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天からの贈り物
空が暗くなり、人々が不安げに見上げる中、最初の一滴が落ちてきた。
柔らかく、ゼリーのような質感。触れた瞬間、皮膚に吸収されていく。
「なんだこれ…」
疑問の声が上がる間もなく、空から降り注ぐ物体の量は増していった。
パニックの始まり
数時間後、街は混沌に包まれていた。
柔らかい物体に触れた人々は、徐々に意識を失っていく。そして、彼らの体は溶け始めた。
科学者たちは必死に分析を試みるが、この物質の正体を突き止めることはできない。
静寂の訪れ
一週間後、地球上のほとんどの生命体が消滅していた。
かつて賑わっていた都市も、今は柔らかい物質で覆われ、静寂に包まれている。
最後の生存者が息を引き取る瞬間、彼は空を見上げ、つぶやいた。
「これが、宇宙からの審判なのか…」
そして世界は、永遠の眠りについた。しかし…
悪意なき清掃
数年後、地球はかつてないほどに美しくなっていた。
降り注いだ物体は、宇宙を漂うゴミを食べる生物だったのだ。彼らは有機物を分解し、無機物へと変え、地球を文字通り「清掃」した。
生命は失われたが、汚染は消え、地球は輝きを取り戻した。
宇宙を漂流する彼らにとって、それはただの食事だった。悪意など、微塵もなかった。ただ、少し食べ過ぎただけなのだ。