マーケティング・経営戦略基礎②
■経営戦略の全体像
経営戦略立案ではKSF(成功要因)と内部環境とのGAPを埋める戦略を立てる。
■内部(自社)分析 (経営課題の特定、競争優位の構築)
■内部(自社)分析の意義とSTEP
◆意義
KSFと内部分析の比較をして経営課題を特定し、競争優位の構築をする。
◆経営課題の特定と競争優位の構築のためのフレームワーク
バリューチェーン分析
VRIO分析
Value 経済価値, Rarity 希少性, Imitability 模倣可能性, Organization 組織
この2つのフレームワークはそれぞれアプローチが違うが、経営課題の特定と競争優位の構築を明確にすることは同じである。
今回はバリューチェーン分析を主体に考える手法であり、
1.バリューチェーン分析をVRIO分析に落とし込む方法
2.バリューチェーン分析の最後にVRIO分析を落とし込む方法
のどちらかやりやすい方法を選択する。
いずれにしてもバリューチェーン分析を軸にしてVRIO分析をする。
■バリューチェーン分析
企業活動(主活動・支援活動)の、付加価値とコスト構造を分析するフレームワーク。
どの活動でどの程度付加価値を生み、コストがかかているのかを把握し、自社の強みと弱みを検討することができる。
通常は業態によってカスタマイズして、主活動について主に考える。
◆サプライチェーンとの違い
サプライチェーンは供給視点で、バリューチェーンは価値視点である。
◆バリューチェーンのカスタマイズ例
電機メーカー
◆バリューチェーンのポイント
①コストや時間など、数字を意識する。
定量的な情報で分析にしないと曖昧な結果になってしまう。
②競合、市場と比較して作成する。
3C(Company自社, Competitor他社, Customer顧客 )分析を取り入れて、強みと弱みを考える。
③KSFとのGAPを見つける。
KSFとの良いGAPは競争優位性となり、KSFとの悪いGAPは経営課題となる。
■VRIO分析
経営資源の強みの質や競争優位性を明確にするフレームワーク。
YES/NOで答える方法と、1~5点の点数で答える方法がある。
Value 経済価値
多くの価値や利益をもたらしているか? YES or NO?
Rarity 希少性
希少か? YES or NO?
Imitability 模倣可能性
他社に模倣されにくいか? YES or NO?
Organization 組織
経済価値、希少性、模倣可能性を有効に活用できる組織か? YES or NO?
■ビジネスモデル
誰に、なにを、どうやって提供するかということ。
◆提供価値
誰に、なにを、提供するかということ。
「顧客のニーズに対して、自社の強みを生かして提供できる価値」
◆顧客価値
顧客にとっての価値
「この商品、サービスのためにはこれだけの金額を払ってもよい」
基本価値:最低限必要な価値
期待価値:顧客が当然期待する価値
願望価値:あったらいいなと思う価値
予想外価値:予想を超える価値
◆競争優位性
顧客価値に対応する、自社の他社に対する優位性
★事業性経済性トピック
◆密度の経済性
一つの地域に集中することで、コストを削減できる
■戦略の立案と実行
■SWOT分析
自社のStrength 強み、 Weakness 弱み、 Opportunity 機会、 Threat 脅威、を明確化し、どのような経営戦略を立てればよいのかを考える。
外部要因と内部要因をプラス面とマイナス面に分けて分析する。
◆外部要因
PEST分析、5フォース分析などの結果から変化を捉えて考える。
Opportunity 機会:法改正や市場の変化などの機会はないか?
Threat 脅威:代替品や新規参入などの脅威はなにか?
◆内部要因
バリューチェーン分析、VRIO分析などの結果から考える。
Strength 強み:自社の強み、競合優位性はなにか?
Weakness 弱み:自社の弱み、経営課題はなにか?
■基本戦略(マイケルポーター)
市場において競争優位性を獲得するためには3つの基本戦略。
■競争地位戦略(コトラー)
◆リーダー
業界の市場シェアがトップ。経営資源が豊富で質も高い。
◆チャレンジャー
市場で2番手のシャアをもつ。リーダー企業に取って代わろうとする戦略をとる。
◆ニッチャー
特定領域に絞り込んで、その領域内でリーダー戦略をとる。
◆フォロワー
リーダー、チャレンジャーの模倣する戦略をとる。
■ブルーオーシャン戦略
レッドオーシャンとは収益を上げるのが難しい激戦市場。(既存市場)
ブルーオーシャンとは競争がなく、収益を上げやすい市場。(未開拓市場)
ブルーオーシャンを見出すための戦略キャンバスの問いは、
①業界常識のうち、取り除くべき要素は何か?
②業界標準と比べて、思いきり減らすべき要素は何か?
③業界標準と比べて、大胆に増やすべき要素は何か?
④業界にない、付け加えるべき要素は何か?
■価値基準戦略
(マイケルトレーシーとフレッドウィアセーマ)
企業が顧客に対する価値を創造する3つの価値基準
◆商品リーダーシップ
最新の商品・サービスを不断に提供する。
◆卓越したオペレーション
生産・販売方法の改善を不断に追求する。
◆顧客との親密さ
顧客との親密さを強化することで販売力を高める。
■アンゾフのマトリクス
縦軸に「市場」、横軸に「商品」を取り、それぞれ「既存」「新規」に分けて、企業の成長戦略を分析するためのフレームワーク
■戦略代替案の評価と選択
市場・事業の魅力度で決めるのか、競争優位性で決めるのか。
どちらも高い事業が必ずしも存在するわけではないので、優先順位を決めて判断する。