⑬当日手術後

「・・・さ~ん、・・・さ~ん。聞こえますかぁ」

との声に、はっとすると、そこには麻酔科医さんらしき姿が見えました。

「よかった。旦那さんが見えてますよ~」看護師さんにそう言われ目を上げると、心配そうな表情の夫が見えました。

私はあまりよく覚えてないのですが、「気分はどう?」という質問に、「腹が痛いのと吐き気で気持ち悪いよね~」と言ったらしいです・・・

目が覚めてすぐ感じたのは、腹部の違和感・・・というより、痛みですね。病室の看護師さんが心配そうに私を覗き込みながら、こう言いました。

「長かったですね~」

え、そうなの?すると、終了時間は14:40で、約3時間半かかったと言われました。ええ、1時間半から2時間の予定じゃなかったっけ?

返事する間もなく、夫とあっという間に別れ、病室に運ばれていきます。手際よくベッドに移され、足には肺塞栓症防止のための空気マッサージ器、右手には点滴と心電図モニター、鼻には酸素吸入器、膀胱には導尿カテーテル、背中には携帯用の硬膜外麻酔がつながっています。

病室に戻ってすぐは、ちょっと吐き気がありました。う、吐くかも!と思った瞬間、お腹がひっくり返ったのか、痛みが走りました。いかん、これはまずい!大丈夫だ、吐くものはないはずなんだから!と必死にこらえます。

同時に、ものすごい寒気を感じると伝えると、電気シーツをかけてくれました。そして、しばらくすると、酸素吸入器が外されました。

酸素吸入器を外されてしばらくしてから、クリニックの先生が病室にやってきました。聞けば、「腸とね、癒着しちゃってたの」。

先生は私には優しくこう言っただけでしたが、夫に聞いたところによると、S状結腸と子宮の癒着が強く、そこの剥離のために時間がかかり、出血も増えたということらしいです。父譲りの元気な胃腸のおかげで、お通じで困ったことはほぼないのだけど・・・先生曰く、「これからもっと楽になるよ」とのこと。

また、もう一人の祖父似の先生もやってきました。手術の経験がない場合に癒着というのはあまりないのだけど、内膜症が腸との間にもできていたんだろうというのが結論です、と。そこで、「癒着はMRIでは映らないのですか?」と尋ねると、「それはね、開けてみないと分からないのね。だから、仮に腹腔鏡下手術だったとしても、途中で開腹になったと思います」。

そうだったんですね。そういえば、手術の方法についてあちこちの病院の情報を調べた時、腹腔鏡下手術を行っても、強度な癒着がある時は開腹手術に移行する場合があると、どのHPにも注意書きがありました。一択だったとはいえ、開腹手術で良かったということなのでしょう。

腸に関する症状について、後になってよくよく考えたら、生理中および生理中の排便時に時折痛みがあり、痔の薬を使用していたことがありました。今思うと、これが症状の1つだったのですね。

ということで、これから手術を受けるという方は、あらぬ所に「普通はない」、あるいは「これまでなかった」痛みを感じるときは、少し注意がいるかもしれません。私は慣れきっていて、いや~そんなこともあるよね、くらいにしか思っていませんでしたが、ちょっとでもおかしな症状があるなら、女性の家族や友人に同じ経験があるか情報交換したり、担当医に伝えておくのが良いのかなと思いました。

さて、その夜は、一晩中、足の空気マッサージ器が動いていました。夜担当の看護師さんは、1時間おきに血圧を確認し、傷口の確認もしていました。この時、先日購入したおむつを履いていることを知りました。

何回目かの傷口確認の時、今度は熱が出ていたようで、電気シーツを取り、おむつの中にタオルを巻いてくれました。そして、お水ももらいました。

また、なんとなく痛い・・・というかかなり痛いような気がする、と伝えると、座薬を入れてくれました。

そんなこんなで、ふわふわと寝たり起きたり、暑いな寒いな痛いな等々としている間に、気付くと朝になっていました。


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