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「質問」と「質問に答える」ことがレッスンの核心である!
筆者は、教会の教師の役目は生徒を教えるのではなく、生徒が聖霊から学べるように助けることであることを学びました。
では、レッスンの中で、どうやって生徒の皆さんに聖霊を受けていただけばいいのでしょうか。
今回は、生徒の方々がレッスンで聖霊を受けるための方法について考えてみたいと思います。
「質問」を通して深く考える時に聖霊を受ける!
どうすればレッスンで生徒が聖霊を受け、聖霊から学べるのか、そのことを考えていた時に、次のような預言者の言葉が見つかりました。
「質問をすることと質問に答えることは,学び,教える全てのことの核心です。」
この言葉を読んだ時に、パズルのすべてのピースがピタッとハマったように感じました。なるほど! と。
聖典には、聖霊から導きと教えを受ける具体的な方法が、次のように書かれています。
「見よ,あなたは理解していなかった。あなたはわたしに求めさえすれば,何も考えなくてもわたしから与えられると思ってきた。
しかし見よ,わたしはあなたに言う。あなたは心の中でそれをよく思い計り,その後,それが正しいかどうかわたしに尋ねなければならない。もしそれが正しければ,わたしはあなたの胸を内から燃やそう。それゆえ,あなたはそれが正しいと感じるであろう」
聖霊を受けるには心の中でよく思い計る、すなわち「自分の頭で深く考える」ことが必要だと書かれています。これは、逆を言えば「深く考えなければ聖霊は受けない」ということです。
末日の預言者ジョセフ・スミスが、教会を回復することになったきっかけの導きを受けたのも、深く考えていた時でした。
この言葉の争いと見解の騒動の渦のただ中にあって,わたしはしばしば心に問うた。「何をしなければならないのだろうか。これらすべての教派のうちのどれが正しいのだろうか。それとも,ことごとく間違っているのだろうか。もし彼らのうちのどれかが正しいとすれば,それはどれで,どうすればそれが分かるのだろうか。」
これら宗教家たちの論争によって引き起こされた,極度に難しい事情の下で苦しんでいたある日のこと,わたしは,ヤコブの手紙第一章五節を読んでいた。「あなたがたのうち,知恵に不足している者があれば,その人は,とがめもせずに惜しみなくすべての人に与える神に,願い求めるがよい。そうすれば,与えられるであろう
また、ジョセフ・F・スミス大管長が霊界での死者の救いに関する示現を受けたのも、深く考えている時でした。
千九百十八年十月三日,わたしは自分の部屋にいて聖文に思いをはせ,
世の贖いのために神の御子が払われた大いなる贖いの犠牲と,
贖い主のこの世への来臨に当たって御父と御子が示された大きな驚くべき愛について深く考えていた
つまり、教会のレッスンで生徒の人たちに「深く考えることで聖霊からの霊感を招くような質問、問いかけ」をすることによって、生徒の人たちは深く考える過程で霊感を受けて、それをレッスンで分かち合ってもらうことで、皆が聖霊によって教えを受けることができるのです。
したがって、レッスン教師が行うことは、「霊感を招くような質問」を用意することなのだと気づきました。
イエス・キリストは霊感を招く質問によって人々を教えていた
何を隠そう、イエス・キリストはこの霊感された質問によって福音を教える名手でした。
「この三人のうち、だれが強盗に襲われた人の隣り人になったと思うか」
そこでイエスは彼らにむかって言われた、「あなたがたに聞くが、安息日に善を行うのと悪を行うのと、命を救うのと殺すのと、どちらがよいか」
「あなたがたが自分を愛する者を愛したからとて、なんの報いがあろうか」
質問、問いかけによって教えるのは、主イエスが使われたレッスンを教える偉大な方法です。
私たちもイエス・キリストに倣い、霊感を招く質問を通してレッスンができたらと思います。
筆者のレッスンの構成モデル
今回の記事の最後に、参考になるかわかりませんが、筆者が一回のレッスンをどんな感じで組み立てているかを述べたいと思います。
①導入(イントロダクション、ウォーミングアップ、アイスブレイク)
まずレッスンの概要やプログラムの流れ、学習目標などを説明する。
次いでレッスンのテーマに関係がある簡単な質問をしたり活動をすることで場を暖め(アイスブレイク)、生徒が気軽に発言しやすい雰囲気を作る。
例:「テーマがイエス・キリストのような人物になる」だったら、「子供の頃、憧れた人物やキャラクターは誰? こんな人みたいになりたいと思った人物はいる?」と聞く。誰でも答えられる簡単な質問がいい。アイスブレイク(緊張を解きほぐす)が目的といっても、テーマと関係ない質問よりは、テーマに関連した質問の方が上手くいくと感じる。
②学ぶ活動(サブワーク)
レッスンの最後にする「霊感を招く質問」を考えるうえで役立つ知識や聖句、説教、たとえなどの情報をここで学ぶ。モノを使ったたとえなんかもここで活用する。
場合によっては学びを促進するような小さな質問を問いかけることもある。
③考える活動(メインワーク)
レッスンの最後にテーマに関連するテーマを深く学べるような「霊感を招く質問」を問いかける。そして、話し合ってもらう。
人数が多い場合は3~5人のグループになってもらってディスカッションをしてもらう。ここで話し合う際に御霊を受ける。
④発表、まとめ、教師の証(プレゼンテーション、リフレクション)
話し合って出た意見や経験、証などをまとめてグループごとに発表してもらう。
ここで大事なのは、発表の後に「これが正解です!」と言わんばかりに指導者の言葉を分かち合わないこと。これをやると、発表したことと指導者の言葉が合っているか、同じことを言っているかどうかが論点になって正解か間違いかという基準でしか考えられなくなり、御霊がどっかにふっとんでしまう(指導者の言葉は②学ぶ活動で紹介する)。そして、以降のレッスンでは二度と自由に経験や証を分かち合ってもらえなくなる。
ここで教師がやることは、発表に感謝やそれを尊重するコメントを返すこと、そして最後に証を述べることである。
レッスンとは、質問することと見つけたり!
これが、筆者が使っている方法です。
皆様のお役に立てるよう、祈っております。
さてさて、これで終わりかと思ったらとんでもないのです。
いちばん大事なことが残っています。
それは「どうやって『霊感を招く質問』をつくるか」です。
ここからが本番です。この続きはまた次回。