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「認知症に寄り添う暮らし」(5)

5.認知症とともに生きる社会をめざして

世界アルツハイマー月間の九月に認知症について考えたい5つの項目を書いてきましたが、今回が最終回です。

私たちの社会は認知症の方をそして認知症というものをどのように受け止めたらよいのでしょうか?

誰もが将来認知症になる可能性があります


一緒に暮らせる社会を創ることを考えたいと思います。

先日読んだ医療小説、医師である久坂部羊さんの著作です。
やる気満々の若手医師が南の島で繰り広げる現代医療の矛盾を突く小説です。
この中でもの忘れ外来や教室を開催する話があります。
無理やり教室に連れてこられた認知症の高齢者が戸惑ってかえって失禁がひどくなってしまう章がありました。
なんとなく自然に家庭で暮らしていたのに、認知症を良くしたい!と願った医師が巻き起こす悲劇です。
その他にも終末期医療についても書かれています。


人は自由な行動に慣れている

認知症の人々とともに暮らすためには、まず高齢者だけでなく、若い世代が正しい知識を持ち、将来に備えることが必要です。
認知症のはゼロヒャクではありません。症状は様々なグレードがあり、滑らかに移行していきますし場面により変わります。
自分が拒否したいことはわかるけれど、したいことはよくわからない。基本的な欲求、食べたい、トイレに行きたい、眠りたい、体を動かしたいはわかるけれど、言葉に出せず行動に出る段階もあります。
誰だって自宅でトイレ行きますと言わずにトイレに行き、おなかが空いたから麦茶飲もうかなと言わずに冷蔵庫を開けています。
それをいちいち監視されて、動くな!危ない!あとで!といわれたらうっとうしいのは当たり前。
ずうっと飛行機の離着陸でCAさんに見張られているようなものです。

もの忘れがあっても生活できる社会

毎日の習慣や好きなことに関わることで、認知症の進行を穏やかにすることができます。 さらに、介護を考える家族だけでなく、地域全体でしっかりと仕組みを作ることも重要です。ただでは負担が大きくなり過ぎることが多いため、専門のサポートや、地域の支援施設を利用することで、安心して介護を続けることができます

認知症の人という括りでなく、その人が以前と異なる認知の状態になったと理解していただきたいです。
まずどのような生活背景があるか、何に興味があるかなどお付き合いとすればまず知りたいことから人となりを理解しましょう。

加齢、老化、認知症は誰でも通る道です。



1.認知症と診断されたら:まず知っておきたいこと

2.家族が支える認知症ケアのコツ

3.施設での安心できる暮らしを目指して
(施設での対応として、失語症や難聴の方への支援策を紹介)

4.認知症の方が安心できる環境づくり

5.認知症とともに生きる社会を目指して(本章)



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