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「赤っ!?」と思わず驚きの声が出たオーディションの合格告知。レッドとして、座長として得難い経験を通して役者として新たな章へ!
子どもの頃からその才を見出され、プロリーグの育成選手としてサッカーに没頭してきた樋口幸平が俳優の道を目指すきっかけは街でのスカウトだった。2022年、第46作目となるスーパー戦隊「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」でドンモモタロウ/桃井タロウを演じて、広くその名を知られることとなる。「これで縁ができたな!」と人との縁を大事にしてきたタロウ同様に縁を大事にしたいと話す樋口に、これまでのこと、そしてこれからのことを聞く。
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■失敗も後悔もどんどんしたい。重ねた先に強くなった自分がいるはずだから。
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——芸能界に入る前はサッカーに没頭してきたそうですね。
樋口 良くも悪くもサッカーしかしてこなかった人間でした。スポーツに対してすごく真面目に、プロになるために一つのことをまっすぐに頑張っていた人間でした。
——くじけそうになったときの、立ち向かう原動力はどんなところにありましたか?
樋口 くじけたときにはくじけていいと思います。サッカーをやっていた頃も、落ち込むときには落ち込んでいたし、「もう嫌だ」と思う日だってありました。でも「嫌だ」と思った経験も、何度も続けば絶対に強くなっていきますから。同じような経験をしても、3度目のときには傷を負う領域も減っているものですよね。よく「負けた方がいい」とか「失敗を経験した方がいい」と言いますが、きっとそういうことなのかなと思います。くじけそうならくじければいいし、全力でやったのなら負けてもいい。でも何度も同じように負けるのはダメだ、と自分を奮い立たせていました。
——芸能界に挑戦する決断をした日のことを教えてください。
樋口 サッカーからの引退を決めたタイミングでスカウトされて、すごく嬉しかったです。それで父に挑戦したいと話して、最初は「ダメだ」と言われましたが、最終的にはその父が一番応援してくれました。そのときに「22歳までに大きな作品に出会えず、その先の道筋が見えないような役者なら俺は認めない」という父に、それまでに結果を残せる役者になると約束をしました。そこが決断のときだったと思います。
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■素を出せた恋愛バラエティの後に目指したのは“ヒーロー”
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——事務所に所属してその翌年に「恋とオオカミには騙されない」に出演されました。当時、まっすぐな姿が注目を集めていましたよね 。
樋口 あの時は、まだ仕事を始めたばかりで何もわかっておらず、「明日も撮影だ!やったー!」って感覚で臨んでいましたね。当時、僕はまだ10代で、仕事というより素の自分で楽しんでいました。
——そして「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」が決まりました。オーディションの際の想いを教えてください。
樋口 「オオカミ」が終わったあとは、すごい反響で若い世代から一気に注目を集めることができました。その瞬間はとても嬉しかったのですが、目指しているのは俳優。事務所の先輩のきいちゃん(駒木根葵汰)が「ゼンカイジャー」に決まったのを目の当たりにしていたので「絶対に合格しなくては!」と覚悟を持って受けたオーディションでした。
——そしてレッドに!
樋口 1年半以上前の話ですが「赤っ!?」って、とにかくびっくりしました。タロウに決まったことによって僕の中で人生が一気に変わりました。当時の自分と今の自分は、考え方も目標、夢についても別人のようです。あの頃は、目の前のことと自分のことに必死だったけれど、作品を通して全部が違ってしまうほどのいい経験をさせてもらえました。
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■ドンブラザーズの現場で教わったのは「縁を大事にする心」
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——テレビシリーズは1年。そのあとも映画などがあり、一つの作品ととても長く向き合うコンテンツです。どんな時間でしたか?
