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JR西日本のすごいヤツで体験した話

JR西日本、神戸線を通勤で利用するのが当たり前な人からすると、首都圏のJRや私鉄の運賃がよくわからない。
JR西日本で走る『新快速』は、普通運賃で最高時速130km/hほど、平均92km/h、朝のラッシュ時においても86km/hを出す素敵なヤツ。
貨物路線を使うので各駅停車やその次の快速電車を楽々と追い抜かして行く。
その新快速が普通運賃で乗れちゃう。実質タダ。だから首都圏のなんかしらんけど有料なのがよくわからないのである。

最近その新快速にも500円払って座席をとれるという車両も現れたけども。

帰宅時に乗り、ドア付近で立って何か面白い事があるかなとSNSなどを見ていた。何やら重量のあるものがノスンノスンと肩に当たる。ふと横を見るとかなり大柄なおじいさんが手すりを持って、足は一点集中、膝から手首にかけてぐるんぐるんと動いておられる。最初は寝てるのかな?と思ったが数回ノスンノスンと当たるので顔を見た。目は開いてるので起きているらしいが、おかしいと私のゴーストが囁いた。2回大きい声で「大丈夫ですか?」と聞いてみたら2回目で「ダイジョウブデス」とおっしゃる。

反応は出来ているので今は大丈夫なようだが、絶対おかしい。その返答時にもぐるんぐるんと動いている。多分膝の力が抜けかかっている気がする。座っている若い男性が立ち上がって変わろうとした時から急激におかしくなった。崩れてきたのだ。

こういう時見知らぬ他人が力を合わせて救護を行う。多分皆さん素人だが、今まで生きてきた経験値を発揮して自分で出来る救護をしようとしていたと思う。おじいさんは今すぐ最悪な状態になりはしないが、次の駅で止まったら救護人員が来てくれたら電車を少しでも止めずに、おじいさんもサポートを受けられるのではないかと判断し、人生初のSOSボタンを押そうと決心した。

よく急病人が出た=SOSボタンが押されたので止まります~というアナウンスを何度も体験し最長50分閉じ込められた経験もあるので、この状況を知らない人には苦痛になるなと思ったからだ。

大きい声で「すみません、SOSボタンを押しまーす!」と言うと周囲の人たちが私を見て「押せ」っていう目をしていたと思う。実際一人のおじさんはグッジョブ的な指を立てて物凄い勢いでうなずいてくれた。

心の中で「ポチっとな」と言ってしまった。

結果から言うと、こういう症状で席につかせようとしている時や、その少し前にSOSボタンを押さない方がいい。押したあと、急ブレーキをかけて止まるからだ。実際このおじいさんは数名の力を借りて席につかせようとした時に急ブレーキで体のバランスを崩し抵抗もなく窓枠に額をぶつけ血が噴き出してしまったのだ。

押す機会が無いに越したことはないが、もしあるなら急病人を素早く席に座らせるか、地べたに寝かせるかして急ブレーキに対応出来そうになった状態にしてからSOSボタンを押すことをお願いしたい。

かなりのスピードが出ているところだったと思う。新快速だもの。でも最新の技術のおかげでしゅっと止まった。さすが新快速。

車掌さんと話をし、取り合えず駅まで行ってから救護を行っても大丈夫だと思うという事になりすぐに発車し駅で数分止まった。
あとは駅員さんが大勢いらしたので、みなさん心配そうに眺めながら降り、私もその一人、無事におうちに帰られますようにと思いながら降りた。

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