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【わたしと地元】ザ・たっちが語る「栃木県」。かんぴょうだけじゃない、知られざる名スポットはココだ!

 ホリプロ所属のタレントたちが、自らのルーツである「地元」について語るインタビュー連載が今回からスタートする。懐かしい場所、思い出……育った土地のエピソードを通じて、彼らの素顔やその土地の新たな魅力を伝えていく。記念すべき第一回目は、双子芸人のザ・たっち。「とちぎ未来大使」もつとめる彼らが語る地元「栃木県」とは。

■自然が遊び場。虫もヘビも手づかみで触っていた

 かずや「僕らは栃木県の下都賀郡石橋町っていうところで生まれました。いまは合併して下野市っていう名前に変わっています。あまり知名度が高くない街で、田舎街でもなんですけど、意外と交通の便が良いんですよね。宇都宮、小山という栃木の都会に挟まれていて、買い物とか映画にも行きやすいし、実はJR宇都宮線で東京まで一本。1時間40分ぐらいでいけちゃうんですよね。
 
たくや「栃木芸人だとU字工事さんが有名ですけど、あの人たちの地元の大田原市の方がもっと田舎です(笑)」
 
かずや「小さい頃は、本当自然が遊び場という感じで、稲刈ったあとの爺ちゃんの畑でよくプロレスごっこをしていましたね、林に入ってカブトムシ取りとかスズメバチと遭遇して逃げるとか……」
 
たくや「バッタ、蜘蛛、どんな虫に遭遇しても怖くなかったですね。当時は道に入る蛇とかも普通に触ってました」
 
かずや「小学校低学年ぐらいのときに、イナゴを捕まえて爺ちゃんがそれを熱湯に沈めたあと、甘く煮つけて佃煮にして食べてたぐらいです。ただ東京に来たら、いつのまにかカエルとかトカゲに触れなくなっていたんですよ。『都会に染まってしまった』とショックを受けましたね」
 
たくや「栃木って『かんぴょう』の名産地で、下野市周辺で全国の9割ぐらい作っているんですよ。作り方が結構大変で、かんぴょうの元になる夕顔の実をぐるぐる回る機械にぶっ刺して、カンナみたいに削っていく。それを朝の4時ぐらいから作業をはじめるんです。子どもたちは夏休み中わりと手伝わされていて、ラジオ体操行って目がバッキバキの子がいると『ああ、ひと仕事してきたんだな』ってわかるんです(笑)」

■鹿沼駅前には謎の焼売オブジェがある

かずや「ちなみに僕らは毎週レギュラー番組で栃木に帰っているんですが、行くたびに都会になっていっているなあって感じますね」
 
たくや「そうそう。郊外にショッピングモールはバンバンできているし、なんかおしゃれなカフェとかも増えてきて。最近だとアニメの街としても宣伝していて、そうした大きいイベントが開かれて、全国からコスプレイヤーが集まって来るんです」
 
かずや「学生時代のときはヤンキーが多くて、『エアマックス狩り』も有名になってましたけど、よくここまで盛り返したなあって思う」
 
たくや「いまはどこも落ち着いた街になりましたね。言い忘れたことがあったけど、足利市がいまロケの街として有名で、レトロな町並みがテレビや映画のロケでもよく使われるし、『足利スクランブルシティスタジオ』っていう渋谷のスクランブル交差点を再現したスタジオとかすごい規模なんですよ」
 
かずや「XGもあそこでMV撮ったっていう話だよね」
 
たくや「だから栃木はいまイケてるんですよ。『ヒルナンデス!』を見ていても、かなりの頻度で那須とか宇都宮とか紹介しているイメージです」
 
かずや「ちなみに鹿沼っていうところでは焼売を盛り上げているんですよ。崎陽軒の初代社長が鹿沼出身っていう縁で、宇都宮の餃子に負けじと頑張っていて。ただ鹿沼の駅前にある焼売像、『これのどこが焼売なんだ?』っていう形をしているんです」
 
たくや「たぶんそれがイケてるんだよ(笑)。そういえば、かずやが初デートで親父の車を借りていって、帰っているときに用水路に片輪が落ちて動けなくなったことがあったよね」
 
