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新しいオーディオインターフェイス買ったよ!なお話【Antelope Orion SC】
皆様ごきげんよう。
LLSY music & V ch.のレーシーです。
ようやく新しいオーディオインターフェイスを買いました!
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Antelope AudioのORION SCです。
ようやく買ったか!という感じです。
今までは本職の関係上持ち運びができるものが必要だったのですが、そろそろ据え置きのものを買ってもいいだろうと思いましたので買いました。
これまでは同じAntelope audioのZen Q SCというデスクトップタイプのインターフェイスを使用してきました。
インプットの数がもっと欲しくて、かつCPU RyzenにしたところTBがうまく認識しなくなる事がありました。
なのでよくお世話になっているお店でDiscrete8, Orion SC, Apollo x8(新型), UFX Ⅱを試聴して決めました。
競合機種との聞き比べ
ざざざっと感想を書いてみたいと思います!視聴はおもにヘッドホンで、私の普段の環境と合わせてAudeze MM-100とOllo audio S5Xで行いました!
・Discrete 8
: 値上がりしてしまいましたが旧価格ならコスパは圧倒的。全チャンネルのゲインが表に出ているのでマルチチャンネルの録音を多用する人は最高に使い勝手がいいでしょう。
ただし上位機種たちと比べたらどうしても音の解像感に不安がでます。
個人的な想定している使い方では8chすべて埋まってしまうので、ここに+ADATプリを一つ加えることを考えると上位機種に手が届いてしまう。
音の傾向としてはOrion, Quadro除くZenシリーズとはかなり違います。いわゆるAntelopeっぽい音ではなく、RMEみたいな硬めの音。
ルーティングの柔軟性が非常に良いです。
・Orion SC
: 音の傾向として今まで使ってきたZen Qと似ていて安心する音。
すこしやわらかい音ですがハイが落ちているというわけでもなく解像感も高いです。ドラムマシンのキックやシンベの下の方が見やすいのでバンドとかよりは打ち込みに合いそうです。
Discreteと同じルーティングソフトでDTM~配信まで行ったり来たりする私的には最強の使い勝手です。
・UFXⅡ
:高音のアタック部分が結構鋭く出るのでぱっと聞いた感じ解像感が高く感じる。ダイナミックレンジが広いというよりは特定の帯域が強調される感じ。
いろいろなヘッドホンで聞いてみた感じ、合う合わないが結構あるのかなと感じました。MM-500やHifimanみたいな音が遠く音場が広いのはものすごく合うし、MM-100やOLLOみたいにもともとトランジェントが強く出るものは結構しんどかったです。
バンドや歌い手さんとかだとローエンドは必要ないし、真ん中がしっかり見えるので人気な理由がうなずけます。
・新Apollo
:旧型と比べてかなり音の傾向が変わっていたので驚きました。DiscreteやRMEの音に近くなっています。
正直最初ぱっと聞いた感じはあまり印象がない感じでした。ただ他と聞き比べるとDiscreteよりはさすがに音のランクが上だなという感じ。
旧ApolloやOrionの音は好きではないけど、UFXほどパキパキでなくてもいいという人向けでしょうか?
Orionほど聞かせる音ではないし、RMEほど細やかさはない感じ
UFXⅡもすごく良かったのですが、手持ちのヘッドホンの相性やルーティングの柔軟性含めてOrionにしました!
正直下3つは好みの世界だな~という感じです。
安定性について
Antelope製品を語るうえで避けて通れないのが安定性問題。
とはいっても私はこれまでもAntelope製品を使ってきて、ネットで盛んに言われるような安定性の問題には当たったことがありません。
ただ初回のアクティベーション~ソフト起動まではすんなりいかないことの方が多いです。
今回の私の場合
ランチャーからアクティベーションしようとするもデバイスが出てこない
→Manager Serverを1つ古いのに落とすと認識・アクティベーション
アクティベーション後ランチャーにデバイスが出てこない
→Orion USB Driverの入れ直しで認識
その後はManager Surverもランチャーもすべて最新で全く問題なく動いています。
Antelope製品はMacだとかなり相性が悪いらしいですが、私はWindows環境を何台か乗り継いできて特に問題が出たことはありません。
↑みたいなのもどのメーカーでもどんなソフトでもよくある事かなとは思います。RMEも最近はドライバが不安定になることも多いらしいですし、OS側のアップデートに(オーディオインターフェイスに限らず)各社ついていくのが大変な感じではあると思います。
ただMacと相性が悪いということはArm版Windowsだと相性が悪い可能性もあるかなとは思います。
まぁM1登場時の騒動を思い出すとArm版は現状どのメーカーでも ちゃんと動かなくても泣かない みたいな状態かなとは思います。。
Snapdragon製CPUのビジネスノートなんかをDTM用に使おうという人がもしいたら店舗に持参して確認してみてもいいかもしれません。
Orion SCのルーティングソフトについて
とんでもなくわかりやすくできています!
