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花しか見ないヒト、木を見る人

先日近所の病院のスタッフから聴いた話です。

患者さんから、桜の木を切ったんですね、ショックですといわれた。
でも、スタッフは気づいていなくて、なんで切ったのかもわからない。

切られた木は、正面玄関に左右対称に二本あるしだれ柳。二階に届くほど立派なものでした。
理由はわかりませんが、葉がでないように、太い幹だけ残してオブジェのように不気味に見えます。おそらく庭師ではなく素人が切ったのでしょう。

患者さんは、毎年楽しみにしていたのにと涙ぐんていたそうです。

実は私、その病院の正面玄関を毎週見ているのです。
でも気づきませんでした。私の目は節穴_| ̄|○
きっと桜の咲く時期には綺麗だなと思っていたのでしょうが、花がない時期は気に留めず、通り過ぎていました。

人間とはそういうものなのかもしれません。
花が咲いたらキレイね~美しい~と言いつつ、その他の季節は存在を忘れている。

一人の患者さんが教えてくれなければ、枝垂れ桜は葉がでないまま立ち枯れの姿になっても気づかれなかったかも。

自然はいつも私たちに恵みをくれます。
芽が出て、花が咲き、葉を茂らせる、その間木は生き続けているのです。
病院の玄関にそびえたつ葉も枝もないもう何の木かもわからなくなった二本の木、もしかして切った人は何かを伝えようとして切ったのでしょうか?

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