短編小説集②
「過去の影」
トビーは、破れた古書の間から見つけた謎の装置のボタンを押した瞬間、目の前の世界がぼやけ始めた。彼の周囲は光と色の渦に包まれ、次の瞬間、彼は1976年のロンドンに立っていた。空気は異なる時代の匂いがし、周囲は彼がこれまで見てきた歴史の教科書のページから飛び出したようだった。
トビーの使命は明確だった。彼はこの時間旅行の技術を実験している秘密組織の一員で、特定の歴史的瞬間を目撃し、その真実を記録する任務に就いていた。彼の目標は、1976年に行われた重要な政治会議の真実を確かめることだった。
ここから先は
3,207字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?