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2024:ラストの苦言

 ベーシックインカムとは、国や自治体が年齢や性別、所得などに関わらず、すべての国民に一定額の現金を定期的に支給する制度です。
 ベーシック(基本)とインカム(収入)を組み合わせた言葉で、一般的には最低所得補償や基礎所得保障、最低生活保障とも呼ばれます。
 ベーシックインカムの目的は、国民の最低限の生活を保障し、貧困に陥るリスクを軽減することです。また、社会保障制度の簡素化や行政コストの削減、少子化対策などの効果も期待されています。

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 いきなり長い引用で失礼します。YouTubeの討論番組などで、「2ちゃんねる」の開設者のひろゆき氏の主張の中に、ベーシックインカムという言葉が、よく使われています。日本が国家として存続するには、国民全員に定額を支給する施策しかないと言うのです。

 YouTubeでの討論番組を見てみると、肯定的な意見が多いようです。そういえば、今年度は何とか給付金として市から2万円振り込まれました。お小遣いで、あっという間に使ってしまった記憶があります。どういう施策名により2万円もらったか、もう忘れてしまいました。

 これも経済を回そうといういう国の施策なのでしょうが、生活費の足しにしたという感覚は全くなく、助かったという思いを抱くこともありませんでした。この捉え方が普通だとは思いません。しかし、欲しいと申し出たお金をもらったという感覚は、ありませんでした。

 今の我が家は、子どもたちの学費等々は終了して、何かのローンが続いているわけでもない無借金状態です。しかし、一応フルタイム2馬力で仕事をしているにも関わらず、毎週土曜日には安い食材を求めてあちこち回っています。

 もう40年仕事をしてきて、厚生年金の掛金も既に2000万円を超えています。私の年金支給は、2026年5月に始まります。時々、お知らせの手紙が来るのですが、その支給額は掛金に比して少額で、気が萎えてしまいます。

 本当かどうかわかりませんが、ベーシックインカムは1人あたり1ヵ月に7万円ぐらいだそうで。それに年金額を足して、やっと今の臨時勤務の月給ぐらい。ボーナスは当然ないわけで個人的には、あくまでも「付け足し」です。

 年寄りにとっては、そんな具合です。しかし子どもに多大な出費がかかる若い人たちの場合は、「恩恵」と言えるでしょう。そういえば、現役時代には、扶養に関する手当等が徐々に増えていって、3人ともなれば直接的に恩恵を実感したものです。

 もしも20年前に、ベーシックインカムが導入されていたらどうだったでしょう。とにかく誰にでも無条件で月に7万円支給されたら、我が家の場合、7×5=35万円。私の手取りが25万円だったとすれば、10万円オーバー。足して60万円。いい金額です。

 それに妻の手取りを足せばというところに思いは巡りますが、子ども3人が、before の段階では、必要経費以外は貯蓄という形で固定されるでしょう。個々の口座に振り分けてボーナス貯金ということになり、私のもらうお小遣いには反映しないと思います。

 月7万円は、社会の経済を回す財源にはなりにくいと思います。この金額の根拠は、国民年金の支給額がベースかと思います。これだけでは、とても暮らせる額ではありません。生活費の足しにはなれど、購買欲を刺激する起爆剤にはなり得ないと思います。

 私の初任給は、1万円札9枚でした。まだ昭和の時代でしたが、アパート家賃+光熱費で3万円超で、オンボロ車のローンが3万円ジャスト。残りの3万円弱で31日間、生きていかなければなりませんでした。7万円だと、暮らせません。当時ラーメン250円。今は物価倍々状態、狂乱物価の時代です。

 そもそも「最低限の生活」をどうイメージすればいいのか、わかりません。例えば、ホームレスの人がいない社会なのでしょうか。そんな発想を役人さんがしているとすれば、大きな勘違いです。世をスネて、好きで社会生活を投げ出している人を、ケアする必要はないと思います。いい大人に、余計なお世話は不要です。

 もしも、ベーシックインカムが実現しても、庶民の力で疲弊した経済は回復しないと思います。また、誰もが少額支給を受けているとしたら、かすめ取ってやろうという心理によって治安が悪くなるような気がしてきます。

 最初に揚げた引用の中で、ピンと来たのは、少子化対策という言葉でした。赤ちゃんにも小学生にも7万円支給されるなら、親はどうするでしょうか。また、若い夫婦が14万円もらえるとしたら、どうするでしょうか。

 子どもへの支給金は、親が受け取ります。その中で、いくらかを子どもに渡すでしょうか。親は、自分自身の余裕として受け取ると思います。また、若い夫婦は、支給によってすぐ子どもという発想に至るでしょうか。そんな論理の飛躍は、できないと思います。

 さて、ベーシックインカムにより、誰もが毎月7万円を恒常的にもらえる時代になったら、世の中はどうなるでしょうか。それに乗っかる何かが起きるはずです。平均的に収入微増すれば、私なら物の値段を上げます。そして、支給日前に合わせて少額割引セールを毎月開催します。果たして、どうなることでしょう。

 そして月に7万円もらえる有難い気持ちは、長続きしません。それが、フツーの出来事という心理が蔓延します。買い物に走らなくなります。増えた分は、離さないという保身が発生します。私だったら、リスクの小さい投資をします。つまり、買い物には使わない分類をするのです。同じ発想をする人は、多いと思います。

 軽い気持ちで、「働かざる者食うべからず」的な発想を鈍化させられるでしょうか。ずっと公務員だった私には、平成という暗黒時代とは縁なく過ごしてきました。バブル直前就職世代には、「就職氷河期時代」も知りません。派遣社員の意味を知ったのは、つい2年前のことです。

 とりあえず、富には恵まれずとも、3人の子どもたち全員の6・3・3・4は乗り切り、住宅ローンも終わりました。出入りの保険屋さんの言う「責任」は終わり、終身保険の満期も後1年半。それと同時に、上の世代とは比較にならない少額の年金も支給されます。

 我が身は安泰を自慢したいわけではなく、次世代は、「責任」を果たす気概がなさそうで、心配しているのです。よく格差社会と言われますが、自分の立ち位置もわからないまま権利ばかり主張して義務を果たさない人をどう思うのでしょうか?ご褒美が最初にもらえて、何もしなくてもいいことが平気な心を容認するほど、みんな広い心なのでしょうか?

 年金は70歳支給になり、その額もどんどん目減りして、いずれは破綻というシナリオだそうです。現在、63歳の臨時職員として「厚生年金保険料」は、29,820円。月々これだけ天引きされます。自分の年金給付額が悲しいぐらいちょっぴり増えるだけだと聞きました。

 若い人が年寄りの生活費を負担するという発想は、いずれ消滅するはずです。それをカバーするためのベーシックインカムだったら、それでいいと思います。また子育て資金ならば、それも良し。つまり、やむにやまれぬ目的ならばお金は際限なく使うべきです。

 本日、大晦日です。明日から、2025年。心新たに迎えたいものです。来年の本日は、何を思っているのでしょうか?変えたくないことは、ただひとつ。自分の身の丈を勘違いすることなく、働き続けること。それだけです。






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