【銭湯めぐり78 朝日湯@千駄木】元銭湯施設が近くにある年中無休の便利銭湯
【銭湯めぐり78 朝日湯@千駄木】
今回のコンセプトは銭湯&元銭湯。比較的銭湯が残っている東京でも、採算や後継者の課題で廃業を余儀なくされる銭湯は少なくない。中には、その特徴的な建物の外観、内装を活かしつつ、別の用途に転換した例もある。
千代田線千駄木駅近くの #朝日湯 は年中無休で午前10時から午前1時半まで営業という営業時間の長い銭湯。谷根千エリアを巡るのは2度目。朝から3キロスイムで腹を空かせて最初に向かったのは隣の根津駅そばの #饂飩根の津 。おとなの週末に掲載されていたりして、なかなかの人気店で、席数が限られていることもあるが、列が絶えない。「美味しい日本酒あります」の貼り紙にぐっと惹かれるが、気温も相当高かったので、瓶ビールと冷たいちくわ天玉ぶっかけうどんの組み合わせに。大根おろしと相まって、若干さっぱり過ぎる感じもあったが、讃岐うどんらしいコシのしっかりしたうどん。
続いて、どうしても見つけると買ってしまう手焼き煎餅の店 #大黒屋 で、道中食べるための大判の煎餅を購入。この近くに元銭湯の施設を2ヶ所見つけていた。1つ目は、アートギャラリーの #scaithebathhouse 。現代アートの展示をやっているスカイ・ザ・バスハウスと言う施設。この日は、アピチャッポン・ウィーラセタクンと言うタイ人アーティストによるSolarium という作品展。銭湯の玄関部分や浴場の中央部分の天井の高さがそのまま生かされた建物でなかなか面白い。このエリアに多いインバウンド客や若者グループを中心に人の出入りが多い。
続いて向かったのは、より駅近の #miyanoyu 。旧宮の湯がSENTOビルに生まれ変わって、2021年から一部が銭湯の内装をうまく活かしたお洒落カフェになっている。入口の下足入れにコーヒーカップが展示されるなど、銭湯の名残は色濃く、元浴室エリアは昨年リニューアルして拡張されたとのこと。座風呂があった場所をそのまま活かして、上に畳を敷き、脚が伸ばせるくつろぎスペースで、コーヒーフロートをいただく。アイスコーヒーを頼んだのだが、レジのお姉さんの「アイスを付けるとフロートになりますよ」との宣伝フレーズにやや恥ずかしくも即反応。畳の上は目線もやや高く、壁にもたれられて、本当に座風呂に入っているような不思議な気持ち。涼しい読書タイム。独特の空間感が残るなかなかいい場所。
そこからほぼ一駅分歩いて朝日湯に向かうが、表通りではなく、1〜2本中に入った通りを歩くと、住宅地の中にちょっとした飲食店、雑貨店などが点在し、観光地化の影響を感じる。谷根千は、震災、戦災の影響が少ない数少ない下町の地域で、もともとは中高年に人気となり、今は若者とインバウンド客が押し寄せているようだ。
朝日湯は、サウナもプラス250円で付けられるがととのう場所は特段設けられていないので、洗い場でぼうっと座っている若者が数名。地元の幅広い層に愛されているよう。おそらく43度台のちょうどいい熱さで、薬湯とゲルマニウム温泉を提供。ゲルマニウム繋がりということなのか、タイル上の銭湯絵はなぜかドイツ風のお城の絵。昔ドイツで河畔の古城ホテルに泊まったことを想い出す。浴後は、紫蘇梅味のトーキョーハイボールという下町風缶チューハイをいただきながら、ゆっくり。
ちょっとエンジンがかかってきたので、シメは、朝日湯からすぐそばで、谷中方面から観光客が流れてくる場所に位置する居酒屋 #花いち で串焼きを。店に入るとカウンターに座る作業服姿の女性の常連さんがいらっしゃいと言うも、店主はおらず、今買い物に行っているからちょっと待ってて、とのこと。まずは串3本と立山をいただき、追加で芋ロックと注文したところ、女将さんは芋ロックを出してくれたが、なぜか大将が女将さんにきゅうりを持ってくるよう頼んでいる。その後出てきたのがもろきゅう。(い)もろっくがもろきゅうに聞こえたとは、大将と隣の常連さん。滑舌悪くてすいません笑。まあついでにそれもいただいて、この日のブラウエダを終了。
お供にしたのは、本川達雄氏の「ウマは走る ヒトはコケる-歩く・飛ぶ・泳ぐ生物学」。泳いだり走ったりすることが習慣化したことで興味を持ったこともあり、チョイス。生物学のみならず流体力学の話が出てきたり、なかなか完全理解は難しいが、四肢歩行する動物の歩くと走るの違いや、赤身魚と白身魚の筋肉の働きの違いなど、蘊蓄になりそうなエピソードが満載。人間は所詮動物だとの思いを再確認。