『藤井風』と『風の時代』老荘思想との共鳴
はじめに:風の時代に現れた音楽家
2020年、世界はコロナウイルスという未曾有の出来事に直面し、人々の生活様式や価値観は大きく変化しました。その同じ年、日本の音楽シーンに突風のごとく現れたのが、アーティスト藤井風です。彼は、幼い頃から音楽に親しみ、独自の音楽性を育んできました。彼の音楽は、ジャンルにとらわれない自由な表現、普遍的なテーマを内包する歌詞で、多くの人々の心を捉えています。
2020年コロナの年。この藤井風のデビューと、西洋占星術で「風の時代」と呼ばれる時代の始まりが重なったことは、単なる偶然の一致とは言い切れない、何か深い意味を持つように感じます。この記事では、藤井風の音楽と「風の時代」というシンクロニシティという気付きと驚き、また彼の音楽に込められたメッセージや彼の人柄が、古代中国の思想である老荘思想と深く共鳴していることについて考察してみます。
風の時代とは:変化と精神性の時代
西洋占星術では、約200年ごとに、木星と土星が同じ星座で重なる「グレートコンジャンクション」という現象が起こります。このグレートコンジャンクションが起こる星座によって、時代の大きな流れが変わるとされています。
2020年12月22日、グレートコンジャンクションは水瓶座で起こりました。これにより、約200年間続いた「地の時代」から「風の時代」へと移行したとされています。
「地の時代」は、物質的な豊かさ、所有、安定、伝統などが重視される時代でした。一方、「風の時代」は、情報、コミュニケーション、知性、自由、変化、ネットワーク、多様性、そして精神性などが重視される時代です。
具体的には、以下のような特徴が挙げられます。
情報とコミュニケーションの重要性: インターネットやSNSなどを通じた情報の発信・共有がますます重要になります。
個人の自由と多様性の尊重: 従来の枠にとらわれず、個性を発揮し、自由に生きることが重視されます。
変化への柔軟な対応: 変化のスピードが速くなり、柔軟な思考や行動が求められます。
目に見えない価値の重視: 物質的な豊かさだけでなく、精神的な充足や心の繋がりなどが重視されます。
ネットワークと繋がり: 地理的な制約を超えた人々との繋がりが重要になります。
藤井風の音楽:風の時代の空気と共鳴
藤井風の音楽は、まさにこの「風の時代」の空気と共鳴していると思いませんか?
ジャンルレスな自由な表現:
彼の音楽は、ポップ、ロック、R&B、ジャズ、クラシックなど、様々なジャンルの要素を取り入れた、自由で独創的なスタイル。これは、「風の時代」が重視する「自由」や「多様性」を象徴していますね。普遍的なテーマを内包する歌詞
彼の歌詞は、愛、死生観、自己肯定、孤独、葛藤、希望など、人間の普遍的なテーマを深く掘り下げています。これらのテーマは、時代や文化を超えて多くの人々に共感を呼び起こし、「風の時代」が重視する「精神性」と深く関わっています。インターネットを通じた広がり:
彼の音楽は、YouTubeなどのインターネットプラットフォームを通じて広く知られるようになりました。これは、「風の時代」における「情報」と「繋がり」の重要性を象徴しています。癒しと希望を与える音楽:
彼の音楽は、時に苦悩や悲しみを表現しながらも、最終的には聴く人に癒しや希望を与える力を持っています。これは、「風の時代」が求める精神的な充足と合致しています。
老荘思想:自然と調和する生き方
老荘思想は、古代中国の思想家である老子と荘子によって提唱された思想です。自然と調和した生き方、作為を排した自然な生き方を重視する点が特徴です。
老荘思想の主要な概念として、以下が挙げられます。
無為自然(むいしぜん): 作為的な行動を避け、自然の流れに身を任せることを意味します。
道(タオ): 宇宙の根源的な原理、万物の根源、そして自然の流れを意味します。
足るを知る(たるをしる): 現状に満足し、欲を抑えることの大切さを説きます。
陰陽思想: 相反する二つの要素(例えば、光と闇、男と女、静と動など)が相互に作用し、バランスを保つことで世界が成り立っているという考え方です。
藤井風の音楽と老荘思想
藤井風の音楽には、これらの老荘思想と共鳴する要素が数多く見られます。