樋口 最初は精一杯でした。役に対してもそうですし、俳優としてのいろはを監督さんはじめ周りのスタッフのみなさんから教えてもらい、時には怒られながら進んできた時間でした。レッドとして、座長として精一杯やってきて、24話くらいで桃井タロウという役の完成形が僕の中で定まった気がしたんです。そこからようやく自分以外の人へと目を配ることが出来るようになりました。キャストが多く、年齢幅も広い座組でしたし、いい意味でのハプニングも多かったので、そういったことを通していろいろと考える時間もありました。それにドンブラザーズを経て「現場にはたくさんの人が関わっているんだな」と気付くことができました。キャストの仲間もそうですし、監督さん、助監督さん、スタッフさんたち、すべての人たちと会話をすることを心掛けたので、その会話から価値観も視野も考え方も、みんながそれぞれに違いながら同じ目的に向かっているんだということを教えられた一年でした。
——現場での会話で印象的だったものというと?
樋口 スーパー戦隊シリーズはずっと続いてきているものですから、10年、20年前の仮面ライダーのスタッフさんもいらっしゃったので、当時の戦隊のレッドをやってきた人たち、松坂桃李さんや志尊淳さん、山田裕貴さんや竜星涼さんといった先輩たちの名前が出てくることが多いんです。その会話のときに、5年後、10年後に「ドンブラザーズの樋口は、当時からひとついいものがあったよ」と言ってもらえるような存在になりたいと思いましたね。スタッフさんの話題にあがるということは、一緒に作品を作っていたことを誇りに思ってくれているから。記憶に残るレッドだったと言ってもらえるように頑張らなきゃいけない、と演じているときから意識するようになりました。
——そんな「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」から学んだことで今のご自身に生きているものはなんですか?
樋口 「縁が大事」ということです。とても大事なことを学ばせてもらいましたし、そのことをずっと感じていた時間でしたし、これからも縁を大事にして、しっかりと進んでいきたいです。
——今後、どんな役者になっていきたいですか?
樋口 役者として、見ている人が鳥肌を立てるような芝居がしたいです。松坂桃李さんが僕の中で目標の一人です。
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【リーズンルッカ’s EYE】樋口幸平を深く知るためのQ&A
Q.梅雨を乗り切るオススメの方法は?
A.梅雨に時期は部屋で過ごす時間も長くなるので、インテリアを充実させるのがおすすめです。インテリアがうまくきまっていくと、気分もアガりますし、気持ちも楽になるし、毎日掃除がしたくなります。だってお気に入りのインテリアを汚したくないですから。以前の僕は掃除が苦手でしたが、部屋を充実させてから変わりました。最近の僕はお香にハマって、いろいろな匂いで部屋を満たしています。。細かいところを掃除すると、大きな場所も綺麗にしたくなるおかげで部屋はすごく過ごしやすくなったので、梅雨も怖くないです。
Q.今年の夏、楽しみなことは?
A.スーパー戦隊から卒業となったので、新しい自分を見せる機会がここから増えていく夏になると思います。今は桃井タロウとしての僕の印象がすごく強いと思いますが、大海原で勝負していける、新たな章のはじまりの季節にしていきたいです。
<編集後記>
「子供のころから新しい場所に行くことや人と出会ってコミュニケーションをとることが好きだった」と話す樋口さんは、明るく、自身の言葉にまっすぐに向き合う心の強さを持った人だと感じます。「くじけそうなら、くじけたっていい」という言葉は日々悩む人へのエールにもなる、あたたかな言葉だなと思いました。
<マネージャー談>
サッカーをずっとやってきたとは思えないほど色白で、たくさん食べてもまったく太らないという。女子からすると悔しいしかない樋口幸平。
スーパー戦隊の1年間を通し、俳優としての夢はしっかりと整ってきました。
次なるステージに向けて頑張りたいと思っています。応援の程どうぞよろしくお願いいたします。
<撮影の様子はこちら!>
【プロフィール】
樋口 幸平(ひぐち こうへい)
2000年11月30日生まれ。兵庫県出身。サッカー選手を目指し上京するも怪我で断念。その後2019年にスカウトされ芸能界に。2021年ウェブ番組「恋とオオカミには騙されない」に出演し中高生の話題をさらうと、2022年スーパー戦隊シリーズ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」の桃井タロウ/ドンモモタロウ役に抜擢。2023年5月にはTBSチャンネルで冠番組「駒木根葵汰&樋口幸平のSDGsアドベンチャー」も放送された。
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取材・文/えびさわなち
写真/まくらあさみ