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国際救助隊が大活躍、「サンダーバード」の秘密と魅力

 小学生の時、NHKテレビで放映されていた特撮人形劇「サンダーバード」に夢中になっていました。半世紀以上前に英国で制作された作品ですが、設定の発想や特撮技術は素晴らしいものがあります。
 「サンダーバード」とは、ある資産家(ジェフ・トレーシー)が私財を投じて創設したグローバルに活動する救助隊です。創設の動機はトレーシーが妻を事故で亡くした経験にあるようです。彼の息子たちが救助隊員として、高度な装備を駆使して事故や災害の現場で救助活動を行います。この救助隊はいかなる国家や組織からも独立して活動します。秘密の保持が徹底されており、太平洋のある島に存在する基地も地下に隠されています。救助用に開発された技術が軍事目的に転用されるのを防ぐ目的もあるようです。研究開発に携わった天才技術者(ブレインズ)も劇中に登場します。

 活動の中心となる装備はサンダーバード1号~5号です。1号・2号・3号が基地から発進する場面は、主題曲とともに印象に残っています。小学生のころプラモデルをつくっていたことも思い出されます。

1号:超高速航空機。現場に急行して状況を確認する。
2号:輸送用航空機。多彩な救助用車両(驚くようなアイデアの産物です)   や4号を現場まで運ぶ。
3号:宇宙ロケット。宇宙空間で救助活動を行う。
4号:水陸両用機。水中・水上での救助活動を行う。
5号:宇宙ステーション。救助要請を受信して、基地に伝える。

 私は子どもの頃、将来は自然科学系の研究者や技術者になりたいと思っていました。もし技術者になっていたら、「自動化無人救助隊」のようなものを研究していたかもしれません。ドローンとAI搭載のロボットや無人救助車両を組み合せたものです。人間が近寄れない事故・災害現場でも活動できるものを考えます。ドローンで現場の情報収集。AIが最適な救助方法を迅速に決定し、複数の救助用ロボットが無線通信で連絡をとりあいながら役割分担して救助活動を遂行するといったものです。

 残念ながら21世紀の今も、高度化した科学技術が企業や国家の利益を優先して用いられる姿を目にすることが多いのが現実です。科学技術の開発と利用にあたっては、「サンダーバード」の発想が少しでも活かされることを願っています。また、「サンダーバード」は国籍や民族を問わない普遍的な人間尊重の理念にもとづいて活動しています。世界のあちこちで国家や民族の間の対立が続く現代において、学ぶべきところがあると思います。

「サンダーバード」の主題曲、1~3号の発進場面などの動画


 なお、新作映画「サンダーバード55」が1月7日(金)から公開されます。公式サイトに「サンダーバード」の簡潔な解説が掲載されています。

映画「サンダーバード55」公式サイト

参考
『サンダーバード完全読本』  ペン編集部  CCCメディアハウス


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