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がんになってからもうすぐ2年

2020年11月に甲状腺乳頭がんの手術をした。もうすぐ2年。ありがたいことに、今日もいつもとかわらない毎日を過ごしている。甲状腺をとった傷跡も、ずいぶんうすくなってきた気がする。

甲状腺がんの手術をしてかわったこと

1. 保険に入りにくくなった

現実的な話だけど、加入できる保険が限られるようになった。罹患歴がつくことで、費用が高くなったり制限があったり、将来ほかの病気になったときの負担が大きくなる。ただ、保険のプロ曰く、がんの治療は日々進歩していて、今後は保険もアップデートされるかもしれない、と。

また、海外赴任時の保険では甲状腺がんに関連することはカバーされないので、薬や検診は自己負担になる。そこに永住するならともかく、アメリカのように医療費が高額な国には短期的には行きづらいのかもしれない。

2. 病院に行くようになった

大したことないと思う症状でも、なるべく自己判断せずに病院行くかぁという気持ちになった。海外だと言語の問題やら保険の問い合わせやら、さらに病院に行く気が失せる。でも、ほっといたら起こるであろうもっと面倒臭いことを避けるため、私は病院行くようにしている。

3. 自分にやさしくなった

私はいきなり甲状腺がんになった。父も母もそれぞれの祖父母もがん罹患者はいない。しいて言うなら、高校生のころ、生理がひどく、椅子を血だらけにしたことがあるくらいで、持病もとくになかった。

2020年3月にコロナで世の中が一変し、その数カ月後に自分ががん罹患者になって、日常が簡単にかわってしまうことを学んだ。だから、会いたいひとには会いに行き、やりたいことはやってみて、なるべく自分の声に素直でいるようにしている。

やる気が起きないときも、「まあ、そんな日もあるよね」と許せるようになった。だって、そういう体調だったり気分なんだから、しょうがない。

たぶんこれを読んでくださっているひとは、甲状腺がんになったひとや、友だちや家族が罹患者になったひとが多いのだと思う。がんと診断されたその瞬間から、甲状腺をどのくらい切除するのか、子どもに遺伝するのか、自分の生活がどうかわるのか、お金はどれくらいかかるのか、いろんな不安要素が一気に頭をよぎる。実際、決断しなければいけないことも多い。

でも、思ってたよりも術後の生活は普通だ。薬を忘れずに飲むとか、ちょっと気をつけなきゃないことがあるくらい。いま、わたしもなんの健康上の問題もなくスペインで大学院生をしており、次はまた別の国に働きに行くつもりでいる。

だから、最後に、きっとあなたやあなたの周りの罹患者も大丈夫だと伝えたい。

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