「何なんw」と無為自然: 「何なんw」は、人間の根源的な問いをストレートに表現した楽曲です。作為的な解釈や理屈ではなく、湧き上がる感情をそのまま表現しようとする姿勢は、無為自然の精神と深く共鳴しています。
「帰ろう」と道(タオ): 「帰ろう」は、死を自然な生命の循環の一部として捉える視点を表現しています。これは、老荘思想における生死観、つまり生と死は道(タオ)の循環の一部であるという考え方と共通しています。
飾らない言葉遣いと自然な言葉: 藤井風の言葉遣いは、飾らず自然体で、日常会話で使われるような口語的な表現が多いです。これは、老荘思想が重視する自然な言葉と一致しています。
音楽活動における流れへの委ね: 彼の音楽活動は、綿密に計画されたものではなく、自然な流れの中で生まれてきたように感じられます。これは、老荘思想が説く「流れに身を任せる」という生き方と共通しています。
飾らない人柄と謙虚さと足るを知るの精神: 藤井風は、名声や成功に驕ることなく、常に感謝の気持ちを持ち続けています。これは、老荘思想が説く「足るを知る」の精神と一致しています。
シンクロニシティ:必然性を帯びた偶然の一致
藤井風のデビューと風の時代の始まりが重なったことは、まさにシンクロニシティと言えるでしょう。この偶然の一致は、単なる偶然ではなく、時代の要請と才能の呼応、社会全体の意識の変化、そして普遍的なメッセージの力といった要素が重なり合った結果であると考えられます。
このシンクロニシティは、私たちに以下のようなことを教えてくれているように思います。
直感を大切にすること: シンクロニシティは、私たちの直感を通して伝えられるメッセージであることがあります。
時代の変化に敏感であること: 時代の変化は、様々な形で現れます。シンクロニシティは、その変化に気づくためのサインとなることがあります。
自分自身の内なる声に耳を傾けること: 私たち一人ひとりも、時代の流れと深く関わっています。シンクロニシティは、自分自身の内なる声に耳を傾け、自分の役割を果たすことの大切さを教えてくれているのかもしれません。
『風』の時代を生きるヒント
藤井風の音楽は、風の時代を生きる私たちに、多くの示唆を与えてくれます。彼の音楽に触れることで、私たちは、自由であること、変化に柔軟に対応すること、精神的な繋がりを大切にすること、そして自分自身の内なる声に耳を傾けることの大切さを改めて認識することができます。
また、彼の音楽に込められた老荘思想と共鳴するメッセージは、現代社会を生きる私たちに、自然と調和した生き方、作為を排した自然な生き方の大切さを教えてくれています。
変化の激しい時代を生きる中で、私たちは時に迷い、不安を感じることがあります。しかし、藤井風の音楽、そして老荘の智慧は、私たちに、変化を受け入れ、流れに身を任せ、内なる声に導かれることの大切さを教えてくれているのです。
この記事が、藤井風の音楽、風の時代、そして老荘思想についてより深く理
する一助となれば幸いです。
さいごに
私は一人のファンとして、彼の音楽を愛ています。さらに彼の音楽を聞いていると、この世界を愛している、と感じられるくらいに広がる高揚感・・・。
藤井風というアーティストに対し、最大のリスペクトを捧げます。
また、現代的な老荘的生き方としてのお手本ではないかと、感じることもあるのです。彼のように苦悩しながら音楽を生み出しつつも、自由に、自分らしく生き、自分を愛することで、逆説的に、すべてへの壁が崩壊して一つになる感覚へ至る・・・彼は、悟りのような中にあるのではないかと感じています・・・ちょっと、おじいちゃん、みたいなところがあるしね!笑
おまけ
Tiny Desk Concerts観ましたか?是非御覧ください!ちなみに、私もギターで番外から勝手に参加して(よくあるお遊びです)すると、標準的なギターのチューニングでは合わない。440Hzが標準ですが、この動画では・・・432Hzのチューニングです。432Hzは、数学的に宇宙のパターンと一致していると言われています。「奇跡の法則」とも。モーツァルトやヴェルディなどの音楽家が、はるか昔より用いている周波数帯です。ギターチューニングも、少し緩いテンションとなり、リラックスして感じますね。
最後までお読みいただき、ありがとう!