『ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法』を読む
書籍情報
タイトル: ゼロから12カ国語マスターした私の最強の外国語習得法
著者: Kazu Languages
出版年: 2024年5月
ページ数: 232ページ
本記事では、備忘録を兼ねた本書のポイントのみの解説です。もし、本記事を読んで興味が湧いたなら、是非ご購入を推奨します!
要旨
テーマ: 効率的な外国語学習法
本書は、著者が5年間で12カ国語を習得した経験をもとに、「効率的な外国語学習法」を解説した実践書です。デジタル時代のツールを活用し、勉強を「遊び」に変える工夫や、挫折を防ぐための心構えがまとめられています。
筆者の主張: 語学は絶対「勉強」するな!
外国語は、単に「勉強」するものではなく、遊びや生活の一部として楽しく取り入れることや、フレーズを蓄積してから文法を学ぶことで効率的に習得できると主張しています。また、「完璧主義を捨てる」「継続を習慣化する」ことで、語学学習を誰でも実現可能にできることを提唱しています。
おすすめの読者
新しく言語を習得したい方
多言語話者になりたい方
言語の魅力について知りたい方
第1章: たった5年で「12カ国語マスター」
結論: フレーズを覚える→パターンを見出す→文法を学ぶ
下記のステップで外国語学習を始める。
フレーズを覚える
フレーズの蓄積からパターンを見出す
文法を学ぶ
根拠
外国語学習を大きく分けると、「論理的な学び方」「感覚的な学び方」がある。前者は先に徹底的に文法を学んでから会話力をつけるという学び方、後者は、フレーズや単語を覚えていく中で、自然に文法も身につけていくという学び方を指す。著者がスペイン語を勉強した際、先に文法を学んだことが、自分にはあまり合っていなかったと感じた。
この方法は、楽しみながら言語を学ぶ方法である。外国語を苦しい勉強から楽しい遊びに変えていく。楽しいから続けられるし、続けられるから多くの言語を学べる。
第2章: 外国語習得がはかどる最強ツール
結論: PimsleurとAssimil(筆者が使うメインツール)etc.
メインツール
補助ツール
コミュニケーションツール
筆者の使い方
Pimsleurで2ヶ月(30レッスン×2セット)
概要
「聴く」「理解する」「話す」に特化してトレーニングするアプリ
目的
外国語の音に慣れ、発音と文法を無理なく学ぶ
Assimilで3ヶ月
概要
ストーリーを読みつつ、文法や頻出フレーズを学ぶ教材
目的
リアルな会話で役立つ「フレーズ」「文法」「発音」を同時に学ぶ
Anki
概要
フラッシュカード型の外国語学習アプリ
目的
効率的に単語やフレーズを記憶する
根拠
下記の二点が備わったツールが自分の最適なツールである
すぐにネイティブに使ってみたいと思える実用的なフレーズが学べること
リスニング、スピーキングリーディングを一つのツールで学べること
第3章: 最も効率的な外国語習得のステップ
結論: 「赤ちゃんが母語を学ぶ過程」で学ぶ
「赤ちゃんが母語を学ぶ過程」で学ぶ
ネイティブの発音を真似る
実践的な文法を学ぶ
ステップ①とステップ②でひととおり素地を作ったら、後は同時進行ですべての力の精度を高めていく
ステップ①:ネイティブの発音を真似る
説明
「実践的なフレーズを、ネイティブの発音を真似して声に出す」というのを徹底的に積み重ねる
やり方
おすすめツールは、Pimsleur
目的
ネイティブに対して使える「実用的なフレームのストック」を作ること
ネイティブの発音をひたすら真似ることで、学び始めの段階からしっかりとした発音を身につけること
大切なこと
無理せずに継続すること
唇の形や舌の形や位置に注意して発音を真似る
ネイティブの声のトーンにも注目する
単語ではなく、フレーズで覚える
ステップ②: 実践的な文法を学ぶ
説明
フレーズを頭の中でストックしつつ、リスニングとスピーキングの素地を作ってから、文法を学んでいく
やり方
覚えたフレーズからルールを予想する
それを元に簡単な文章を組み立ててみる
答え合わせをするように文法を学ぶ(疑問点は調べ、例外的なルールも学ぶ)
目的
「ルールを理解して使いこなす応用力」をつけることで、習得に向けてさらに上達するための武器を手にする
実践の文脈から外れることなく文法を身につける
大切なこと
単に黙読・音読するのではなく、文章を書き写しながら音読する
加速させるコツ