全社この形になってくれたらいいのに、、
基本的に上下に分かれていて、上側にはPreamp、ADAT、SPDIFの入力ゲインをタブで切り替えて設定します。
真ん中のMonitor/Headphonesというところでモニターアウトとヘッドホンアウト、トークバックの設定を行います。
Orion SCは2系統のモニターアウトと2系統のヘッドホンアウト、DsubのLineアウトが2つついています。
各アウトごとにMuteはもちろんDim(音量が下がる)にモノスイッチまでついています。
DAWであれこれしなくてもワンタッチでモノにできるのはらくちんですね。
ちなみにスピーカーを系統使う場合、モニターアウトはMuteをつけたり消したりしなくてもABのボタンでワンタッチで切り替えることができます。
Preampセクションは特筆するところはないですが、Mic、Line、1~4ChにはHi-zがあるのに加えDirectというところがあります。
これはプリアンプセクションを完全にバイパスするもので、切り替えるとリレーのカチッという音が本体から聞こえます。
ギターで言うところのトゥルーバイパスみたいに完全に回路自体を切り替えているようです。
ルーティング画面について
上がインプット、下がアウトプットになっています。
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基本的にアウトプットのほうに、ここからはこの音を出したいな~てやつをつないでいきます。
色分けがされてるのでとても楽です。
使わないところは非表示にもできます。
さらになんとCueMixが4つもあります。
私の設定ではヘッドホン1/2、モニタースピーカーがつながっているモニターAはすべてMixCh1というところの音が出るようになっています。
MixCh1は一番下に出ていますが、ここに出したい音をつなげていきます。
Antelope製品の場合、PCからの音は他のメーカーのようにアウトプットとループバックに分かれてるとかではなくすべてComputer Playという表記になります。
例えばPCの音声設定でPlayback5/6というのを選ぶと、このComputer Playの青い5,6というところから音が出ます。
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この私の設定だとMixCh1に青い5,6があるのでヘッドホンやスピーカからはPCの音が出ます。
そしてDAWではメインの出力に1,2を選んでいるのでComputer playの青い1,2番から音が出ます。
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モニターBに青い3,4をつないでいますが、これは私がOrionのMainOut Bにケーブルをつないでエフェクターにつないでいるからです。
そしてDAWで3,4番の出力を作ってあげれば、トラックの出力をこれに指定するだけで簡単に外部のエフェクターやアウトボードを通して戻すことができます。
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ちなみにこの時3,4番から出ていく音を自分でも聞くかどうかはMixCh1に青い3,4番を含めるかどうかで決めることができます。
例えばWet100%でリバーブとかを通したいなって時なんかは原音も聞こえたほうがいいし、そうでないならMixCh1の青い3,4番をミュートするだけでアウトボードを通して戻ってきた音だけを聞くことができます。
OBSなど配信ソフトを使う場合もこのやりかたで大丈夫!
例えばOBSだと音声ミキサーの音を自分でモニターする機能がありますが、モニタリングデバイスを7/8にしておけば、
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今この私の設定だと
DAWの音→Computer play 1,2
アウトボードに出したい音→Computer play 3,4
PCの音→Computer play 5,6
配信ソフトからの返しの音→Computer play 7,8
から出てくることになります。
後はこれを自分はどれを聞きたいのかな、配信にはどの音を送りたいのかな、DAWにはどれを、、というふうに設定していけばいいだけです。
とっても簡単!
