【銭湯めぐり88 弘善湯@三軒茶屋】銭湯激戦区に佇む落ち着いた伝統銭湯
【銭湯めぐり88 弘善湯@三軒茶屋】
日曜は朝近所のジムで泳いでから、世田谷線で三軒茶屋に。行き先は、以前訪れようとしたものの土曜が休業であることを調べずに行ってしまって断念した #弘善湯 。
まずは、腹ごしらえに、前から目を付けていたちゃんぽんの有名店 #長崎 へ。外観内観ともに初見はちょっと躊躇するかもしれない感じだが、レビューを見て宿題店に。今日も猛暑のため、ビールが飲みたくなり、ぺこぺこの人向けメニュー(もう一つのカテゴリーはぺこの人)の中でも、ちゃんぽんというよりは、バリバリの皿うどん(略称バリ)の気分。大抵このどちらかをチョイスしているよう。なかなかの大盛りかつしっかり味で食べ応えあり。ビール中瓶のみとしたが、もう少し飲めたかも。
いまやリアル書店が少なくなってきており寂しい限りだが、レンタル館がなくなり書籍販売のみとなったキャロットタワーの#TSUTAYA三軒茶屋店 で、しばし逍遥。文庫本コーナーで、「日本法制史講義 公法篇」という中田薫東京帝大教授の大正10年〜昭和10年の講義プリント・自筆ノートを基に長年掛けて編集され、出版されたばかりの文庫本(解説含め、600頁強)を発見。こんな堅い本が今出版されることへの驚きと、100年程前のいわゆるシケプリ(試験対策プリント)がこんな形で世に出ることへの驚きのダブルサプライズ。大化の改新より前から徳川時代までの、中央官制や地方制度の歴史が辿れるのが楽しみ。
ドトールで少々時間調整をしてから、土日は15時開店の #日本酒つみりの へ。15時半開店の弘善湯に行くまでのチョイ呑みと思ったが、結局1時間弱滞在。これが店主も客もスゴい店だった。4種飲み比べ(店主お任せで、今日は泉川(飛露喜で有名な福島の廣木酒造の地元優先出荷酒)2種と、叶川(愛媛)2種)と、辛口本醸造の会津を頂いたが、いずれも唸る味。お通しの蛤汁も磯の香り満載で美味い。腹は空いてなかったので、サラミとガリの盛り合わせをつまみに。カウンター席に来られる常連客の店主との会話が、日本酒通でないと理解できない感じでスゴい。三茶に来る時はぜひ再訪したい。
いよいよ弘善湯へ。ビル銭湯などに比べると脱衣所が広く、浴室の天井も高い昔ながらの銭湯。お湯は薬草系1種で、ジェットとバイブラの浴槽が並ぶ形。伝統的な番台タイプで湯上がりにゆっくりする感じではない。客が自分以外2名だけだったのがやや気がかりではあったが、三茶は世田谷区内でも珍しく銭湯が複数残る地域だからか。アプリのスタンプラリー用のQRコードを、浴後にお願いすると、(支払いをする)最初に言って欲しい、勝手に入ってきて(スタンプだけ)やっていく人がいるから、とお叱りの言葉。やや釈然としないまま、謝りつつスタンプだけはやらせてもらったが、こんな指摘はスタンプ75個目でほぼない。理屈は理解するが、状況に応じて判断して欲しいと思ってしまう。
旅のお供は、大岡敏昭氏の「武士の絵日記 幕末の暮らしと住まいの風景」。絵も上手で、元中級だが下級身分に降格された武士による実在の絵日記から再構成された作品。暮らしの様子は、毎日のように友人知人と会って、頻繁に酒を酌み交わしており、十人扶持に格下げされて薄給だったにもかかわらず、何やら楽しげな感じが伝わってくるのが、実に親近感。中下級武士の住宅は東西南北様々な向きに入口を設けて造られていたとの分析もあり、現代の、南向きに庭を取ること一辺倒で、周辺との関係性をあまり考慮しない家造りを戒めているところもなかなか興味深い。
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