現実から目をそらすな!【日本の社会保障制度の将来】と必要な備えを本気で考える
今回のテーマは社会保障制度
主に公的年金が持続可能かについてとりあげます。
日本の年金制度は、人口増加が前提
日本の年金制度は、
現役時代の収入の50%を年金需給世代になっても維持する
(所得代替率50%と言います)
ことを条件として、条件設定しています。
言い換えると、
「こうなったらいいな」の
希望的観測な見通しで成り立っているのです。
しかし、大前提の人口が想定以上に減少する可能性が高まっており、
社会保障の持続性も予想以上に低下する見込みです。
厚生労働省が昨年11月26日発表した人口動態統計(速報)によると、
2019年の出生数は90万人割れとなりそうです。
そして、さらに恐ろしいことに
出生率は過去幾度となく下方修正されています。
昨年2019年に発表された
年金財政再検証での所得代替率50%維持の実現は、
前提条件を状況を見直さなければならないでしょう。
老後資金は自助努力を中心に準備すべきです。
2019年の出生数が恐ろしい・・・
厚生労働省の発表によると
1-9月に生まれた子どもの数は67万3800人と前年同期に比べ5.6%減りました。
年間の出生数がこのまま5%超の減少となった場合、
1989年以来の30年ぶりです。
このペースですと、1899年の統計開始以来最少となる
87万人-88万人程度になる可能性があり、
10年前に比べて20万人程度少なくなります。
人口減は予想以上のペースで進む
国立社会保障・人口問題研究所は
将来の出生率について予測を出しています。
この予測は、20年後の将来は出生率が上がると毎回予想されており、
ことごとく下方修正されています。
1976年推計 推計年実績1.9人程度→20年後推計2.1人以上
1981年推計 推計年実績1.7人程度→20年後推計2.1人程度
1986年推計 推計年実績1.7人程度→20年後推計2.0人程度
1992年推計 推計年実績1.5人程度→20年後推計1.8人程度
1997年推計 推計年実績1.4人程度→20年後推計1.6人程度
2002年推計 推計年実績1.3人程度→20年後推計1.3人程度
社会保障の持続性低下は予想以上
日本の年金制度は修正賦課方式です。
つまり、現役世代が負担した年金保険料が、
高齢者の年金受給に充てられています。
厚生労働省の年金財政再検証は、
女性や高齢者の労働参加率増加と出生率回復が前提となっています。
仮に労働参加率が予想通りになったとしても、
出生率が想定以下になれば年金財政の持続性は低下します。
健康保険についても同様のことが言えます。
現役世代が3割負担に対して、
75歳以上は後期高齢者となり、収入制限はあるものの1割負担で済みます。
現役世代が後期高齢者の医療費を負担している構図です。
老後資金は、「医療費も含めて」自分で何とかする時代
年金だけでなく医療費も含めて
自助努力で準備することが必要になります。
今後は公的制度がメインではなく補助的な役割に変わっていくでしょう。
iDeCo、NISAの制度拡充は、
政府が自助努力で将来の資産形成が必要だとのメッセージです。
●根拠となるニュース
19年の出生数が急減 1~9月、5.6%減の67万人
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52631090W9A121C1EE8000/
国立社会保障・人口問題研究所の出生率予測
https://pbs.twimg.com/media/EKUtkXGUwAAf1iH?format=png&name=small
2019(令和元)年財政検証の資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/index.html
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