THE BATMAN【映画好き芸人のネタバレなし感想】
腐敗した政治と金の街ゴッサムシティに、1人のダークヒーローがいる。
バットマン。
コウモリのように闇に紛れ、真の悪に裁きを下す存在。そして、恐怖の象徴的な存在がバットマンだ。
復讐に囚われた男が、正義とも悪ともつかぬ制裁を加える姿に我々観客は魅了されていく。
バットマンの映画は、本当に沢山ある。
近年好調を維持するMARVEL作品よりも先に、日本のみならず世間的に映画としての地位を確立していたのはDCコミックスだろう。
数年前に公開されたジョーカーという映画や、スーサイドスクワッドなどでバットマンやスーパーマンのヴィランが題材となる作品も公開され、ファンが待ち望んだ傑作ザックスナイダーカット版のジャスティスリーグの公開など、地道にも確実に歴史を築いてきている。
最新作『THE BATMAN』は新たなシリーズの幕開けを予感させつつも、単体作品としても非常に完成された作品に思えた。
DCコミックスの映画化作品は、marvel作品とは異なり非常にビターでシリアスな作品が多く、見る面を変えればそれはあまりの暗さに退屈と感じることもある程だと個人的には思っている。
しかし今回の映画はというと、実際に劇場に観にいくまで過度の期待をしていなかったが、3時間5分という公開時間の長さを微塵も感じさせず、むしろ気がつくと確実に映画の世界に飲み込まれ魅了されてしまっていた。
チープな言葉で表現するのなら、ハラハラドキドキするような展開が続き、ホラー的かつ推理小説的な味わいの映画であった。
本作のバットマンは、過去作のバットマンに比べると若さを感じつつも、その内に眠る復讐心に燃えるダークヒーロー。そして、ヴィランであるリドラーは過去作品の名ヴィランであるジョーカーに負けぬサイコキラーであり。
その正体も、理念も極限の境地に達するまで理解不能。
真の恐怖とはいったい何か?
復讐とは何か?
復讐がもたらすものとその意味とは?
それらを、起承転結を丁寧に描き、かつやはりこれはヒーロー映画であるとしっかりと感じることができる。
兎にも角にも、他作品と繋がりのない完全新作のヒーロー映画は久しぶりに見たけれど、本当に単体作品として作品の髄まで満足感のある、本当に好きな作品だったと断言できる。
3時間超えの上映時間は確かに長いが、それを補ってあまりあるほどの名作、是非とも劇場で鑑賞してほしい。
リロイ太郎
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