このあたりから単語を単体で覚えてもいいフェーズに入るため、語彙力を個別に強化する方法も取り入れていくといい
実践的な文法を学びつつ頻出単語1000〜3000語を覚えてしまえば、日常会話くらいは不自由ないレベルに到達する。
文字を覚える2つの方法
YouTubeで「言語名 Pod101.com alphabet」と検索し、文字の解説をしている動画を視聴する
「言語名 alphabet song」と検索し、文字の覚え歌を歌いながら覚える
これらの方法を用いても文字を習得できない場合、前述のステップ①と②を繰り返し、フレーズや単語を覚える過程で文字も覚えていく
第4章: 外国語習得を加速させる習慣術
結論:「とにかく、やめないこと」「毎日その言語に触れること」を意識
あまり上を見すぎず、焦らず、「とにかく、やめないこと」「毎日その言語に触れること」を意識する
1日のうちのどのタイミングに勉強するかを予め決める
1日にどれくらい勉強するかを時間の長さではなく、量で決める
継続するためには、モチベーションではなく、サッと学習に取り掛かれるような環境作りが重要
学習中の言語で日常生活を満たす
独り言を言う
スマホの設定を学習中の言語に変える
短文を書く、SNSに投稿する、日記をつける
学習中の言語で趣味を楽しむ
日頃から心がけていること
「画像検索」で語彙を磨く
外国語学習では、母国語に変換する癖をなくすことが大事
外国語で外国語を学ぶ
一石二鳥の学習効果を得られる
文法はぐちゃぐちゃでもOK
言いたいことは意外と伝わるし、一生懸命さを誉めてもらえることがほとんど
その国の流行、スラングを知っておく
相手の母語の母国語を使うと、大抵の人は、まず驚き、笑い、そして気づいた時にはすっかり打ち解けている
ネイティブの会話を録音、録画する
今まで学習したことの復習材料であると同時に、新しい発見の源になる
根拠
学び始めの頃は、1〜2日でも間隔が空くと前に学んだことを忘れてしまう
毎日、決まった時間に決まった量を勉強する場合、外国語学習が一気にはかどることはないが、突然失速するリスクを限りなく低くできる
第5章: 絶対に挫折しないマインドセット法
結論: 「完璧主義」「苦手意識」「恐怖心」を取り除く
「完璧主義」「苦手意識」「恐怖心」を取り除く
文法や文字、発音が難しいと感じたら、一旦脇に置いておく。
語学の習得に完璧はないと割り切る
すべてを理解しようしなくていい
いかなる言語も、言語ごとの法則に従い、聴くべきポイント(5W1H、動詞、語順)に集中して耳を傾けること
根拠
細部にこだわるより全体を捉える練習をした方が上達は早い
コミュニケーションとは互いに「大意を理解する」ことの繰り返しである
本書とのギャップ3選
「フレーズを覚える→フレーズを蓄積する→文法を学ぶ」の順で語学学習をすることが効率的だということ。
従来の学校教育で教わった「発音→文法→単語」の順番で学ぶことが効率的だと思っていた。
「大意を掴むだけでいい」ということ。
分からないことを1つずつ調べて完璧にしようとし、疲れてしまった結果、語学学習をサボることがあった。もっとリラックスして学んでもいいとわかった。
継続するためには、モチベーションではなく、サッと学習に取り掛かれるような環境作りが重要
これまでは、いかに語学学習のモチベーションを保つかについて考えていたが、語学学習を習慣化する仕組みづくりが大事だと学んだ。
知識の活用方法
フランス語の取り組み方
個人的にフランス語を学びたいので、下記のステップで勉強したいと思う
言語を学ぶ目的を明確にする
より多くの国の人とコミュニケーションを取りたいため
フランス語が仕事先で使われている言語のため
JPO試験でフランス語の資格があると有利に働くため
「言語名 alphabet song」と検索し、文字の覚え歌を歌いながら覚える
目的:文字を覚えるため
Pimsleurで2ヶ月(30レッスン×2セット)勉強する
目的:ネイティブの発音を真似るため
Assimilで3ヶ月勉強する
目的:実践的な文法を学ぶため
Ankiでフレーズを暗記する
目的:暗記したフレーズをそのまま会話で使うため
コミュニケーションツールを用いてフランス語話者と会話する
目的:会話を楽しみ、達成感を感じるため。
取り組む上での心構え
サッと学習に取り掛かれる環境作りをする
文法や文字、発音が難しいと感じたら、一旦脇に置いておく。
語学の習得に完璧はないと割り切る
すべてを理解しようしなくていい