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Solistiade反田恭平&Friendsレポその2<2022年5月15 京都コンサートホール>

今回反田さんと務川さん、JNOの皆さんは「Solistiade反田恭平&Friends特別コンサート2022」東京2公演と京都2公演、さらに5月10日にはBMWジャパンによる特別コンサートという1週間に5公演のなかなかハードな日程をこなしたのでした。
前回記事では公演初日のレポートをお送りしたが、今回はもう一箇所私が訪れた5月15日京都公演のレポートを中心に構成し、さらに残り3公演もSNS等で簡単に振り返ってみようと思う。備忘録として素人が書いていますので、そこのところはご容赦を。ご指摘等あればぜひよろしくお願いします。

1.京都公演(2022年5月15日15時開演、京都コンサートホール)

京都コンサートホールは、昨秋行われた務川さんと京響との公演で訪れて以来2回目の訪問です。こちらの建物は、入口から続くスロープを徐々に上がりホールに達するという面白い造りなんですよね。しかも壁には今までこちらで演奏された古今東西の世界的音楽家の写真パネルがずらっと並べられていて、ホールの歴史をひしひし感じる。
1833人収容の大ホールは、正面にパイプオルガンが威容を放つ、こちらも歴史的な風格を感じますねー。さて今回のフレンズ公演も女性客で満員(2階席とP席は解放していない模様)で、やはり華やいだ感じなのも初日と同じだ。
定刻となり、オーケストラの皆さんがご登場。今回はJNOメンバーに加え、京都学生オケの有志の方も加わっている。そして今日も周防亮介さんのお姿が見えるのが嬉しい。メンバー最後に5公演ずっとコンマスの重責を担ってきた東亮汰さんが黒マスク姿でご登場、拍手を受けてから着席、マスク外しメガネをかけた(←見てた笑)。
そしてついに指揮者・反田恭平さん登場。黒スーツに白シャツ、黒のネクタイ。

巨匠に見守られながらホールへ!

⑴モーツァルト:歌劇「魔笛」より序曲

指揮棒を持たないスタイル。私の席は上手前方だったので、反田さんがアイコンタクトとったり指示を出したりする姿も前回より確認できた。反田さんは常に指示を出すというよりも、ポイント押さえてという感じで、音楽に身を任せているように見える場面もあったなぁ。弦の動きや音に目耳を奪われ、管楽器の音色にはハッとなり。素晴らしい演奏に拍手喝采です。

ここで1回目のトーク。今回はトーク中心でお送りしますね。例のごとく、語彙はできる限り生かしつつの、だけど言い回しはそのままではないことご了承ください。
「サントリー3公演、そして昨日こちらでコンサートを行い、いよいよ今日が千秋楽となりました。1週間で5公演、なかなか無い経験でしたね」
「僕は2020年にコンサートをオンラインで行い課金してもらうという企画を提案して、Eプラスさんのご協力で初めて実現しました。その時危惧したのが、オンラインが一般的になったら現実のコンサートにお客様が戻ってきてくれないのでは、ということでした。でも新たなことには何かを壊すリスクが必要でしたから、やってみようと。
そしてこうして再び公演をしてみると、やはり生のコンサートに行きたい楽しみたというお客様の眼差しを感じるのです」

⑵「JNOを振ってみる!」

再び反田さん。子供の頃はサッカーに華やかなイメージがあり、サッカー選手に憧れていたが12歳の頃にオーケストラを振ったのが音楽家へのモチベーションになったという、もう何度も語られてきたご自身の経験談。それに続き事前応募で選ばれた6名のファンが、アイネクライネまたはハンガリー舞曲5番の抜粋を振る、お楽しみ企画スタート!
「実は昨日は全員ハンガリー舞曲だったんですよ。さすが関西、盛り上がる曲が好きなのかなあ」という反田さんの感想を受けての京都二日目、結果はアイネクライネ1名、5名ハンガリー舞曲(笑)。
反田さんは出場者にまず軽く声を掛け、少し離れたところで演奏を見守り、演奏後にまた感想などを聞く。そのタイミングといい声の調子といい、優しくて楽しくてとても良いのよね〜。反田さんの大ファンという小さな男の子に暖かく接したり、アイネ振る女性の方が凄くお上手で「経験あるんですか?」と思わず聞いてしまったり、ピアノを習っているという男子高校生に「ライバルだね」と笑わせたり。オケの皆さんも臨機応変な対応力が凄い。皆さんが笑顔で大きな拍手を送っていたのも雰囲気良かった。
出場者が退場し、反田さんが「ここでオケの皆さんも一旦休憩に…」と言いかけたところで東コンマスの指摘入る。「僕らでアイネクライネ演奏するのを忘れていました」と反田さん。「千秋楽ということで、ちょっと気分がおかしくなっているのかも」で、会場からも笑いが起きた。しかしその後はまさにプロのアイネクライネでした。さすが〜!

