難しい年頃の子どもと一緒に家族で「私に従ってきなさい」に取り組むには
筆者が所属する末日聖徒イエス・キリスト教会では、「私に従ってきなさい」という家庭での聖典学習のプログラムがあります。
毎年一つの聖典(今年は「教義と聖約」)を1年かけて毎日少しずつ学んでいくというプログラムで、家庭で、家族で聖文を学ぶという特徴的なものです。
このプログラムは預言者が啓示を受けて始められた、今この末日にやるべき必要があるプログラムとして全会員が取り組むことを推奨されているものなのですが、筆者の家ではなかなか取り組むことに難儀しています。
筆者の家でもそうなのですが、とくに青少年のいるご家庭は思春期真っ只中、反抗期真っ最中のところも多いのではないでしょうか。部活や勉強、塾などさまざまなことで忙しく、青少年が教会のことにあまり積極的でないご家庭も多いかと思います。
または仕事の帰りが遅い日が多く、腰を据えて「私に従ってきなさい」に取り組めないという方も多いかもしれません。レッスン準備に時間が割けない、そもそもレッスン教師などむずかしい……、実際に取り組もうとすると意外にも課題が多いものです。
どうすればそんな難しい年代の子供と一緒に、忙しい毎日で「私に従ってきなさい」に取り組めるのか。
今回は今、筆者が思っていることを分かち合いながら、それについて考えてみたいと思います。
できていないことではなく、できていることにフォーカスする!
様々な事情があってご家庭で「私に従ってきなさい」のプログラムができていない、預言者の勧告に従えていないことに罪悪感を感じられている方もおられるかもしれません。
しかし、そんなふうに感じる必要はないと思います。
できることから少しずつ始めればいいのではないか、できていないことを悩むのではなく、できたこと、できていることに目を向けて喜べばいいのではないかと筆者は思います。
週一回でもできれば、できたことを喜びましょう。日曜日の夜だけでもできれば、それはすごいことです。0が1になるわけですから。
後は、それを継続していけば2回、3回と増えていくでしょう。そうすれば必ず子供たちの心に変化が訪れると思います。日常で霊的な経験をし始めます。そうした機会を神様が与えてくださることを願いながら、私たちはできることを地道に行えばいいのだと筆者は思います。
「強制」は主の方法ではない
とはいっても、家族で取り組めないことは、かなりのプレッシャーです。そうするとつい子供に参加を強制したり、怒ったりしてしまいがちです(筆者もそんな経験があります……)。
しかし、強制的に参加させるのはイエス・キリストの方法ではなく、サタンの方法です。
確かに強制すれば、子供は嫌々ながらも参加することにはなるでしょう。しかし、その後に残るものは福音に対する嫌悪感、拒否感です。そうすると子供の中では「親元を離れたら教会なんかもう行かないゾ」という思いが、日に日に大きくなるかもしれません。
だから、強制はしない方がいいと思います。子供の選びを尊重してあげてください。そして、その選びについて、親の希望を口にしないことです。「私に従ってきなさい」に参加しない子供に決して罪悪感を感じさせないようにしましょう。そうすれば子供は、自分は親に尊重されている、認められている、参加しなくても愛されている、人生は自分で道を切り開けるということを感じると思います。
愛されている、親は自分を愛してくれていると思えば、きっと良い結果に繋がると思います。
よく教会のパンフレットやWEBページに載っている「理想的なご家族」、あれは幻想です。ファンタジーです。そんな理想的な家族はいません! (断言!)なぜなら、外からは非の打ち所のない家族に見えても、家族の内側では様々な問題をかかえていることがほとんどだからです。
そんな家族を目指さなくても、あなたなりの、あなたのご家族なりの愛ある家族を目指せばいいと、筆者は思います。
短い時間で学ぶ方法
「私に従ってきなさい」は、長い時間行う必要はありません。
青少年は一定の年齢になればセミナリーで毎日1時間ほど聖文を学ぶ形になりますので、「私に従ってきなさい」はセミナリーと連動させて、短くも効果的なレッスンにするのがいいと思います。
そのために具体的な方法はただ一つ、「霊感を招く質問を作り、それについてディスカッションするだけ」です。
「私に従ってきなさい」のテキストはよくできています。ここから質問を1つ選んでもいいですし、その週に学ぶ箇所の聖文(今年は教義と聖約)の中から下記の記事の「2.質問を作る」の項を参考に、
……「霊感を招く質問」を作って、それについてディスカッションすればそれだけで立派なレッスンになります。
準備の時間は15分もあればできます。レッスン自体は5~10分程度で終わります。それなら、ちょっとした隙間時間に学べる率が高くなります。
それでもなかなか子供がノってこないかもしれません。そんな時は参加を強制せず、始めは夫婦でやるところから行えばいいと思います。信仰を持った行動が、現実を変えます。助けが合ってから行動するのではなく、行動するから神様の助けがあるのです。
「継続」を目標に、少しずつ、一段ずつ進んで行けたらと思います。
もし、レッスンで「たとえ」や「たとえ話」を活用する場合は、それに対する感想を言うだけのレッスンでいいと思います。
子供も「短い時間で終わる」と分かっていれば、参加しやすくなります。子供にとっては内容の短さよりも時間の短さが大事で、「レッスンは10分間、10分経ったら途中でも終わりにする」くらい時間厳守を徹底すれば、子供は安心して「私に従ってきなさい」に参加する率が高くなるのではないかと思います。
楽しく、喜び、ご褒美を
「私に従ってきなさい」を続けるコツは、楽しむ、喜びを見出すことだと、筆者は思っています。
学んでいて楽しかったこと、日々の生活に活かせたこと、喜ぶような出来事につながったことなど、ほんの少しでも「私に従ってきなさい」をやっていてよかったと思えることがあったら、日記などに記録しておくことをオススメします。
また、結果を求めると、思ったように結果が出ないことでプレッシャーを感じたり落ち込んでしまいます。そうでなはく、「過程を楽しむ」といいのではないかと思います。準備の過程、実際のレッスン、その後の団らんなど、過程を楽しいものにしていけば、結果は勝手についてくるのではないでしょうか。いや、結果なんかなくてもいいのです。やることに意味があるからです。
子どもに対して、頻繁にご褒美で釣るのはあまりおすすめできない方法ですが、それでも、月に何回か(設定した回数)レッスンに参加できたら外食に行く、くらいのご褒美はあってもいいかもしれません。そのあたりは子供一人ひとり、またご家族の状況によって良い方法を見つけられるといいと思います。
筆者の家もなかなかうまくいっていません。
もし、あまりうまく取り組めていない方がいらっしゃいましたら、一緒にがんばりましょう。
主は結果ではなく、思いや行動を大切にされます。
取り組む姿を主に見せることで、主は数々の用意しておられる祝福をくださるでしょう。
その祝福は、もしかしたら何年後か何十年後に与えられるものかもしれませんが、必ず与えられることを証いたします。