見出し画像

2025年、新たな時代を迎えるにあたって:老子の教えとともに考える転換期の生き方

謹んで新年のお慶びを申し上げます。
2025年が始まりました。今年が皆様にとって実り多き一年となることを心よりお祈り申し上げます。

2025年は日本社会、そして世界にとって大きな変化の年。高齢化社会の進展や技術革新、新たな課題の顕在化など、時代の転換点に立たされています。これを機に、私たちはどのように生きるべきか。ここでは、老子の『道徳経』の教えを参考にしながら、この時代を乗り越えるためのヒントを探ってみたいと思います。


1. 「2025年問題」に向き合う:老子に学ぶ柔軟さ

2025年、日本は「団塊の世代」が全員75歳以上となり、超高齢化社会が本格化します。医療や介護、労働力不足、社会保障費の増大といった課題が一層顕在化し、社会全体が大きな変化を迎えます。この状況において、私たちはどのようにして「負担」ではなく「調和」を見出すことができるのでしょうか。

老子の教え:「柔よく剛を制す」

老子は『道徳経』でこう述べています。

「天下の柔弱なる者、水より莫(な)し。而して堅強なる者を攻むるに勝つ。」(道徳経 第78章)
(この世で最も柔らかい水は、最も堅固なものを打ち破る。)

柔軟さは、困難を乗り越えるための最も強い力です。医療や介護の現場では、柔軟な発想や地域ごとの創意工夫、テクノロジーの活用が求められます。また、家族や地域社会が協力し合うことで、負担を分散し、支え合う仕組みが生まれるでしょう。

私たち一人ひとりも、柔軟な心をもって変化を受け入れ、他者と調和を図ることが重要です。老子の「柔」の教えを胸に、しなやかに時代の波を乗り越えていきましょう。


2. 「2025年の崖」を飛び越える:無為自然の実践

デジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れによる「2025年の崖」が、日本企業にとって経済的損失をもたらす可能性が指摘されています。しかし、老子の教えを通して見ると、この「崖」もまた私たちに成長の機会を与えるものと捉えることができます。

老子の教え:「無為自然」

老子は『道徳経』でこう語ります。

「道は常に無為にして而も為さざるなし。」(道徳経 第37章)
(道は何も強制せず、自然のままに任せるが、すべてを成し遂げる。)

ここで示される「無為」とは、「何もしない」ことではありません。むしろ、自然の流れに逆らわず、無駄を省き、必要な行動を最適化することを意味します。DXの遅れを克服するためには、無理やり大きな変革を押し進めるのではなく、現状を冷静に見つめ、必要な部分に集中して改善を進めることが大切です。

また、個人としても、デジタルスキルを無理に追い求めるのではなく、自分ができる範囲で学び続ける姿勢を持つことが「無為自然」の実践につながります。


3. 新しいサイクルの始まり:道に従い調和を目指す

2025年は、占星術的には海王星が魚座から牡羊座へ移動し、165年ぶりに新たなサイクルが始まるとされています。これを「変化」の象徴と捉えるならば、私たちはどのようにこの転換期に向き合うべきでしょうか。

老子の教え:「大道廃れて仁義あり」

老子は次のように述べています。

「大道廃れて仁義あり。」(道徳経 第18章)
(大いなる道が見失われると、人々は表面的な仁義に頼るようになる。)

これは、本来の自然な調和が失われると、人々は無理に「正しさ」を求めるようになるという警告です。この転換期において、私たちは人工的な「正しさ」や「効率性」を追い求めるのではなく、自然な流れ、つまり「道」に従った調和を目指す必要があります。

新しいサイクルの中で、個人の価値観や主体性が重要視される時代が到来すると予想されます。しかし、それは独善的な生き方ではなく、他者や自然との調和を重んじる生き方であるべきです。老子が説く「道」に従い、自然体で新しい時代に向き合いましょう。


4. 国際社会の希望:柔和さがもたらす平和

世界に目を向けると、紛争や困難を乗り越え、新たな希望を見出そうとしている地域があります。例えば、シリアのように、長い戦乱の中で初めて新年を祝う人々もいます。

老子は平和についてこう語ります。

「柔弱は剛強に勝つ。」(道徳経 第36章)

武力や強制ではなく、柔和さや共感が真の平和をもたらします。2025年には、私たち一人ひとりも、柔らかな心で他者と向き合い、国際社会の平和に貢献することが求められるのではないでしょうか。


5. 2025年の私の抱負:易経を学び、『道徳経』との理解を深める

2025年という転換期を迎えるにあたり、私自身も新たな挑戦をしたいと考えています。今年は、老子の『道徳経』と深く向き合うことに加えて、もう一つの中国古典である『易経』を学ぶことです。

『易経』は、宇宙の生成と変化の法則を説いた書物であり、老子の思想と共通する部分が多くあります。『道徳経』が「道」という根本原理を説いているのに対し、『易経』はその「変化」の具体的な在り方を示しており、両者を学ぶことでより広い視点から人生や時代を捉えることができると考えています。

『易経』は、変化する現実の中でどのように調和を保つかを教えてくれる書です。老子の「無為自然」と組み合わせて学ぶことで、より深い生きる知恵を得られるのではないかと期待しています。


6. 老子から学ぶ2025年を生きるヒント

最後に、2025年を生きる私たちにとって、老子の教えがどのような示唆を与えてくれるのかをまとめます。

具体的なヒント

  1. 柔軟に変化を受け入れる

    • 困難な状況に直面したときこそ、水のように柔らかく適応する心を持つ。

  2. 無為自然の実践

    • 自然の流れに逆らわず、無駄を省き、シンプルに生きる。

  3. 調和を大切にする

    • 他者や自然との調和を重んじ、人工的な正しさに縛られない。

  4. 平和を育む心を持つ

    • 柔和さと共感をもって、身近な人々や社会と向き合う。

  5. 学び続ける

    • 古典の知恵を通じて、変化の中に普遍的な真理を見出す。


おわりに

老子が説く「道」の教えは、どんな時代にも通じる普遍的な知恵です。2025年という転換期は、課題と希望が交錯する複雑な年になるでしょう。しかし、老子の言葉を心に刻みながら、柔軟で自然体の生き方を実践することで、私たちはきっと新しい時代を乗り越えることができるはずです。

私自身も、『道徳経』と『易経』の教えを深めながら、この激動の時代を一歩ずつ歩んでいきたいと思います。

今年もどうぞよろしくお願いいたします!

いいなと思ったら応援しよう!