ep6. 試練
「Beauty Japanへ出場しよう!」
こう決意したのは4月初旬。
大会の事前審査は6月からということで、
とにかく本業であるフェムテック事業を
推進しなければいけません。
「ep4 悶々」でお話しましたが、
弊社が実現したいサービスは
『生理用品の自動販売機』です。
まず自動販売機を1から作るとすると
コストはどれくらいかかるのか。
自販機製造メーカー数社様に
お問い合わせしたところ、
平均で1台200万円でした。
さらにカラーラッピングやデザインをこだわると
+何百万円・・・
1台だけ作るわけにはいかないので、
初期費用だけで何千万円もかかることに🙄
リスクが高すぎる😱
創業初期は自己資金でリスク・コストを低く
ミニマムにまわしていくことが
ポイントだと考えていたので、
お金をかけずに実現する方法を模索しました。
そこで考え付いたのが、
「自販機をすでに展開している
自販機メーカー様と協業したい!」
という作戦です。
すぐに都内の自販機メーカー様に
片っ端から連絡し、
一度お会いしてお話させていただきたいと
お願いしました。
有難いことに、面談の機会をくださる会社様が
多かったです。
さらに、お話した全員が
社会貢献度の高い素晴らしい事業内容だと
理解を示してくださいました。
しかし、どの会社様も口をそろえて
仰っていたのが、
「コロナ禍で自販機メーカーは業績悪化で赤字、
続々と設置を撤退しているなかで、新規事業の余裕はない」という現実。
コロナ禍で出社する人が減り、
行楽地に外出する人が減ってしまった数年で
自動販売機の売上は激減。
その余波でコロナ明けの今も
苦難を強いられている―
お断りされてしまうことは悲しいですが、
このような業界のリアルを知ることだけでも
収穫です。
業界のウィークポイントを
どう活用して復活させていくのか
というような視点を盛り込み、
プレゼンをアップデートさせていきました。
しかし、協業の締結までそう簡単にはいきません・・・
解像度を上げた資料を片手に
私はついに最後の候補の会社様を訪問しました。
面談を担当してくださったのは、
取締役の男性2人です。
ご挨拶を終え、男性は開口一番、
「大変申し訳ないのだけど、フェムテックってなんですか?
うちの社員は女性が少ないから、社内で話題になったことがない。
ただ政府内で最近話題になっているようだから、
今回は商談ではなくフェムテックの講義をしてくれないか?」
正直なところ、こちらの会社様に
賭けていたというところもあったのですが、
取締役員の方々の雰囲気から
事業にはあまり興味がなさそうだと感じ
まさに、しょぼん(´・ω・`)というような
感情になったことを覚えています。
同時に、
この1時間で「フェムテック」「今後の市場価値」「女性推進における環境の重要性」についてなどを少しでも理解していただいたら
嬉しいなと思い、
プレゼン資料は使用せずに
自分の言葉で実体験を交えお話しました。
1時間後、お二方から「今後弊社でも絶対取り組まなければいけないと思ったし、何より生理について知らないことばかりで恥ずかしくなった」
と、感謝を伝えられました。
ただ「ありがとう」と言われても、
私は「感謝されてる場合じゃない。もうどうしよう~次の策を考えなくちゃ・・・」
という焦りでいっぱいです。
そして帰り、エレベーターホールまでお見送りしてくださった際に
「そうだ、御礼といってはなんだが・・・」
とお声がけいただいた一言で
事業が急展開することになるのです。
つづく・・・🦄🫧
株式会社Lforge
代表 根本理沙