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SRS前の気持ち〜何個もの葛藤を解決するまでの時間〜

SRS前の気持ち

10代の頃早くオペをして戸籍変更することが目標でした。
以前の記事にも書いていますが僕が求めていたのは【普通】でした。
病院に行って保険証を出した時、本人確認を何度もされたり、数人の間で保険証がたらい回しになってたり、こんなこと【普通】ならされることはない。

『えっあの人男かな?女かな?』

この言葉に敏感になり過ぎてた。

そんな生きづらさと体への嫌悪感、本来あるべき姿を取り戻す為の手術。
ところが20代前半に気持ちが少しずつ変化していきました。
手術の情報を集めているうちに失敗例に辿り着くこともあります。
『もし、自分がこうなったら、、、』と手術へのリスクにしか目が行かなくなってしまった期間があります。
そしてホルモン治療を続けているうちに自分が思い描いていた【普通】に近づいているように感じたことも。

普通に仕事ができて
パートナーと普通に生活ができて
躊躇もなく普通に男として接してくれる人がいて
普通に家族とも関われる

歳をとるにつれて【男とは】の概念が変わった。
【男とは】と言うより、【人として】どうありたいか。

そんな気持ちから手術にかかるお金を貯めることに執着しなくなってしまい呑み歩く日が増えた。
今のパートナーと付き合う前
手術をしてからが俺の人生の始まり』
と言っていたのをパートナーは支えたいと思ってくれていて、そこに向けて2人で生活するようになったのにどうしても手術に向けて気持ちが向かなかった期間があったことも。

体への嫌悪感も昔ほど感じることが減って、ふとした時に『あーやっぱりこの体は嫌だ』と思うことはあっても、日常生活で気になることが減っていました。

ただ結婚も考えていたし、するかしないかの選択をするならするって気持ちは変わらなかった。

ただ手術代を貯めている時に1番感じたのは
『このお金は本来なら違うことに使えて、みんなには必要ないお金なのか、、』と言う気持ち。
旅行に行ったり、車を買ったり、結婚式に使ったり。

今更そんなこと考えても無駄なことはわかっていましたがやっぱり少しは思ってしまう。

したくない訳でもなく、手術することに対して嫌悪感があった訳でもない。
最後の目的である戸籍変更をしたい!って気持ちは少なからずずっとあったので手術をする決断をしたことに後悔はありません。

でも数年間色々と葛藤することはありました。
焦って決断することではないし、親の心配と不安を取り除く前に手術をするのも違うのかなとか、自分の中の優先順位は合っているのかとか、

勿論することによって得られる幸せがあることはわかっていましたが、それだけではないこともわかっていました。
例えば戸籍変更をした後、除籍されることも調べていくうちに分かったことです。
所詮書類上だけの事。と割り切ればいいだけのことですが、家族から外されると言う書類上での事実。
親はどう思うだろう?
母には手術の前に伝えましたが、やっぱり完璧に納得はいかなかったみたいです。何故その必要があるの?と。
父には未だに除籍の事は伝えていません。

手術が終わったら変化することは良くも悪くもある。
手術を決断したのは25歳。25歳の自分だったからこそ目先だけの変化を求めることをせずに済んだと思ったら僕はこのタイミングで決断してよかったと思える。

術前は自分自身と向き合う凄く大事な時間になったし、家族の想いを考える時間にもなった。
そしてパートナーとの将来を改めて考える時間にもなった。

この期間ブレブレだった自分がいたことも事実ですが、簡単じゃないからこそいい加減な気持ちではダメだと思います。

早ければいい訳でもない。早いのが悪い訳でもない。遅いから何か問題があるわけでもない。
色々な選択肢がある。
僕は長い期間ブレブレでしたが、それもあり。

SRSをする前の気持ちはこんな感じでした!

次は最後にSRS後の心境を書きます。



未来は明るい

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