⑫当日手術前

早朝、点滴を装着されました。そして起床後、まずは「弾性ストッキング」を履きます。これは、肺血栓塞栓症の予防のためのものだそうです。次に、内診がありました。また、排便がなければ浣腸をするとのこと。色々と忙しいです。

私の手術開始予定はお昼でしたが、中々呼ばれないので、病室担当の二人の看護師さんの計らいで、病棟入り口で待つ夫と会うことができました。そして、調子はどう、等々と話す間もなく、呼び出されました。時計を確認すると11:15、なんだかんだと予定通りです。

手術室前まで、点滴を持ちながら夫と一緒に歩いていきます。「頑張れよ」と言ってくれた夫と別れ、大きなドアをくぐると、そこは広々とした空間でした。室内には手術室が少なくとも10室あるらしく、「手術中」と点灯されている部屋もあります。

すごいなぁ、と感心している間に、病室担当の看護師さん二人と、手術室担当の看護師さん二人が確認作業をしています。そして、私自身にも、名前と術名を聞かれます。こうして、ミスを防ぐのですね。安心作業です。

担当の看護師さんたちと別れ、手術室担当の看護師さんたちに改めてご挨拶。医師と看護師、分かっているだけで7名体制です。

これだけの人たちに手術を行ってもらえるなんて、ありがたいことです。どうぞよろしくお願いします、などと言っている間に、寝台に上がりました。テレビドラマで見るような、すごく大きな丸型のライトが頭上に見えました。

背中を丸め、硬膜外麻酔が打たれる間、麻酔科医の先生も看護師さんも優しく声かけしてくれました。看護師さんは、前日に私が海外滞在経験があるという話をしたことを覚えていて、その世間話になりました。気を反らしてくれるためなのですね。

海外のお話で談笑している間、麻酔科医の先生から、次はどんなことをしますよ~と背中越しに丁寧に説明されます。

硬膜外麻酔は、ありがたくも痛くありませんでした。大丈夫ですかぁ~との声に、はい大丈夫です、と答え、正面を向き、これから全身麻酔をかけますね~、と言われ、マスクを被せられました。そして、深呼吸して下さ~い、と言われている間もなく、記憶は全くなくなりました。

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