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依存や習慣を変えるには、何事も一気にやめてしまったほうがいい。

何かをやめたいとき、少しずつやめるよりも一気にやめたほうが成功する可能性が高い。

たとえば、タバコやお酒をやめたいとする。
多くの人は毎日の量を少しずつ減らしていき、いつか完全にやめられると思っている人が多い。
だがこれは間違いであり、少しずつ量減らしていっても、結局は断ち切ることができずに元の量に戻ってしまうのがオチである。

そもそも「少しずつ減らしていく」という心構え自体、本気でやめたいと思っていないと言える。
本当のやめたいのであれば一気に断ち切り、たとえどれだけつらくても気を紛らわせながらやめればいいのである。
「少しずつ」と言っている時点で本気で取り組んではいなく、「あわよくばやめたい」「できればやめたい」程度の気持ちなのだ。

中途半端にやめることは、結局のところ中途半端な結果しか生まない。
いつまでも完全に断ち切らず、少量でも摂取していれば、ことあるごとに「今日は特別」などと言って以前と同じ量の摂取をはじめてしまう。

もちろん、自分の意志で完全に断ち切るのが難しいものもある。
アルコール依存症やギャンブル依存症、ニコチン依存症からセックス依存症など、世の中にはたくさんの依存症が存在する。
だが、どんな依存症であったとしても、完全にやめることは可能である。
このエッセイは依存症セラピーではないため、「依存症から立ち直る方法」みたいなことを書くつもりはないが、「何かをやめるなら一気にやめる」が一番効果的な方法とだけ言っておく。

私は昔、毎日1箱以上タバコを吸っていたが、「禁煙しよう」と思ったときは本数を減らすなんて遠回りはせず、家にある未開封のタバコもすべて捨てた。
最初は口が寂びしかったり、ご飯の後の一服の時間などが恋しかったりしたが、別の習慣に置き換えることですんなり禁煙することができた。
それからは1本も吸うことなく、すでに10年以上禁煙している。

それからというもの、これはタバコだけに言えることではなく、どんな依存症においても同じだと学んだ。
お酒をやめられないのは、完全にやめたりせずに「今日は飲んでいい日」みたいなものをつくり、お酒を飲む習慣がいつまでも体から抜けていないからである。
恋人依存症も同じであり、いつまでも連絡を取っていた李、写真などの思い出をスマホに残しているから気持ちが断ち切れないのだ。

人間の意志はとても弱い。
「少しならいい」「思い出は悪くない」といった考えが、知らず知らずにあなたの意志を支配し、いつまでもやめられなくなってしまうのだ。

「依存症は自分ではどうしようもない。本当に治したいならカウンセラーに頼るしかない」という人もいる。
もちろん、そういった方法を否定するつもりはないが、自分ではじめたことが自分でやめられないのはおかしな話ではないか。
麻薬や覚せい剤といった脳を破壊する依存性があるものならわかるが、タバコやお酒、ギャンブルや恋愛などの依存は、自分の意志の力で断ち切ることができる。

「ダイエットしたいけど間食がやめられないんだよね~」と言う人は、本当にダイエットする気がないだけである。
タバコやお酒、ギャンブルも同じだ。
「やめられない」のではなく、はなから「やめる気がない」のである。

そもそも、〇〇依存と呼ばれているほとんどのことは、しょせん習慣に過ぎないのではないかと最近考えている。
タバコはご飯の後の一服、仕事の休憩の一服、何かをした後の一服など、純粋にニコチンを欲しがっているのではなく、「〇〇をしたらタバコを吸う」という習慣によって成り立っているのではないかと思う。
お酒も、仕事終わりの晩酌、寝る前の晩酌、休みの前の日の晩酌といった習慣によってお酒を飲んでいるのではないか。

もちろん、体が本当にニコチンを欲していたり、アルコールを望んでいる可能性もある。
だが、依存を習慣という観点から考えれば、やめたいと思ったときはすんなりやめられるのではないだろうか。
なぜなら、ただ習慣を変えればいいのだから。

チャールズ・デュヒッグの「習慣の力」という本では、習慣の核となるループは「ルーチン・報酬・きっかけ」の3つが関係しているという。
まず何かしらのきっかけが与えられ、そのきっかけに対してルーチン行動が促され、そのルーチンによって報酬を得る、という流れだ。

タバコに置き換えてみると、ご飯を食べた(きっかけ)⇒タバコを吸う(ルーチン)⇒落ち着く(報酬)といった感じである。
お酒の場合は、寝る前(きっかけ)⇒お酒を飲む(ルーチン)⇒気分が良くなり眠気が来る(報酬)という流れだ。

そして、習慣を変えるためにはきっかけではなく「ルーチン」のほうを変える必要がある。
きっかけを変えることは難しいが、ルーチンのほうは自分次第でいくらでも変えられる。
何かしらのきっかけが与えられた場合、それにどう反応するかの部分に焦点を当て、依存の原因となっている習慣を変えるのだ。

日々のルーチンを変えれば、習慣は意外と簡単に変えられる。
私はタバコをやめたとき、ご飯の後の一服というルーチンを歯磨きをするに置き換えた。
そのおかげでご飯の後に口が寂しくなることはなく、歯を磨いたことでご飯の後の間食なども習慣も断ち切ることができた。

何かをやめるときは一気にやめるほうが効果的だ。
そして、一気にやめるためにはきっかけの後にどう反応するか、というルーチンを変えればいい。

何事もやるときは中途半端ではなく、一気にやってしまったほうが成功率は高いのである。


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