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いまさら聞けない配信音声処理 - 番外編 歌枠ケロケロボイス -

皆様ごきげんよう。
LLSY music & V ch.のレーシーです。

いまさら聞けない配信音声処理シリーズ、ここからは番外編です。

以前お友達より歌枠のときにケロケロボイスにしたいんだけれど、という相談を受けました。
ケロケロボイスはピッチ補正系プラグインでできます。

Auto tune

元祖ケロケロボイスといえばアンタレスのAuto tuneです。
国内でAuto Tuneとケロケロボイスを一躍有名にしたのといえばやはりPerfumeでしょう。
ケロボってなんや!?って人にもPerfumeみたいなやつといえばたいてい伝わります。
ピッチ補正系ソフトはなぜか録音物の補正を後から行うものを「オフライン」、リアルタイムで補正を掛けるものを「オンライン」という言い方をします。
オフライン補正の代表格はCelemonyのMelodyneです。
ただAuto Tuneは高いです。高い。非常に高価。
なので今回はまずフリープラグインでありながらなかなか強烈な効きをするMeldaproductionのMauto-pitchをモデルに設定方法を見ていこうと思います。

自然な音程補正を行いたい時はDepthとSpeedで違和感のないかかり具合に調節します。

補正の強さは左上のDepthです。右に回せば回すほど強くかかります。ケロケロボイスで使う時は100%で使います。

鍵盤が赤色になってる音に合うよう補正されます。

中段にはスケールの設定場所があります。
オンラインピッチ補正に重要なのはスケールです。スケールとは曲の中でどの音が使われているかというもの。もし手元に鍵盤があれば曲に被せて鳴らしてみて、音が合う、合わないからかんたんに割り出すことができます。
最近の曲だと転調があったり途中でスケール、キーがずれるものもあったりします。
そういう場合は全鍵オンにしたまま使うしかありません。
補正がかかるから、、といっても半音ごとになってしまうので、より正確な音程が要求されます。

ダブラー効果が得られるWidth、かなり掛かりのいいFormant Shifterとボーカルエフェクトとしても優秀です。

ピッチ全体を変える部分はありませんが効きの強烈なフォルマントがあります。
また掛かりが大雑把ですがダブラーもあるのでボーカルエフェクターとしてもいろいろと遊べるプラグインではあります。

今回はフリーであること、OBSでの実績があること、そして効きが強いことを念頭にMeldaproductionを紹介しましたが、フリー/有償問わずたくさんのプラグインがあります。
ライブ使用や遅延、PCへの負荷を気にするとハードウェアという選択肢も上がってきます。

TC-Heliconやエレハモも有名ですが、なぜかこのカテゴリーは昔から日本のエフェクターメーカーがかなり強い印象があります。
というよりもBOSS/Roland

ボイチェン用としても絶大な人気を誇るRolandのVT-4。そろそろ忘れ去られそうなAIRAシリーズの特徴である黒筐体・緑ライトでVoice Transformerの名前の通りメーカーもボイチェンをメインとして押し出している節もあります。リバーブやボコーダーっぽくなるエフェクトなんかもついています。Aira compactにも似たようなのがありますが掛かりはこちらの方がいいと聞いたことがあります。ファンタムもかけれるしね。あちらはコンパクト&バッテリー駆動にUSB TypeCという今時感が魅力。非常に現代的なガジェットです。
ド定番VE-20からさらに赤色成分が増えたBOSS VE-22。"これを買っておけば間違いない"感はさすが。ルーパーもあってエフェクトもてんこ盛り。RolandではなくBossブランドから出てることからわかるように、どちらかといえばバンドやライブ向けです。ケロケロボイスだけでなくかなりいろんなパフォーマンスができるんじゃないでしょうか。

ハードのエフェクターを使うのであれば、プリアンプやチャンネルストリップと合わせてIFに入る前に音作りを完結してしまえるととても楽かなと思います。TASCAMのTA-1VPみたいなのが理想ですがちょっと古さも感じるので現代版みたいなのがあれば最高なのに、、

プラグインはフリーから使えるので導入はとてもお手軽です。
ボイチェン用だとAuburn Soundなんかもとても人気ですね。
wavesもTune RealTimeというのがあったりAuto Tune以外にも選択肢はいろいろあります。
ただプラグインの宿命として大なり小なりレイテンシは存在します。
Wet音をダイレクトモニタリングできない点を良しとするかどうかがどちらを選ぶかの一つの基準にもなると思います。

LLSY music


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