研究者ってどういう風に男社会?
アカデミアや研究職は男性が多く,女性が少ないと言われています。その改善のために最近は大学入試における理系学部の女子枠や教員採用における女性限定公募なども行われており,議論になっています。
自分はそんな状況下でもアカデミアで生きていこうと思った女なので,ある程度は同性が少ない状況に耐性がある個体だと思いますが,それでも同性が少ないことが不便に感じる状況が何度もありました。
この記事では,同性が少ない状況が余計な悩みをもたらしてその環境で生きていくことを選びづらくさせることもある,ということを感じてもらえればいいなと思います。
それでは私が今まで同性がいないことによる不便を感じた場面を列挙していきます。
1,空調の快適な温度が違う
男性の方が夏場とか25度で強風にしがち。本当に寒いのでやめてほしい!!!!
2,衛生観念が違う(人が多い)
コロナ以後特に感じます。咳しているのに研究室来たり,共有スペースを汚しても掃除しなかったり。ただ,性差というより個体差な気もします。
周りの人もいるという意識がない人が多いのか?それが合わなくて気持ち悪いなと思う時があります。
3,生理関連などの女性の身体に関する悩みや不安を軽い愚痴として吐けない
こういうことを体験もできない・彼氏でもない周りの異性に言えるわけないが,軽い愚痴を長い時間共に過ごす研究室で吐けないというのは若干のストレス
4,出産に関するキャリアの不安や悩みを吐くと「でも最近は男性も育休とらなきゃで悩みなんだよね!」と程度が違う悩みをぶつけられる
体調が変化する恐怖は同性の方が相談できるなあ・・・
あと,産休はマストだけど育休は選択できます。
5,周りの人間が自分のことを「女」として見ていると感じる時がある
研究室などの逃げ場のない空間でそれをやられると本当に恐怖です。恋愛感情を向けられるならまだマシで,ワンチャンありそう😁みたいなのが一番怖いです。閉鎖的人間関係の中ではいかにそのような目線で見られないように予防するか,つまり自分のキャラや言動をコントロールし周りを上手くコントロールするかが重要です。でも,こんなことを考えなきゃいけないのは女性が少ない環境であり腕力がないからであり,本当に余計な悩みだと思います。
6,飲み会・懇親会・勉強会etc.などに気軽に参加できない
5と関連しますが,研究室内の活動のようなmustなものではなくoptionのような活動の場に行く際には,その場にセクハラをしたり自分のことを「女」として見ているような人物がいないか確認した上で行く必要があります。初めての場は確認が難しいですが周りからの評判などを聞いて判断します。リサーチコストがかかるんだなあ。そのような人物がいる場にどうしても行く必要がある際にはそのような状況の回避に協力してくれそうな信頼できる人と行く必要があります。
7,友達を作りづらい
異性しか周りにいないと異性の友達しか基本的にはできません。しかし,異性の友達を作るのは複数の障壁があります。男女で友達になる過程も違う傾向がありますし,彼氏彼女配偶者などの状況によっても複雑化します。女性だけでなく男性側にもそれぞれの方向への高いコミュニケーション能力が求められる気がします。(だから,アカデミアで多数派を占める男性側にはあえて研究やってる女性と友達になるメリットは薄いんですよね。友達候補の男性は多くいますから)
8,異性と共同研究をすると男女の仲を疑う人がいる
なぜこのような疑念が生まれるかというと,実際に女性研究者の中には夫や彼氏と共同研究している人も多いからです。でも考えてみてほしい。女性が一人の環境で共同研究しようと思ったら相手は男性しかいなくないですか??女性がその場に複数いても男性の方が研究の関心やスキルがマッチする可能性もありえます。男性研究者と共著している全ての女性研究者がそのような状況にあるとは思ってほしくないですね・・・・。そう思われること自体が余計なストレスです。
ざっと思いつくものを挙げてみました。もっとあるかもしれません。
わたしですらこうなので,研究に興味があるけど女性がいないとちょっと・・・・,みたいな女性は女性がある程度の割合を占めないとアカデミアや研究職へ行くことを検討しない可能性は十分にあります。わたしにとっても女性が増えることは上記の余計な悩みを少なくしてくれそうなので大歓迎です。ただ,女子枠や女性限定公募に全体にとってどの程度ポジティブな効果があるかは分かりません。