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イベント参加レポート 第4回『組織を変える5つの対話』読書会|アジャイル読書会@札幌

 アジャイル読書会@札幌は、札幌でアジャイル開発を実践する(したい)メンバーが集まる、熱い読書会です。

 参加者同士のディスカッションを経て、自分の仕事に活かすヒントを見つけることを目的に活動しております。

 今回は9人の参加となりました。

 読書会の前半で、次回以降に読む書籍を決定しました。
 後半で、『組織を変える5つの対話』の最後の章を読みました。

■次回の書籍決定!

 アジャイル札幌の創始者である「島田 浩二」氏が翻訳された書籍となります。読了したタイミングで、島田さんに著者公演としてご登壇いただける機会に期待し、しっかりと読み進めて行きたいと思います。

■アジャイル読書会@札幌が選ぶ推薦図書

 次回の読書会で読む事にはならなかったですが、選考の対象となった書籍は以下となります。全部読みたいですね!

■読書会

 個人的な振り返りとして、読書会を通じて感じたことや、読書会後に振り返った事を、以下にまとめています。

 読書会の形式は、書籍の各章に毎回担当者を割り当てて、事前に発表のスライドを作成し、当日発表、その後ディスカッションのような形式です。

 今回は、ヤマギシさんによる発表となりました。
 第七章「説明責任を果たす対話」です。

 今回の発表は、スライドの構成として「議論タイム」が設けられ、発表者と参加者の間でインタラクティブにディスカッションが行われました。

 ディスカッションでは、業務におけるコミュニケーション技術について話が及びました。参加メンバーから紹介された内容は、実践で磨き上げられたHOW-TOの数々です。シンプルですが知っていると知らないのとでは、業務の質が全然変わって来るものばかりでした。是非取り入れて行きたいですね。

  • 日本語は冗長な表現であっても伝わるので、シンプルな日本語で話す技術が必要

  • ブリーフィングとバックブリーフィングの考え方にも通じるが、部下に業務指示を行った場合は、部下に部下の言葉で復唱してもらう。理由として、主語や目的語が違っている場合がある。5W1Hであると尚良い

  • 事実と解釈が混ざった主観的な発言は、混乱を招くのでやめる

  • 副詞表現を省き、主語+述語+目的語、のみに絞り込んで説明すべし

  • 結論を最初に言う方法が良い。PREP法が有名。

  • 発話する際に、情報共有なのか、指示なのかを明記する。「相談です」「報告です」「確認です」のようなコメントから入る。

■7.2 準備:X理論とY理論

 一目瞭然でY理論によるチームが作れれば良いのだが、実態としてはX理論のチームが多い。新しいマネジメント手法でそこにどうやって立ち向かうかという話。

■7.3 準備:指示に基づく柔軟対応

 素朴な現実主義「自分は世界を客観的かつ偏見なく見ており、さらに他の人々も同じ観察に基づいて自分と同じ結論に達するだろう」は、私も心当たりがあって、これが頻繁に職場でコミュニケーションエラーを作り出しているなと、気が付かされた。

 指示をする際に、①求める結果、②制約、③裁量をつたえること、これをやらないとメンバーは自律的に動けず、X理論へ傾いてしまう。逆にこれをちゃんとやると、部下は見違えたかのような動きになるんだよな。
 逆に私が指示を受けた後に、うけた指示の内容を、自分の言葉で適切に解釈したことを指示した側に伝える為に、①行動内容を説明し、②さらに行動を行う理由を説明し、③疑問に思う事を指示者に確認すること、をやらなければ、自分自身もX理論へ傾いてしまう。

■7.4 対話:意図の発信

 上のスライドにあるように、①現状を共有する ②計画と意図する成果について説明する ③障壁・成約について注意喚起する により情報を発信するが、「事実」→「解釈」→「行動」と呼ばれる『空雨傘フレームワーク』に、障壁・制約の説明を付け加えたように感じました。ちゃんと言語化して説明するのであれば、たしかにここまで書いた方が伝わると思いました。

 単に情報発信するだけであれば、そういった場が無いであるとか、そもそも情報発信を受ける側に、受け取る準備が無い場合が、X理論の環境では往々にしてあるが、アジャイルをプラクティスとして取り入れている環境であれば、そういった場は沢山存在する事になるので、「説明責任を果たす対話」においては、是非アジャイル活用を!、という締めくくりとなります。

■私の理解(感想)

 この章に対する私の理解として、
 「説明責任を果たす対話」は、全ての情報を関係者全体に開示する事を意味しており、これまでの4章の対話をベースとした関係を構築したオーナーシップを有するメンバーで構成されたチームであるならば、当然、高いパフォーマンスを発揮するだろうな、と思いました。

 職場という組織の中で仕事をしていく以上、コミュニケーションの技術を磨いて行くことは、当たり前の事ではあるのですが、本書を通じて、「磨くためにはどうやったら良いか?何ができるようになることを目標に磨いたら良いのか?」のような漠然とした状態に対して、目的や方針を得られた事がとてもありがたかったです。

 最後の「定期的に習得して一緒に向上していける仲間を見つけよ」という、著者からの問いかけについて、どこかで実現できるように、心の中で温めておきたいと思う(みんな忙しくてなかなか見つからないかも)。
 「実践して失敗して学んでください」という問いかけについては、これまでの数々の失敗を赦されたような気がして、また挑戦しようという気持ちになりました。何も考えず失敗を繰り返すのではなく、ちゃんと腰を据えて、自らの対話の在り方と向き合って改善していく、その事が、X理論のチームをY理論のチームに変えて行くために、一人で始められる事なのかな、と思います。

■余談

 余談ですが、
 「説明責任を果たす対話」を可能としたチームは、コミュニケーションの質を落とさずに、量や頻度を少なくできると思いました。
 理由として、会議体だらけの高コスト体質のチーム環境というのは、関係者間の”対話の欠如”が根本原因であると、思うからです。
 対話ができていないと、それを補う為のコミュニケーションが増大して、チャットやメール→電話→ビデオ会議→対面会議→対面会議の参加者増・長時間化、のような順にコミュニケーションコストが増大して行きます。
 対話を改善し、高収益体質のチームを作れるのが理想だよなと、この本を読んでみて、改めて思いました。

■懇親会

懇親会はいつも通り、1階のルガールで開催となりました。
美味しくてボリュームのある料理、全8品。
お酒を飲まない方でも楽しめる内容となっています。
今回も写真に収めておりますので、ご覧ください。

■おわりに

ここまで読んでいただきありがとうございました。

次回は「スタッフエンジニアの道」を読んで行きます。
少し間は空きますが、初回は11月21日19:00を予定しています。
正式に決定しましたら、DoorKeeperにて発信いたします。

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