Bitwig studio 4.4 新機能Harmonic Splitで簡単サウンドアレンジ
新進気鋭のDAW、Bitwig studioがバージョン4になって、いくつかの新エフェクトが実装されました。
新FXは入ってきた音を音量毎や、トランジェントとそれ以外の成分に分離するなどいくつかに要素に分解するものですが、その一つにHarmonic Splitというものがありました。
これは音声を基音、2次倍音、3次倍音に分解できるというもので、各成分の音量やパンを調整できるだけでなく、それぞれの成分に個別にエフェクト等を掛けていくことができます。
11月の下旬に公開した楽曲「無口なあの子は恋なんてしない」のサビ前のパートです。
元々はNative InstrumentsのHybrid Keyでコードを鳴らしたサウンドで、当音源の得意な浮遊感のあるいい音がしています。
このトラックにHarmonic Splitをかけて、1つ目の倍音にBitwigの純正FX、Resonator Bankを刺しています。
Resonator Bankは倍音を生成するレゾネーターと呼ばれるプラグインで、中身のいじれるリングモジュレーターのようなもの。金属的な音が作れます。
2つ目の倍音にはディレイを掛けて、更に広がりを出します。
このようにすることで、レゾネーターの出す金属的な響きを活かしつつもしっかりと空気感を残した音が作れました。
原音も透き通るような美しさですが、このガラスの破片のような、透き通るような鋭利な透明感は私の楽曲には欠かせません。
折角MIXノブがついているので、どちらもいい音だし欲張ってオートメーションを書いていきます。
ちなみにこの曲ではボーカルにも使っていて、特定の倍音にだけフェイザーとパンナーを使うことで、ピッチを弄ってダブラーやコーラスとはちょっと違った音の広げ方をしたりもしています。
今回は割とおとなしめに、音を際立たせるような使い方をしてみましたが、このように使うにしろ派手に使うにしろ、かなり夢のあるエフェクトです。
Bitwigはこういう音源外の、DAWの機能までフルに使って音を作ってねというものが多いので、発想次第で様々なことができると思います。
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