元BiSHハシヤスメ・アツコ、ホリプロ所属記念インタビュー!オーディションに落ち続けても前向きな「ポジティブ思考」でバラエティ界を席巻する
6月29日をもって解散したことが記憶に新しい6人組グループ・BiSH。その後は、各々が希望する道を歩む中、「メガネ」のビジュアルが印象的なハシヤスメ・アツコは、新たにホリプロに所属することが決定した。
BiSHの「コント担当」からソロでの「バラエティタレント」へ。グループメジャーデビュー時の目標だった「東京ドームでのワンマンライブ開催」同様、大きな野望を話す彼女の目に曇りはない。
■バラエティに出るようになってからテレビの見方が変わった
ーー6月30日からソロでの活動がスタートしたんですが、もう“一人慣れ”はしましたか?
ハシヤスメ・アツコ(以下、ハシヤスメ)「慣れました。前日の29日に東京ドームでBiSHの解散ライブがあって、翌日の朝、目覚ましが鳴った時点で気持ちが切り替わっていましたね。『そっか、今日から1人で頑張らないといけないんだ……』って寂しい思いも一瞬よぎったんですけど、すぐそれも過ぎていって」
ーーすでに考える時間もないぐらい色々な番組に出ていますよね。初MC番組で『金曜日のメタバース』(テレビ朝日)、『すてきにハンドメイド』(NHK)、台湾ロケで『世界!旅々さまぁ~ず』(テレビ愛知)、『アッコにおまかせ!』(TBS)にも。
ハシヤスメ「ファンの方から、SNSで『M-1グランプリ』優勝した芸人並みにテレビに出てるなっていうコメントが来てましたね(笑)。それぐらい、いろんなジャンルの番組に出られて嬉しいです」
ーー解散後のBiSHは、それぞれがそれぞれの選択肢を歩んでいきました。ハシヤスメさんがバラエティを主戦場と決めたのはいつごろからなんでしょうか。
ハシヤスメ「もともと芸能の世界に興味があって、『タレントさんになりたい』っていう思いは強かったんですが、最終的にはBiSHの解散が決まったときですね。これから自分が出たい番組をリストアップしていくと、バラエティタレントの方向が自分にあっているのかな?と」
ーーソロでやっていくにあたって、マインド面でもルーティンでも、なにか変わったことってありますか?
ハシヤスメ「テレビの見方は変わりましたね。司会者の方がこう言ったら、芸人さんはこうやって返すんだとか、こんなひねりを加えて返すんだとか、すごい初歩的なことかもしれないですけど。前は純粋に楽しんで見ることができていたバラエティ番組が、いまは『教科書』という学びのものになりました」
ーーBiSHではライブでの「コント担当」として、数多くの寸劇をしてきたことで、肝は相当座るようになったと思うんです。どんな番組に出ても“いつものハシヤスメ”を見せられると言うか。それでも課題は感じていますか?
ハシヤスメ「普段から自分のことを客観的に見てるつもりですけど、出演した番組を見ると、まだやっぱり自分が目指すタレント像からは遠いですね。それこそ、事務所の先輩でもある井森美幸さんみたいに、出ただけで明るい雰囲気になるのが理想。あとは、もっとかゆいところに手が届く発言ができる人にはなりたいです。視聴者の方が『ここ気になってた!』って思うところに触れたいですね。」
■上がり下がりある人生の方が、自分らしい
ーーそれにしても、キラキラとした芸能界に憧れて100社近くに履歴書を送って、それでもダメで、二次募集でBiSHに加入して、メガネキャラが定着して、いまやバラエティタレントとしての片鱗を見せている。色々と人生経験してきましたね。
ハシヤスメ「確かに。そう思うと面白いですよね。ホリプロタレントスカウトキャラバンも5年連続で落ちていますから。できたらグランプリ取って、王道な俳優の道に進んでみたかったですけどね。真っ白なワンピースに黒髪ストレートで、振り向き様の写真とか撮ってみたいです(笑)。でも、上がり下がりある人生の方が、自分らしいのかなって、歩んできた道は誇りに思っていますよ」
ーーいま出ている番組の幅広さを見ていると、ハシヤスメさんには「何でもやるマインド」があるので、今後の飛躍も想像しやすいです。
ハシヤスメ「そうですね。基本NGはないし、とりあえずやってみよう精神はあります。でもこれは、本当にダメっていう仕事があったんです……。」
ーー具体的にどんなジャンルがダメなんですか。
ハシヤスメ「(ボソッと)深海魚」
ーー深海魚?
