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テクニカルかファンダメンタルか 迷うということ

過去は消えず未来は読めず不安が付きまとう
だけど明日を変えていくんなら今 今だけがここにある きっと虹はもうここにある の巻


私はもちろんテクニカル一辺倒で
このページでもたくさんのテクニカル用語を駆使して
ファンダメンタルについて触れない

一方、世の中の経済評論家や投資関連の顧問などはほとんどがファンダメンタルを語る
マクロにしろミクロにしろ
雇用統計がどうとかCPIとか売上予測、利益率とか、PERとか不祥事や新製品開発のニュースとか

たしかにそれは株価を動かす動機にはなるので、私にとって気を付けておくべき因子ではあるが、売買の直接の動機とはならない

私は過去に企業の「中の人」であったことから
企業の出す決算短信などのあやふやさや合法的な操作のレベルを知っている

決算短信には、売上高、営業利益、経常利益、税引き後利益、当期利益などの数字が並んで、予想と実績の数字で見通しを示すわけだが
例えば売上高と一口に言っても、返品や在庫の数字がどのくらいあるのかわからないし、原価や販管費に至ってはOEM先やグループ会社の調整や広告費を削減すればいくらでも変えることができる
経常利益だって、営業外利益で調整できるし、当期利益も特損で変化させることができる
そして決算予想なんてのはほとんど根拠なんてないということ

別に不正経理を指摘しているわけではない
そもそも決算なんてそんなものだと言いたいわけだ

〇〇期連続増収増益なんていう会社もあるけど
それを達成するために現場はどれだけ疲弊しているかなど
投資家はわからない
どんな会社だって金の生る木を持ってるわけではなし
株主に利益を出すために無理に株価を吊り上げたり配当を高くしたりして
創業者を儲けさせている構造をよく知っている
その結果、致命的な企業の行き詰まりが発生することをみた

新規事業や新商品が開発されたとニュースリリースはたくさん出るが、それが本当にどれほど会社の業績に寄与したかまで説明するのをあまり見たことがない

昔、あるベンチャー企業のM&Aに関与したことがあるが
その社長は新製品の開発の法螺をたくさん吹いて
ベンチャーキャピタルから資産をたくさん調達していた
しかし、ちょっと目利きがある人間なら
その社長のビジネスモデルが眉唾ものだとわかる
社長は株を上場してしまうことを目的として
その際に売り抜けて脱出しようとしていた
あとはつぶれてもしらねーってことだ
損するのは夢を見て出資したキャピタルや投資家
そしてその企業の社員
こういうのを「紳士の詐欺師」という
M&Aにしても、売りに出すときはいいことばかりを言う
そんなにいいなら売らなきゃいいのだが
ふたを開けてみたら、様々な有形無形の負債があることがわかる
金融的な負債だけでない 人材の問題、商品の不具合や流通の課題、商品の違法性の隠匿などだ

こういうのはちょっと極端な例かもしれないけれど
言いたいことは企業の予算や決算には人為的な行為が入る余地があるということ

もちろん、その企業に夢を見て投資することは自由
しかし、本当に目利きがなければ本当のところはわからない

さらに言うなら、企業以外の要因、例えば業界やカテゴリーの問題もある
例えばその業界の大手企業が不祥事を起こして業界全体の株価が下落するとか、為替や金利、社会情勢、地政学的変化
日本の株主の多数が海外投資家であるので、例えばアメリカ大統領が誰になるのか、プーチンが何を考えているのか、習近平は病気なのか(?)などで大きく株価を変化させるのは皆さんご存じの通り

決算が良かったからとか、新商品の発表があったからとかで売買することの危険はわかると思う

しかし一方、一企業の株価を動かす様々な因子をファンダメンタル情報で予測するのは、天文学的な重回帰分析を必要とすることがわかる
私にはその超複雑な多項式を解く技量はない

経済評論家などは、自分の予想が外れても「株価は織り込み済みだった」で済ませればいいが、大事なお金をかけている我々はそんなことで済ますわけにいかない

一方、テクニカル分析の源泉は何か
それは「過去の方向性やトレンドやルールが、この先も継続するだろう」という仮説を信じるかどうか

つまり、例えばエリオット波動解析
上昇第一波が五波動構成でその次の第二波が三波動構成なので、次は急騰の第三波がくるだろうと信じている
この理屈が過去にあるので、今回もそうなるだろうと信じているわけだ 
でもそんなこと誰が保証できるだろう

MACDのゴールデンクロスが実現した
過去の経験上、この後は上昇が継続するはずだから買いだ
ほんとにそうだろうか 
どの程度の確率で発生しているのだろう
そうならない場合はどんな状況があるのだろうか

私が、売買で重要視するのは
(なんどもこのNOTEで言ってるが)以下三点

1.定量的に測れるか
2.「まぎれ」がない手法であるか
3.過去検証できるか

である
この段階でファンダメンタルを採用する理由がなくなる
そしてテクニカル分析でも、過去の数字で定量的に測れる絶対的な物差しであり、その時の思惑や主観的な解釈によって複数の可能性を生まず、売買シミュレーションによって成功確率、収益性などが検証できる方法であること
そうでないテクニカル手法は採用しない

そして、ダマシをはじめから想定して枚数や利確ポイントやロスカットポイントを決めておくこと

信じることは数字と結果の積み重ねであって
誰かの意見や思惑やニュースではないということ



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