【銭湯めぐり95 小杉湯原宿@原宿】オーナーの気概を感じる複合ビル地下の快適銭湯
【銭湯めぐり95 小杉湯原宿@原宿】
今回は、今年春にオープンして、銭湯界隈のみならず一般メディアでも大きなニュースとなった #小杉湯原宿 へ。神宮前交差点角にある東急プラザ原宿「ハラカド」の地下1階に、「銭湯を中心とした街」がテーマのエリア「 #チカイチ 」で、午前7時から午後11時まで開いている。開業当初は近隣住民優先の営業方針だったが、徐々に開放されて、現在は制限なしで誰でも入れる。ビル全体は午前11時から営業だが、ここだけは長時間営業。ランステ機能もあり、朝から近くの代々木公園、神宮外苑でのランとのセットで訪問可能な、アクティブ系にピッタリの場所。ここは形式上はスパ銭同様の「その他公衆浴場」なので、「一般公衆浴場」である街の銭湯とは異なり、物価統制令の適用を受けないが、あえて東京都の一般公衆浴場と同じ550円という料金設定にしているとのこと。
土曜に数ヶ月ぶりのランをしたため、日曜はゆっくりお昼近くに訪問。下駄箱も真新しい木の松竹錠。脱衣所はおそらくあえて内天井をつけずに少しでも空間を広く見せていて、コイン式のドライヤーとか、伝統を守るところもあれば、大抵の銭湯の弱点であるトイレは現代風で広く、ベビーベッドも完備。子連れ配慮はいい。
お風呂は3種。複合ビルの中だけにコンパクトながら、しっかり堪能できる工夫が。ミルク風呂(設定温度41.5度)、あつ湯(44度)と水風呂(18.5度)とあり、温冷交互浴の説明書きもある。設定温度の0.5度刻みが妙に気になったが、ミルク風呂と水風呂を足すと60になるのはキレイだな。カランは3×3の9ヶ所で、シャワーも2列は固定式、1列は普通のもの。風呂桶と椅子が木製なのもいい。交互浴好きなので、あつ湯と水風呂を3往復して、ちょっとした休憩スペースでしばし座ってみる。
浴後は、あまり見ない伊勢・山村乳業さんの瓶牛乳。濃い。チカイチに図書館の入口にありそうな雑誌読み放題の場所があり、テーブル&椅子と畳のスペースでちょっと休憩してから、サッポロこだわりの生ビールもいただく。この土日のみ名護市とのコラボをしていて、アグー豚のジャーキーが無料でいただけた。
そこから空腹を満たそうと、ハラカド内を散策。1階では、妙にお洒落なボトルに入った日本酒を売る店が。試飲だけさせてもらったが(すいません!)、何と、蜂龍盃という知る人ぞ知るお酒を愛知県東栄町で醸していた森山酒造が、小田原市に移転してから、HINEMOSというブランドを持つRiceWineという会社とコラボして造ったお酒らしい(後から判明)。以前とは180度以上違うイメージだが、頑張って欲しい。
2階に行くと、 #studiosupercheese という角打ち&写真スタジオという謎のコンビネーションのお店を見つけ、つい立ち寄る。まずは、店員おススメの、米国人が最近仙台市で作り出したというIPAを。店員さんは普段はプロの写真家らしく、翻訳家と海外展の相談をしたりしていたが、自分は銭湯とマラソンの話もひとしきりできて、もはや常連気分。この週末はビルとしてのお祭りらしく、LINE友達になって、祭りイメージのセットでのスマホ撮影をタダでやってもらい、7階で使える800円のビールクーポンも貰う。6階はお洒落なフードコート的な場所だが、そこから外に出てオープンエアの階段を上がり、7階で生ビールをパイントでゲット。何も食べずにビール3杯目…
なかなか珍しい景色と、インバウンド色強い来客の様子をしばし見てから、6階へ移動。 #abccanteen というお店で、竜田揚げの丼を注文し、別の店から缶の加賀鳶をゲットしてようやくランチタイム。50代男性が1人で来るようなビルではないが、意外に満喫できたので、いつかリピしたい。
旅のお供は、井手英策慶大教授の「「ベーシックサービス: 「貯蓄ゼロでも不安ゼロ」の社会」。学生時代に一緒にバンドをやっていた友人で、仕事を一緒にやったことも。税、中でも課税ベースが広く税収増効果が大きい消費税の増税とセットで、福祉、医療、教育等のベーシックサービスの提供と現金ベースの品位ある最低保証が、ライフセキュリティをもたらすとする。増税への抵抗感が極めて高い日本社会だが、他方で将来不安も非常に大きい。不安を取り除く施策を講じるとともに、物価と賃金がようやく上昇し始めた時代に、数年から10年くらい掛けて、ほんの少しずつ上げていくという、経済的にもダメージの少ない手法は採れないものかと思う。