かずや「これは恥ずかしい思い出で、その日お揃いのペアリングみたいのを買ったんですよ。それを家の近くに来たときに隠そうと運転しながらゴソゴソしてたらハンドルが取られちゃって」
 
たくや「結局、地区の大人全員で持ち上げたんです。そのせいで『M-1グランプリ』の初回放送を生で見れなかったんですよ」

■我々がボイコットしたら東北には行けないんです

 かずや「これから栃木に来る人へのオススメの場所としては『那須高原りんどう湖ファミリー牧場』が楽しいと思います。その名の通りりんどう湖が近くにあって、上を横切るジップラインがすごく気持ちいいんですよ。高原の空気を吸いながら、ジップラインをやって、濃厚なソフトクリームを食べて、動物と触れ合って……うん、完璧ですね。自然があってかつおしゃれなところに行きたい人は、紗栄子さんがいま大田原で牧場を経営しているので、行くと良いですね。オーツミルクとか置いてあるんですよ」
 
たくや「あとはやっぱり日光ですよね。東照宮とかいろいろありますけど、金谷ホテルの雰囲気はめちゃくちゃ好きですね。異国にタイムスリップした感じがあって、ヘレンケラーが泊まった部屋とかアインシュタインのサインとか見どころもいっぱいあるんですよ。ブレッドも美味しいですし」
 
かずや「日光で言えば、僕たちは霧降高原も好きですね。本当に毎日のように霧がかかっていて、めちゃくちゃ晴れていてもそう。車が通れるぐらいのでっかい吊り橋があるんですけど、そこを抜けるとまた牧場があって、リフト乗ったりとか、天然氷のかき氷が食べられたりするんですよ」
 
たくや「こうやって結構見どころが多い栃木なんですが、PRが苦手というか、県民性と同様グイグイ前に出て押し出そうとはしないんですよね。一回僕らとU字工事さんと、手島優ちゃんで『栃木会』をやろうって言ったことがあったんですけど、誰も幹事をやりたがらない。『みんな忙しいよね』みたいな感じで、すでに10年が経っています(笑)」
 
かずや「だから魅力度ランキングとか下の方で、一時は最下位だったこともあるんです。それでもネタにせずで、逆に茨城は最下位になると『おいしい』と思ってそれをネタにしたPRもしてるんですよね」
 
たくや「だからもっと栃木の人は自信を持つべきですよね。魅力のあるところはさっき挙げたみたいにいっぱいあるわけですし、なんてったって栃木は東北道と東北新幹線が県の真ん中を通っていますから、我々がボイコットしたら、皆さん東北には行けないんですから!(笑)」

<編集後記>

ザ・たっちから始まった地元をレペゼンするシリーズ。栃木での思い出を自然体で語る様子には、こちらまで思わず顔がほころんでしまう瞬間が何度もあった。地元という存在がどれだけ人の心を支え、今を形作っているかを改めて実感する。すでにタレント、アナウンサー、俳優、ミュージシャンと続々と取材は終えている。次は誰が生まれ故郷や思い出の地を語ってくれるのか、今後も期待していて欲しい。

<マネージャー談>

地元の栃木を愛して止まない2人(双子)
その思いは、U字工事さんにも全く負けていません。
全く見えないですが、芸歴は23年。
一度、仕事をご一緒したスタッフさんからは、またお仕事を一緒にしたいと言われることがほとんどです。
時に身長・体重など全てを合わせないといけないため、アイドルのような体調管理も行なっています笑
たくや(兄)のケータイでかずや(弟)が電話をしてきたりもします。一緒にいると顔だけでなく、声の違いも分かるので、ぜひ顔と声を見極めてみて下さい。

<撮影の様子はこちら>

【プロフィール】
ザ・たっち
双子のお笑いコンビ。1982年11月10日生まれ。栃木県出身。レギュラー番組に東海テレビ「スイッチ!」、とちぎテレビ「イブ6+」、SBC長野信越放送「ずくだせテレビ」がある。

取材・文/東田俊介
撮影/上村窓


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