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セッションを保存する機能もありますが、面倒だと場面ごとにMixChを作って、モニターやヘッドホンにその時使うものをルーティングするだけです。
ただし少しほかのインターフェイスと勝手が違うのが入力です。
普通のオーディオインターフェイスでは入力が8つあればInput Ch1-8に割り振られていきます。
つまりインターフェイスの1番に楽器をつないで録ろうと思うとDAWでInput1を指定します。
Orionの場合Output側にあるComp Recがインプットに割り当てられます。
つまり緑のPreamp、またはピンクのAFX OutをComp Recの左から順に1,2,3,4..と割り当てていけば問題ないのですが、そうでない場合必ずしもインプットの番号と一致しなくなってきます。
例えば今の私の設定、Comp Recの左から3,4番目に青いComputer Playの5,6番がつなげてあります。
先ほど↑でComputer Play 5,6はPCの音をつなげているよと言いました。
例えばこの状態でDAWのトラックで入力をInput3,4を選ぶとComputer play 5,6の音、つまりPCの音が返ってくるいわゆるループバックの状態になります。
私は配信もやるのでこの状態でOBSにこういうふうにルーティングしてあげると、マイク音声2にPCの音が返ってくることがわかります。
これをうまく使うと入力と出力を分けてPC内部で音声を回した際のフィードバックを防いだり、DAWやOBSで自由な収録ができたり複数の音声を束ねてアウトボードやFPGA FXに簡単に送れたりということが実現します。
アウトプットのMIXERタブを開くと1~4までのMixChのミキサーが出てきます。
ここでモニター音にだけかけられるAuraVerbというリバーブがありますが、MixChにかかるということはこの返しのリバーブがかかった音を録ることも簡単ですね。
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AFXタブをクリックするとFPGA FXが出てきます。
使用するチップの種類の差だけですので、ほかのインターフェイスで言うところのDSPと同じ感覚です。
録音はもちろんDAWのトラックを回してくることでブリッジプラグインなしでFPGA FXを通して録りなおすこともできます。
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このルーティングソフトを使えばPC内のルーティングはもちろんハード機材をたくさん使う人でもあれこれ繋げ直さなくても自由な録り方が実現します!
正直このためにOrionやDiscrete選んでもいいんじゃないかなってくらいの自由度です。かのCueMixもここまでのことはできません。
お家で使った感想とか
まずインプットの数
ドラムマシンのパラ出しで4ch.(2chはシンセと差し替え)
ステレオのアウトボードで2ch。
ステレオのペダルエフェクターで2ch.
これで背面の8chを使って、表の4chはギターと配信マイク、ガジェット繋ぎたくなった時用に空けておけます。
Ch.1,2にインサート端子がついているので、インサート端子を持つモノラルEQはここに
メインアウトは2系統ですがAをスピーカーに、Bはフォンケーブルをつないでおいてアウトボードにラインで入れたりステレオのペダルエフェクターに入れて戻せるようにしてあります。
まずはこの時点で思ってた通りに機材が収まってにっこり。
続いて音ですがラインの音がとてもよくなりました。
今まではZenQ SCという1/4近い価格差のものだったこともあると思いますが、低音の定位がすごくしっかりしました。
正直今まではスピーカーで作業って苦手で全然してこなかったんですが、これならがんばればできそうな気がします。
ヘッドホンの音はRMEほどパワーが出てない感じはありますが、MM-100くらいの平面駆動なら出力が足りなくて歪んでる感じはありません。
余裕があれば追加のヘッドホンアンプがあってもいいかなぁという感じはします。
私はiFi audioのmicro iDSD signatureという古いヘッドホンアンプを持っているのでSPDIFでこの子につないであげてもいいかなぁという感じはしています。
HAは非常に良いです。
ZenQでも配信用にガンガンコンプかけてパツパツにするとノイズが気になりましたがこの子は無音です。
マイクのセルフノイズまでなくなったんじゃないかってレベル
IFの段階でばしっと音が決まるとほんとに楽ですね。
十分な音質と柔軟性で、個人的にはもうここまであれば十分という感じです。
Nudeケーブルの赤を使うと非常に良い感触だったのでそこ触ってもいいかなという気はしますが、家に入れるインターフェイスとしてはかなり贅沢なものではないでしょうか。
ルーティングがほんとに楽になったので、今まで以上に機材が使えてる感じです。
簡単でしたがOrion SCの感想でした!
これからもたくさん配信や作曲するぞ!
LLSY music