⑶「スペシャルコーナー」ピアノ:反田恭平


まず最初に反田さんの長めのトーク! 反田さんも千秋楽ということで弁舌さわやか、というわけでテーマ別にまとめてみた。

✴️JNOについて
「JNOは2021年に奈良市で登記をしています。最初は2018年に8人の弦楽奏者とともにWカルテットとして始まりました。その後メンバーも増え、今は小編成スタイルのオーケストラやアンサンブル、室内楽といったスタイルで演奏をしています」
✴️ショパンばかり
「ショパンばかり弾いてきて、そろそろショパン以外をやりたいなあと思ってるんです。でもやはりショパンは要望が多いんですよね。コンクールをきっかけにありがたいことに色んな国の方に存在を知っていただき、お声をかけていただいていますが、そうなるとやはりショパンになってしまうんですね」
「例えば前半は好きな曲弾いていいから、後半はショパンねとか笑。今度師匠が関わる音楽祭があり、さらにその前後にコンサートがあるんですが、半分はショパン、しかも被りなしとなると、結構ショパン弾かなくてはいけない笑」
✴️これからの目標
「また一人の作曲家を集中的に研究して演奏したいですね。今まではショパンだったんですが、これからはオーストリアのウィーンならではの作曲家、例えばモーツァルトやシュトラウス(※不確かです、そう聞こえたが)あるいはブラームス。弾きたい曲としてはブラームスのOp.118やシューベルトの後期ソナタのうち20番、ブゾーニのシャコンヌやブラームス=ブゾーニ(※11のコラール?)」
「言葉に方言があるように、音楽にも地域によって方言のような違いがある。例えばピアノの奏法にしても指遣いや音の弾き方とかも違う。だからこれからもヨーロッパの色々な地域を転々として、そういう違いを勉強していきたいです」
✴️演奏曲目について
・ショパン:マズルカ風ロンド へ長調 作品5 
「ショパンは夏の休暇に田舎に行き、そこで沢山の男女が輪になって楽しそうに踊る姿を見た。そこで流れていた曲がマズルカで、ショパンはそれから亡くなる少し前まで生涯マズルカを書き続けました。この曲はまだショパンが若く元気だった頃の曲で、A-B-A-C-Aの形式になっていて、3度Aが出てくるのでその違いを感じて欲しい」
ショパン :ラルゴ 変ホ長調
「この曲は審査員も知らなかった曲です。この曲を知ることができたのは、僕が留学して良かったと思う点の一つです。さらにこの曲の終わりがEsで、次の英雄ポロネーズの始まりが同じEsなのがこだわりです」
演奏はやはり今回もとても心に残る、素晴らしいものだった。曲についてのトークが多めだったことに加え、私の席はピアノの音がダイレクトに伝わってくる位置だったので直接的に音を感じられ、またいつもと違う感動でした。

⑷務川さん登場! &連弾

演奏を終え、水を飲む反田さん。ここで助っ人、務川慧悟さんの登場〜!
グレーのスーツに黒シャツ、青に水色のドット柄のネクタイとチーフ。
「ただ今ご紹介をあずかりました務川慧悟です」
とお茶目な務川さん。反田さんと「いかがおすごしですか」「元気です」という会話で早速のじゃれ合い(笑)。
まず話は10年前の日本音楽コンクールで共に優勝した、二人の出会いについて。
反田氏「最初は字面からして怖そうな人か、と思ってたんですが、話してみるとそんなことない。優しい人だった」会場笑う。
反田氏「務川くんとは普段ははっちゃけてて冗談言ったり、いつも笑いあってるよね」
務川氏「僕がずっと笑っている」
反田氏「務川くん優しいから、僕が何言っても笑ってくれるんだもの」
務川氏「優しさと、僕の笑いのツボが浅いからだね」
反田氏「(笑)何、僕が凄く面白いからだと思ってた」仲良しー。
話は今回の公演で発表された2023年1月19日石川県を皮切りに2月5日までの約3週間で15箇所を周るという驚嘆のハードな2台ピアノツアーについて。しかしすごいスケジュール。
「このくらい詰まってくると、もうわけわからなくなって、この電車に乗ってくださいと言われて乗るみたいな感じになるよね。あー東京に着いた、と思ったらさらに乗り換えてもっと遠方だったり」と反田さん。
全国に待っているファンが多いですからね。しかし昨今の人気を考えると、チケット取りがまた過熱しそうで怖い気もする。
「僕が最初に指揮した協奏曲が、バイオリンはこの間の岡本誠司くんとのメンデルスゾーンで、ピアノは今回の務川くんとのシューマンというのが感慨深い」と反田さんは話し、務川さんも頷く。あー今後のお二人、そしてJNOの活躍が楽しみ!

✴️連弾(ブラームス:ハンガリー舞曲第1、2、5番)
ここで連弾。プリモ務川さん、セコンド反田さん。今回の席からはお二人の手の動きや表情もあまり見えないのが残念だったが、音はダイレクトに届いてきた(しつこい笑)。足も良く見えたよ。ペダルは反田さん担当なので、務川さんの両足はフリー、左足がめっちゃ動いてましたね笑。反田さんのベースに乗って、務川さんの音がキラキラと降り注いでくる。複合的に揺れるメロディ。お二人の連弾最高だー。スタンディングオベーションも出て前半終了。

え、ちょっと待って。前半終了だけでめっちゃ字数きちゃった(汗。
後半もまだまだボリューミーなので、ここで一旦切りますわ。
後半もお読みいただけると嬉しいです。ということで、後半に続く!


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