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セージ と汗とアブナイお酒の話
毎日ものすごい暑さですね。肌寒い日もあった7月から急激なこの暑さ!徐々にとか段々と、とかではなく突然、はい!今月から猛暑ね!っていう変わり方やめてほしい。
更年期真っ只中の私は、ここ数年の異常なほどの汗の量に参っていて、10分も歩いたらもう汗がポタポタ、ポタタタタッ…て落ちてくる。下着のタンクトップもパンツも汗で冷たくなってしまう。
もともとものすごい汗かき体質だったけど、更年期って汗の出るところが今までと違うんですよ。
最初の頃は顔で、
顔中に細かーく霧吹きでシューッと水をかけたように汗が出るんだけど、細かいので流れて来ないし気づかない。
ハンカチや手でおさえたときに細かいのがくっついて大きな水滴になって初めて
ゲッ!
と気づく。お、おそろしい…
次に来たのが頭皮。
今まさにそれで、頭皮からそれこそ霧吹き以上の汗が噴き出る。それが容赦なく顔、首に流れてきて、拭き取るのに大変忙しい。そして恥ずかしい。
去年の夏、更年期の発汗異常にセージのハーブが効く、と習ったのでワラにもすがる思い?で飲んでみたんですが、とてもマズくて続けられる自信がなくてやめてしまった。ローズマリーの葉っぱをそのまま食べたような味がするんですよ。
ブレンドするにも風味が強すぎて、他のハーブが負けてしまう。それほど強い香りを持つのでヨーロッパでは肉の臭み消しなどに用いられていたそう。ソーセージのセージ もここから来ているという説もあります。
ということで今回はセージ についてちょこっとご紹介します。
セージ は学名が「サルビア オフィキナリス」と言って、サルビアの語源は「治療する」という意味からきています。それだけに古代から薬用の植物として重宝されてきたそう。和名が「薬用サルビア」。サルビアってセージのことだったんですね。
セージ はローズマリーに次ぐ高い【抗酸化作用】があることから、昔から不老長寿のハーブと言われていて、「庭にセージ を植えている家には死人が出ない」や「病気になりたくなければ庭にセージ を植えなさい」などの言い伝えがあるほど。
また、口内炎や喉の腫れなど【口腔内や喉のトラブルに効く】と言われていて、抗菌作用もあることから私はセージ と、以前記事にも書いたタイムをウォッカに2週間漬け込んで作ったチンキ剤でうがいをしています。
この前の吉村知事の発言でうがいが注目されたけど、イソジン、どこも売り切れなんだろうか。ちなみに私が作ったチンキ剤はイソジンの匂いはするけど、ヨードは入っていないので同じ効果は得られないとは思う…。残念。
そして肌を引き締める【収れん作用】があって、これが先述の更年期のホットフラッシュなどにも効くと言われる所以なんですが、この収れん作用はロスマリン酸というタンニンによるもの。おそらくこのロスマリン酸がローズマリーの風味を生んでいるんですね。
セージ で私が注目したい成分は、【ツヨン】という精油成分。これは実は神経毒性のある成分で、ニガヨモギというヨモギの一種にも含まれています。そしてこのニガヨモギを原料にして作られたのが「アブサン」というお酒。これが危険なお酒だったんですよ。
アブサンは、18世紀末から19世紀初頭にワインよりも安い値段で手に入ったのでフランスでなどで大流行したそうで、ゴッホやロートレック、モディリアーニ、モネやピカソまで多くの芸術家たちが愛飲し、作品にも登場したりしているお酒なんです。(↓アルベール・メニャン『緑色のミューズ』アブサンを飲んで幻覚を見ているところ)
↓ドガ『カフェにて』アブサンと思われる飲み物が置いてある。この虚な目!
アブサンを飲み過ぎると不安感、不眠、悪夢や嘔吐、そして幻覚症状や痙攣を起こしたり、ひどくなると自殺衝動まで引き起こしてしまうということで、20世紀初頭には製造が中止になりました。ゴッホはアブサン中毒だったんじゃないか、とも言われています。
これらの症状の原因とされたのが、ニガヨモギに含まれるツヨンでした。
でもツヨンに神経毒性があるとはいえ、生の葉っぱを大量に摂取するのでなければそれほど影響はないとも言われていて、単に安いので大量に飲んで中毒になったり、安い酒に入っている化学物質によるものだったという見方もあります。
なので1980年代になって、ツヨンの濃度を制限した上での製造・販売が解禁されて、今は安全にアブサンを飲むことが出来るようです。しかもハーブ系リキュールということでニガヨモギだけでなく、アニスやフェンネル、メリッサ、ヒソップなどのハーブが入っているらしく、とても興味そそられます!今度買ってみよう。(アルコール度数は平均で70くらいあるのでそこはやはり注意です)
セージ のツヨンももちろんごく微量なので問題ないのですが、長期間飲み続けるのは控えた方が良いみたいです。(ちなみに、妊婦さんは収れん作用があるので(収れん作用は子宮を収縮する可能性がある)飲まないでください)
でもハーブの効能は即効性ないから飲み続けることが大事なんですよね。それがダメなら私の発汗異常はどうしたらよいのだろう。
お風呂の後なんて、もうなかなか汗がひかなくて大変。裸族でいるのもどうかと思い、少し汗がひいてきた時点でタオル地の巻きワンピみたいのを前後逆に着て、後ろはとめないでウロウロしてるんだが、前面は隠れてるけどクルッと後ろ向くと後ろ姿はスッポンポンなんで、家人がお茶をブッと吹いてしまうということをよくやっていた。
今年もそれで乗り切るしかないかなぁ。