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「霊感を招く質問」とはどんな質問か? どうすればつくれるのか?

教会のレッスンの中心になるのは「霊感を招く質問」を問いかけ、その質問について話し合い、考えてもらい、話し合ったことを発表してみんなに分かち合ってもらうことです。

ぶっちゃけてしまえば、この「霊感を招く質問」さえできれば、レッスンの準備はほとんどできたも同然です。

しかし、じつはこの「霊感を招く質問」をつくるのは非常に難しいことです。
この質問を作るにはどうすればいいのか。どうやって作るのか。

そのためには、まず霊感を招く質問とはどのような質問なのか、そして逆に霊感を招かない質問とはどんな質問なのかを知る必要があります。

ということで、今回は「霊感を招く質問」について考えてみたいと思います。


霊感を招く質問と招かない質問

教会のアプリ「福音ライブラリー」の中の「手引と召し」→「セミナリー・インスティテュート」→「教師養成スキル」→「追加の教師用資料」→「教授法,スキル,採り上げ方」と進むと霊感を招く質問と招かない質問について資料が載っています。

……というか一言いわせてください、一番重要な情報に行き着くまでなんでこんなめんどくさい手順が必要なの!? もっと上層に表示してほしいです! よろしくお願いします(誰に言ってんの?)

……おほん、さて、ちょっと話が逸れましたが、上記の資料は本当に大切なことが書いてあり、教会でレッスンをする責任をしている人には全員読んでほしいと思うほど有益なものです。
その資料の中で、福音のレッスンについて学ぶ際に重要な以下のような4つの質問について載っています。

1.情報を探すように生徒に勧める質問。
2.分析して理解するように生徒を導く質問。
3.気持ちと証を促す質問。
4.応用するように促す質問。

福音ライブライー内:教授法,スキル,採り上げ方

各質問についての詳しい説明はぜひ同資料を参照していただきたいのですが、この4つの質問の中で連関を受けやすい質問はどれだと思いますか? また霊感を受けづらい質問はどれだと思いますか?
ヒントは、教義と聖約9章8節です。

結論から言いますと、

《霊感を受けやすい質問》
3.気持ちと証を促す質問。
4.応用するように促す質問。

《霊感を受けづらい質問》
1.情報を探すように生徒に勧める質問。
2.分析して理解するように生徒を導く質問。

となります。
なぜ質問3と4は霊感を受けやすくて、1と2は受けづらいのか、
この両者の違いは、質問の答を得るために考える必要があるかどうか、そして「いわゆる正解」があるかどうか、の二点です。

どういうことかと言いますと、1と2の質問の答えには明確に正解と間違いが存在します。1は、生徒に聖句の場所や特定の言葉や情報を聖典の中から探してもらうための質問であり、当然ながら教師が求める正しい答えがハッキリあります。つまり、この1の質問の論点は正解か間違いかになってしまうのです。そして、この質問に答えるには、まったく考える必要はないのです。見つけるかどうかなのですから。

2の質問は、特定の教義や原則、背景や情報を分析することを促す質問で、これは考えなければ答えが出ず、一見霊感を受けやすい質問に思います。
しかし、これもじつはまったく考えずに答えが出せる、正解と間違いがある質問です。
確かに1の質問よりは考える質問ですが、この質問は正解が複数あるだけで、深く考えなくてもその正解のリストの中から一つを選んで言うだけで答えられるのです。プライマリーや青少年、あるいは求道者や改宗して間もない会員の方のためのレッスンについてはこの2の質問でも考えを促してもらうために有用な場合がありますが、高校生以上、成人会員のレッスンではもうすでに答えのリストを知っているので、まったく考えずに自動的に答えられるのです。

それではなぜ、3と4の質問は霊感を受けやすいのでしょうか。
多くの教師の方はお分かりかもしれませんが、3と4は明確な正解がなく、間違いもなく、また深く考えなければ答えられない質問だからです。
聖霊の御霊を受けるには、深く考える必要があります。だから、深く考えることを促す質問ほど、聖霊による霊感を受けやすい質問だと言えます。
3は感じていることや気持ち、また証を促す質問で、これは新会員でもベテラン会員でもその人が感じていることが答えであり、正解なので、自分の感じていることを素直に答えられます。
4は応用することを尋ねる質問で、生活のどんなことに応用できるか、また実際にその教えを応用、実践してどうなったか、経験や証を分かち合うことができます。

霊感を招く質問で「生徒が持っている答え」を引き出す

また、この4つの質問を別の角度から考えると、次のような違いと特徴があることが判明します。

1の質問……教師が答えを知っている質問
2の質問……教師と生徒両方が答えを知っている質問
3の質問……教師は答えを持ったおらず、生徒の中に答えがある質問
4の質問……3と同じで、教師ではなく生徒の中に答えがある質問

以上のことから、霊感を受けやすい質問は、教師が答えを持っている質問ではなく、生徒一人ひとりの中にある答えや感じたことを答えられるような質問、同時に明確な答えは教師も生徒も持っていない、それについて深く考えなければ答えられない質問であると言えます。

霊感を招きやすい質問について、アイリング長老は次のように言っています。

「霊感を招く質問もあります。優れた教師はそうした質問をします。……霊感を招きにくいのは次のような質問です。『真の預言者はどのような人として認識されていますか。』そのような質問は,聖文や生ける預言者の言葉の記憶から答えを導き出すよう促す質問です。多くの生徒は積極的に発言するかもしれません。ほとんどの生徒は少なくとも無難な提案はできるかもしれません。思いは刺激されるでしょう。
しかし,このように質問することもできます。違いはほんのわずかです。『預言者の前にいると感じたのはいつですか。』そのような質問は自分がどう感じたかを思い出すよう促します。質問した後,だれかに答えを求める前に少しの間待ちます。話さない人たちも霊的な経験について考えることでしょう。聖霊が招かれるでしょう。

これまでのことをまとめると、霊感を招きやすい質問は次のような質問だと言えます。

・正解がない質問
・自分の頭で深く考えなければ答えが出ない質問
・経験や証を分かち合ってもらうのを促す質問
・生活や人生に応用することを尋ねる質問
・教師も生徒も答えを知らない質問
・生徒の中にある答えを分かち合ってもらう質問
・話し合い、対話を促す質問

このような質問をするにはどうすればいいのか、試行錯誤することが、レッスンの準備の最も大切なポイントであり、真の教師である聖霊に教えていただくための方法なのだと思います。


さて、教会でレッスンの教師をしていると誰もがぶち当たる壁があります。
それは「誰も答えようとしない、発言しない、いつも発言するのは決まった人だけで、決まった答えしか言わない」という問題です。
こんな状況は、教会のレッスンあるあるですよね。

そんな「お通夜レッスン」にならないためにはどうすればいいのかについて、考えてみたいと思います。
それではまた次回。

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