⑦決断のとき
3月に入ってからわずか1週間の間の急展開に、なんだか信じられない思いでいました。その週は悶々としていました。
ずっと診察に付き添ってくれた夫は、やはり手術をした方がほうが良いという感触だなぁ・・・と言うし、親は、そんな心配なものは一刻も早く取ってしまいなさい、私たちが元気なうちに、と言います。
そこで、信頼する占い師さんにも視ていただくと・・・手術を早くに受けた方が後のことを考えると安心、ということでした。
そうか、そうなのか。やるしかないんだな。
ということで、総合病院へ行った週の土曜日、意を決してクリニックに電話を入れ、今後の方針を伝えることにしました。
クリニックの先生は、私が手術する意向を伝えると、自分もその総合病院で手術に立ち会いますと仰いました。
さらに、手術日程等を決めるべく、改めて総合病院で再診の予約を入れてもらいました。
ここで問題になったのは、卵巣を1つ残すかどうか。また、開腹手術か、腹腔鏡下手術か。
悩んでいると、夫が「うちの母にも相談してみたら?ずいぶん昔だけど彼女も確か、あなたと同じ手術を受けたと思う」と言います。ええ、何それ?知らなかったよ?
勇気を出して義母に聞いてみると、彼女も子宮と卵巣の全摘出手術を受けたと言います。こんな身近にそんな人がいるなんて?
早速、卵巣について残すかどうか相談してみると、「取った方がいい!」と即答でした。
義母の場合は、20代で子宮を全摘出し、その20年ほど後、卵巣を両方とも摘出したとのことでした。
「私のように、手術を二度受けることになるかもしれないよ。辛いよ」
よし、分かった。やるしかない!
もう、やると決めたら、前に進むしかありません。総合病院の先生に手術の方法について相談すると、腹腔鏡下手術だと、筋腫が大きいのでてこずるであろうことと、チョコレート嚢腫が悪性だった場合、手術中に破れて腫瘍細胞が飛び散るという形で転移する可能性が否めないため、開腹の方が安全だと思います、とのこと。
私の住む町で、他に総合病院の婦人科系でそれなりに名の通ったところはありません。コロナ禍のこともあり、高度な腹腔鏡下手術をしてくださる都心に行くことは現実的ではありません。現時点で私に示されているのは、開腹手術、この一択。
これで完全に、腹をくくりました。切腹でも割腹でも何でも来い!
入院・手術を決めたこの日、身長・体重を計測されました。わぁ、こっちの測定は心の準備ができてなかった!(笑)そして、HIV感染検査を行う旨を説明され、同意書をその場で提出しました。この検査は、治療方針を決め、かつ医療従事者への感染を防ぐためにも、手術前にどうしても知る必要があるとのことでした。
こうして手術を決めたのは、3月初旬に血液検査の結果を聞いてから、わずか1か月も経たない、3月下旬のことでした。