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答えづらい質問①「入れ子質問」

質問には大きく分けて次の2種類「クローズドクエスチョン」「オープンクエスチョン」があります。

クローズドクエスチョンとは「閉じられた質問」の意味通り、かなり閉じられた範囲の答えになる問いのことで、具体的には「はい/いいえ」で答える質問や「AorB」のように解答が決まっている質問です。

対してオープンクエスチョンとは「開かれた質問」のことで、明確な正解がなく、間違いもなく、誰もが自由に答えられる質問です。

そして、教会のレッスンの後半の「霊感を招く質問」を考えるディスカッションワークに活用できるのは後者のオープンクエスチョンになります。以前の記事、

でも述べているように、ディスカッションとして霊感を招くオープンクエスチョンを投げかければ、生徒同士で霊感あふれる意見や経験、証が溢れ、意義ある対話が行われるでしょう。

しかし、オープンクエスチョンで霊感を招く質問を用意しても、なぜかまったく対話が起こらない、誰からも意見が出ないという場合があります。
これは一体どうしてなのでしょうか。

その一つの原因は、「質問が複雑」であることです。

ということで、今回は「複雑な質問」とは何か、そうならないためにはどうすればいいかについて、考えてみたいと思います。


質問が複雑になる理由

話し合いが盛り上がらない場合、質問が複雑になってしまっていることが考えられます。
複雑になっている質問とは次のようなもののことです。

より良いミニスタリングをするためには、何ができるでしょうか。

一見、どこが複雑なの? と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、この質問には、じつはもう一つの質問が以下のように「入れ子構造」的に含まれています。

質問①「より良いミニスタリングとは何か?」:質問②「そんなより良いミニスタリングをするためには何ができるか?」

この質問では「より良いミニスタリングのために何ができるか」という行動を問う質問に加えて、「じゃあ、より良いミニスタリングってどんなミニスタリング?」という内容や意義を問うもう一つの質問が内包されています。

こうした「一つの問いに種類の違う複数の問いが内包されている」質問では、生徒は「一体どっちの問いについて聞かれているのか? どっちを答えればいいのか?」と混乱してしまうでしょう。「良いミニスタリング」がどのようなものかが理解されていなければ、それをするために何ができるかについて話し合うことはできないのです。

質問が複雑にならないためには

では、どうすればこんなふうに質問が複雑にならないようにできるでしょうか。
答えは「2つの問いに分けて別々に質問する」ことです。

上記の例で言えば、①「より良いミニスタリングってどんなミニスタリング?」という内容や意義を問う質問と、②「より良いミニスタリングのために何ができるか」という行動を問う質問に分けて、

質問①「より良いミニスタリングとはどんなもの?」
質問②「そんなより良いミニスタリングをするためには何ができる?」

このように2つの質問を別々に問うことで、質問を簡潔にして生徒が混乱するのを防ぐことができます。

この入れ子質問は注意しないと筆者もいまだにやりそうになってしまうことがある罠です。そうしないためには、質問を作ったら必ず「入れ子構造」担ってないかどうかをチェックするようにしましょう。
また、可能ならレッスンをする前に自分自身で、または伴侶や家族と一緒にその質問について考えてみるのもいいと思います。


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