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末日聖徒イエス・キリスト教会のこと
これまでも度々述べてきた通り、筆者は「末日聖徒イエス・キリスト教会」のメンバーです。同教会の本部は、アメリカのユタ州ソルトレークシティにあり、日本にも232の教会、集会所があり、日本だけでも13万人の会員がいます。
今回は、教会員ではない方、教会を知らない方、教会について疑問を持っている方に向けて、末日聖徒イエス・キリスト教会の紹介の記事を書きたいと思います。
教会設立のあらまし
この世のキリスト教会には多くの教派、宗派があります。なぜそうなっているかというと、始めにイエス・キリストご自身が建てた「イエス・キリスト教会(以後、便宜上“原始イエス・キリスト教会”と呼びます)」があり、イエスの昇天後、イエスの弟子である十二使徒によって運営されていました。
しかし、十二使徒が各地で殉教したあたりから分派が始まり、思い思いの教会を建てていった結果、現在のようなたくさんの教派、宗派が林立する形になり、教義も教えも混乱し、まちまちになっていきました。
キリストは昇天する際に「私は必ず戻って来る」と言い残しています。それは、キリストが再びこの地球に帰ってきて千年間地球を統治する「福千年」のための言葉でした。
そのため、イエス・キリストは、地上に再びご自分の正しい教義を有したイエス・キリスト教会を建てようとされたのです。
準備は前々から始まり、マルチンやルターといった正しい人たちによる宗教改革によってその下地が整えられ、ついにイエスは一人の少年に、将来正しいご自分の教会を建てるようにお命じになりました。それが、末日聖徒イエス・キリスト教会の預言者ジョセフ・スミスでした。
そして1830年に、原始イエス・キリスト教会が末の日によみがえった「末日聖徒イエス・キリスト教会」として、再びイエスご自身が正しい教義と儀式を持った教会を復活させられたのです。
基本的な教義
世の他のキリスト教会と末日聖徒イエス・キリスト教会は、基本的な教義の面でいくつかの違いがあります。その違いを比較すると、以下のようになります。
○世のキリスト教会
・「三位一体」説を信じている。
・教派によって教えが異なる。
・預言者ではなく、法皇が導いている。
・「旧約聖書」「新約聖書」が聖典となっている。
○末日聖徒イエス・キリスト教会
・父なる神、御子イエス・キリスト、聖霊の三人の神はそれぞれ独立した別個のお方であることを信じている。
・原始イエス・キリスト教会が持っていた教え、儀式と同じ教え、儀式を信じている。
・法皇ではなく、預言者、十二使徒が教会を導いている。
・「旧約聖書&新約聖書」に加えて、「モルモン書」、「教義と聖約」、「高価なる真珠」を聖典としている
・「神権」がある
一番大きな違いは、「三位一体」を信じていない点だと思います。
また、預言者がいて、十二使徒がいるという点も、他の教会とは大きく違うところです。
そして、よく誤解されるのですが、末日聖徒イエス・キリスト教会は、その名の通りイエス・キリストを信じています。そして、別個の神として父なる神と聖霊も信じています。
そして、これも他の教会にはない教義ですが、末日聖徒イエス・キリスト教会には「神権」があります。
神権とは、地上で神に代わって神様の命じられたことを行うための権利との力のことで、神権には小神権「アロン神権」と大神権「メルキゼデク神権」の2種類があります。
その他の基本的な教義の概要は、「信仰箇条」として以下のリンクでまとめられたものを読むことができますので、ご興味ある方は覗いてみてください。
家族歴史と神殿、死者の贖い
もう1つ、末日聖徒イエス・キリスト教会の個人的にユニークだと思う教義として「家族歴史」があります。
家族歴史とは、家族の歴史、先祖の歴史のことで、末日聖徒イエス・キリスト教会では、亡くなった先祖が霊界(冥界)において霊の状態で存在していると信じており、彼らはそこでキリストの福音を学ぶ機会があり、会員は自分の先祖を探求し、肉体がないその先祖のために代理で救いに必要な儀式を受けていきます。
日本にキリスト教を伝えたザビエルは、「キリストを信じなければ地獄に落ちるゾ」と説いたのですが、日本人たちは「ではキリストの教えを聞かずに失くなったご先祖様はどうなるのか」と聞かれ、「……地獄に落ちるでしょう」としか答えられなかったというエピソードが残っています。
しかし、聖書には、こう書かれています。
そうでないとすれば、死者のためにバプテスマを受ける人々は、なぜそれをするのだろうか。もし死者が全くよみがえらないとすれば、なぜ人々が死者のためにバプテスマを受けるのか。
末日聖徒イエス・キリスト教会は、仏教や神道と同じように先祖を大切にします。キリストの教えを聞く機会がなかった先祖の方々が死後、霊界でその教えを学んでおり、だからこそ彼ら先祖の救いのために、子孫である我々が代理で、救いを得るための必要な儀式を受けるのです。
この死者(先祖)のための儀式は、「神殿」と呼ばれる特別な施設でしか受けることができません。この神殿は生者と死者が救いに必要な特別な儀式を受けるための施設として世界各地に建てられており、現在日本には札幌、東京、福岡、沖縄に4つの神殿があり、大阪にも建設中です。
そのため、私たち教会員は自身でもこの救いの儀式を受け、また先祖のお名前を探し、先祖のためにも度々神殿に参入して救いの儀式を身代わりとして代理で受けていきます。
そのことは、聖書にこう載っています。
見よ、主の大いなる恐るべき日が来る前に、わたしは預言者エリヤをあなたがたにつかわす。
彼は父の心をその子供たちに向けさせ、子供たちの心をその父に向けさせる。これはわたしが来て、のろいをもってこの国を撃つことのないようにするためである。
同じことが、末日聖徒イエス・キリスト教会の聖典の一つである教義と聖約の書に、こう書かれています。
さらにまた,この引用文に関連して,一人の預言者の言葉を引用しましょう。彼は神権の回復と,終わりの時に示される栄光と,また特に永遠の福音に属するすべての事項の中で最も栄光あるこの事柄,すなわち死者のためのバプテスマにその目を注いでいました。マラキは,その書の最後の章の第五節と六節で言っています。「見よ,主の大いなる恐るべき日が来る前に,わたしは預言者エリヤをあなたがたに遣わす。彼は先祖の心を子孫に,子孫の心をその先祖に向けさせる。これは,わたしが来て,のろいをもって地を打つことのないようにするためである
先祖を大切にすると、先祖が私たちに心を向けてくださり、私たちのために霊界で祈り、助けをくださるのです。先祖は大事です。
さて、これ以上詳しく書こうとすると、膨大な量になってしまうため、今回はこの辺で終わりたいと思います。今後も、筆者の所属する末日聖徒イエス・キリスト教会については、少しずつご紹介していきたいと思っています。
さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧になるか、お近くの末日聖徒イエス・キリスト教会の教会に足を運んでみられることをおすすめします。