ハシヤスメ「私、お魚に対して恐れを抱いているんです。BiSH時代に、船に乗って深海魚を釣るっていう企画があったんですけど、深いところにいる魚なので、地上に出るとき、空気の圧で目が飛び出たり、口から臓器が出てたりして、だいぶグロテスクなビジュアルな上、匂いもとんでもなくて……。リアルにvomit(吐いて)してしまいました。バラエティでさすがにそのシーンは見せられないですよね(笑)」
ーー今後どういった番組にでたいですか?
ハシヤスメ「目標は『王様のブランチ』(TBS)ですね。もう法被着てね」
ーー「買い物の達人」コーナーなんですね(笑)。MCとかではなく。
ハシヤスメ「そうです!もちろん、最終的には佐藤栞里さん(番組MC)のところに行けるようになりたいです」
ーー佐藤栞里さん、所さんの横でも有吉さんの横でも立ち回っているだけに、今のところ壁は高いですね。
ハシヤスメ「昔からおじいちゃんに『夢を小さく持つのは駄目だ。大きく持たないといけないよ』と言われてきたので、目標は大きくしています。グループ時代にも、東京ドームでワンマンライブを…と目標を公言していたら叶ったので」
ーーこれまでのオーディションでの諦めない行動も踏まえると、ずっと前向きな行動をしてきた方ですよね。
ハシヤスメ「グループ時代はずっと『自分が一番』って思って、気持ちも声も大きくやっていました。やっぱり、置かれた場所で花を咲かせたいじゃないですか。『ハシヤスメ』じゃなく『メインディッシュ』の存在になっていきたいんです」
ーーもしかしたら改名もあるかもしれないですね。
ハシヤスメ「大河ドラマに出たり、ジャスティン・ビーバーとかとんでもない人たちに紹介されることがあったりしたら『メインディッシュ・アツコ』になるかもしれないですね。本当、何が起こるかわからないのが人生で、スカウトキャラバンも落ちまくって、『もうホリプロに入れないのか』と思っていたけど、ここにきて入ることができたので」
ーーコントキャラが定着していましたけど、ここまでの話は真面目ですよね……?
ハシヤスメ「もちろん!こっちは本気ですよ。読者の方に『真面目です』っていうことは伝えてください」
【リーズンルッカ’s EYE】ハシヤスメ・アツコを深く知るためのQ&A
Q. ハシヤスメさんの最近の「ハマりモノ」は?
A. 最近か……私、ひとつのことにハマったら長くて、それこそ芸人さんだと、ロッチのコカドさんを10年間好きだったりするんですよね。あ、思い出した!「ネットショッピング」を最近になってようやく使うようになって、服を買いまくっています。1人になってから、衣装を自分で用意することが増えてそのお手軽さにビックリしてます!BiSH時代は「ネットショッピングは絶対しないです!」って言ってたのに(笑)。
<編集後記>
「根拠のない自信だけはあるんです」
BiSH時代、歌の才能、踊りの才能と、多種多様な強みを持つメンバーの中で、彼女は「メガネ」「コント」と、王道アイドルであれば、“イロモノ”になりそうな特徴を武器にしてきた。それこそ、当初は「王道」を目指していたというだけあって、苦しい瞬間も経験したことだろう。
だが、冒頭での発言のように、いつでも、どんな状況でもメインストリームを諦めることはないのが、“らしさ”であり強みだ。実際、その姿勢が功を奏し輝かしい歴史を刻んだグループの中で、不可欠な存在として居続けた。すでにバラエティタレントのスタートとしては、驚くべき番組出演本数を数え、すでに立ち位置ができつつある、いつになく好位置な彼女の未来は相当に明るい。
<マネージャー談>
記事中の写真を撮影するため、弊社の5階屋上へ向かいました。
古い建物のため階段がなく、ハシヤスメはヘトヘトになっておりましたが、色んな社員や槙野智章さん(ポスター)に遭遇して、とっても楽しそうでした。
社員のいるフロアに入り浸って、みんなとお話したいと言っているハシヤスメ、ホリプロ満喫中です。
<撮影の様子はこちら>
取材・文/東田俊介
撮影/RYO SATO