私はこんな表現者になりたい。
これまで、私が育ってきた環境では “型破り”が良しとされないシーンが多かった。
人と違う道に進もうとすると、それを揺さぶる要素が山ほどあった。
だからこそ、「幅がないね」「型破りになれ」という言葉を貰ったとき、正直どうしていいかわからなかった。
原因は少し真面目に考えすぎてしまう私の性質。
でも、それだけではない。
自分の表現の幅が少なすぎるということだった。そしてその要因は、圧倒的に、色んなものを見る機会が少なかったことにあると気づかされた。
いや、自分なりに色んな景色をみてきたけれど、そこから"何を作り出せるか"という視点が足りていなかったんだと思う。
───自分をもっと目立たせて、自分なりの表現をもちたい。
私の理想の表現は、温度感のある自然体で柔らかい表現の中に、時に大胆さが垣間見える、本質を捉えた「伝わる」表現者。
そして、芯の強さからユーモアが垣間見えるチャーミングさを兼ね備えていたい。
そのために必要なことはいったいなんだ…
そんな中、あらゆる本を読み漁っていく中で、「ニューフォークアートデザインコレクション」というデザインの本にピンとくる言葉が散りばめられていた。
この本を参考に、今思うことをまとめてみる。
私が目指す理想の表現者になるために大切だと思ったことは、
まず、【 過去の芸術をもっと知ること。理解しようとすること】だ。
過去の芸術とは、歴史を超越して、人を夢中にさせ、残ってきたもの。
そのものたちは、「本物である」という揺らがぬ背景をもっている。
本物…。
それは、人間の表現活動の真髄であり、自然の美や純粋なデザインを手本にした心から生まれた芸術であり、シンプルかつ簡潔なメッセージとして提示されてきた物語。
そんな「素材」から、アイデアやインスピレーションをもらい、全体の構成を解体して、現代的基準で再構築して、自らの製作における新たなレベルへと押し上げて、進化させる…
その流れこそが、「素材から、何を思いついたのか」「何をつくるだせるのか」という視点を解体したものであり、
本質を捉えた表現者になるために必要な過程なのだと思った。
独りよがりに伝えるのではなく、物語を保存し、継承する機会にすることができる。
伝統を正統に引き継ぎ、その意味を展開させ、内側からその在り方を問いただすことができる。
そんな力は、
めまぐるしくトレンドが塗り替わる今だからこそ、本当に残すべきものの価値を永続させる為に、とても必要な力だと思った。
新しいものをいっぱい見れる環境にいる今を最大限に生かして、
いっっぱいいろんなもの見て、いっっぱい感動したい。
沢山の人の歩んできた背景を想像できる力をつけて、素通りしてしまうような些細な素材ですら全力で面白がって、そこから何か面白い物を作り出せる人になりたい。
そして、過去もちゃんと理解した深みのある、幅のある人になりたい。
今は何もないけど、
だからこそ、
吸収できる広い余白と、
素直に熱中できる好奇心は、
強みになってくれるかもしれない。
2023.09.12 手紙のヒト akina
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