【銭湯めぐり17 久松湯@桜台】住宅展示場のような銭湯
【銭湯めぐり17 久松湯@桜台】
3/19の板橋シティマラソンを終えて夏シーズン(OWS中心)に入り、ランの頻度が落ちており、今日のようないい天気の日には走らねばと、前回に引き続き銭湯ランを実施。
午前から営業している銭湯は少ないが、都内見渡すとそれなりにヒット。ノーマークだった練馬区桜台に、まるで一軒家フレンチ⁈のような佇まいの綺麗な銭湯を発見。しかも温泉も出ているという。11時開店に向けて9時台からソロソロと走り始める。
環状7号線沿いをひたすら北上するが、ほとんど放射線状にしか敷設されていない東京近郊の鉄道路線の歪さを実感。走ったのは14キロ(うち環7は10キロ位)ほどだが、東急世田谷線〜小田急線〜京王井の頭線〜京王線〜メトロ丸の内線方南支線〜メトロ丸の内線〜JR中央線〜西武新宿線〜西武池袋線を横断。縦に電車欲しいなあと思う都民の何と多いことか。
それはさておき、久松湯、なかなかの施設でした。とにかく入ったところの待合室、脱衣所、メインの浴室、露天風呂、空間が全て広い。後から近所の町鮨の大将に聞いたところ、この辺りの地主とのこと。そういうパターン珍しいですね。お風呂も42度台のジェット湯(ボタン押すと尻、背中、脇腹に当たる3タイプ)に、今日は炭酸泉(38度台)が練馬区スペシャルのカリン湯に。風呂から洗い場を見ると両脇が箱庭(片方は露天風呂)で窓が大きく、何やら住宅展示場のデカいモデルルームにいるかのよう。露天風呂は天然温泉(大田区に多い黒湯ではないが、やや濁った黄緑っぽいお湯)で、これで500円はすごい。
湯上がりには、たまには贅沢をということで、近くの町鮨「梅八」へ。カウンター7席と小上がり4席というこじんまりしたお店だが、水槽が2つあり、美味しそうなアジなどがたくさん回遊中。12時前に入店したこともあってか、客は自分だけで、最初から最後まで大将としゃべりっぱなし。銭湯のご主人は親父じゃなくて社長と呼んで欲しい、最近は休憩室の大きなテレビが付いてない(節約?)とか、ご近所さんならではのピリッとした話が聞けて、とても面白い。
アジのタタキはミョウガ、生姜にニンニクもトッピングされ、クセになる感じ。瓶ビールはもちろん大瓶。下戸のご主人の割には、なかなか日本酒もいい選択肢。1合650円で二本松市の遊佐を頂くが、大正解。特上寿司も税抜2000円とリーズナブルな設定。最近の状況からして、値上げしないんですかと聞くと、まだ2〜3年はしない、との回答。本鮪の中トロも2カンあり、とても美味しくいただきました。
最後はちょっと不思議な店内に図鑑だらけのカフェ。酔い覚ましにと思っていたが、入ったら昼呑みメニューのオンパレード。しかも自分のほろ酔い加減に気付いたか、渡されたメニューで開かれたページは、珈琲か紅茶にラム、アイリッシュウィスキー、ベイリーズ又はコアントローを加えた「大人のカルテット」笑笑。「口当たり(人当たり)が良く万人受けする天然長男」のラム珈琲をチョイス。次のページにインベーダーを模ったべっこう飴(店主作)があったので、それも。
図鑑(購入可能)も時間があればずっとペラペラしたくなるようなものがたくさんあったが、持参した「西田幾太郎『善の研究』を読む」(藤田正勝)をペラペラと。まだ読了ではないが、特に気になった概念として「一なると共に多、多なると共に一」というものがあった。樹木において枝や葉、根は互いに対立し合っているが、それぞれが機能を果たすことによって全体として木が成長する。福岡伸一さんの動的平衡と響き合う感じがするが、常に自分の中でも身体から社会現象、組織、制度に至るまで、通底して持っている感覚に少し近いものがある。難解な本として有名だが、原文もいつか読んでみたい。
※2023年4月の訪問です。
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