで悩んでいて
迷う心であの画像を眺めていると
何故か自然と安らいだ。
どこだろう、ここ。
本当に、この世界のどこかにある風景なのだろうか。
それから少し経って
たまたま手にした旅雑誌で
その場所が
ギリシャのエーゲ海に浮かぶ島
サントリーニ島という場所だということを知った時
行こう、ココに。
何年かかっても、必ず。
一人密かに
私は誓った。
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私が子供の頃、我が家はかなり貧しかったし
成人して働くようになっても海外旅行なんて夢のまた夢、という暮らしぶりでした。
でも、この誓いから約10年という月日を費やして
私は念願のサントリーニ島へ旅に出ることが出来ました。
ツアーを使えばもっと早く行けたんですけどね。
でも、人が決めた旅ではなく
自分が納得して決めた旅がしたかったのです。
悲願の旅は感動に満ちていて
あの日を境に、私は私が求める生き方をはっきりと自覚するようになりました。
だから、サントリーニ島一人旅の年が私の紀元元年。
サントリーニの旅はハッピーエピソードも満載で
たびねこナツコ達はいないけど
いつか旅絵本に出来たらいいなと思っています。
でもいつになるか分からないから
もし興味を持って頂けた方がいらっしゃいましたら
当時の旅行記を貼り付けておきますので、お暇なときにでも覗いていって下さい。
(エピソード0~5までありますが、とりあえず先程の文章で始まる2を貼ります)
ちなみに今の私のスマホカバーは
あの日、私が一目惚れした待ち受け画面と出来るだけ同じように撮影した写真で作った
オリジナルカバーです。
この写真の左半分を使っています。
あの日の出会いへの感謝
そして「夢は叶う」という気持ちを忘れないように。
自分の治療や生活は何とかなるので、もしサポート頂けましたらご支援は近くの保護猫支援団体に寄付させて頂こうと思います。ネコ達に沢山生きる力をもらってきたから、せめてもの恩返しに。