全てのライフスタイルが自然になる時
1919年のスペイン風邪、ペストを乗り越え2020年に新たな敵が現れ、経済も人間の生活スタイルも大きく変化した.
その変容期でテクノロジー×人間の身体性を考えて全てが自然としてライフスタイルに組み込まれてくる.その自然環境にはテクノロジーとロボットが魔法のように存在して僕らの社会を支える役目を果たしてくれる.
100年前のイギリスでは「Dr.Wise on Infulenza」と呼ばれるサイレン映画を発表し医療従事者がマスに対して啓発を行ったものだった.
その内容は、
「体調が悪い時にバスに乗らない」
「人との距離を保つ」
「咳が出る時は人混みを避ける」
というコロナ禍の日本と似たような場面があった.この映画の最後には外出の際に「マスク」の着用を推奨する場面があるのだが、今の世界を見ても同じようなことがいえる.
結局この映画はマスの心に響くことはなく、人々は外出する選択肢を取ってしまい結果的に大惨事を招くことになったのだが、ここが「新しいウイルスの蔓延が始まったらマスクを着用する」という文化の始まりになる.
そんな感じに100年前に戻って考えて見ると今回のコロナパンデミックは蔓延スピードがスペイン風邪と比較できないほど早い以外の面では同じ境遇にいると言える.
さらに言えば今回のコロナパンデミックにより研究者が描いていた社会構造が数十年早く動き出したり、変わっていたりする.
それが地方移住の拡大だ.今の日本は東京一極集中と呼ばれる東京都内だけで他国のGDPに匹敵するような経済圏を作っているのだが、それがコロナによって少し変わってきた.
それは「テレワーク」普及である.これはラッキーだと言える.丁度コロナ禍が始まる少し前に5Gのだが普及が始まった.スマホの多くが5G対応スマホとなり、送受信データ容量は4Gの1,000倍以上になり、より快適なビジュアル取引が行えるようになった.
要は実際に会ってコミュニケーションを行うのと同等の速さビジュアルが仮想世界でも可能になったのだ.これによりコロナ禍を期に多くの企業や教育現場でもテレワークが普及し一気に人々はライフスタイルが変わることとなった.
実際に都心のオフィスビルの契約件数が減少し地価も少し下落するような事が世界各国で起こった.
これによりオフィスに通勤して仕事をするシステムからライフスタイルに溶け込んだワークが実現し多くの人が人々からの脱出を目指して地方に移住し始めたのだ.東京一極集中というバベルの塔から地方に分散し始める.かなりいい流れだと思う.
多分これからはこの流れがより加速し始める.その加速材料の中で特に注目しているのは自動運転技術だ.
サンフランシスコでタクシーを呼ぶというのは「自動運転車」を呼ぶレベルで自動運転技術が張り巡らされている都市なんだけど今の日本にはそのようなシステムがない.
この自動運転車によって人々の生活空間がより拡大すると僕は考えている.芸能人やお金持ちが地方都市に住んでいる事が多いのは運転手が毎回目的地まで送ってくれているからだ.
彼らにとって移動はEnd to End Transportationするという感じに近しい.要は目的地と目的地の間の空間は自分のライフスタイルが確立されていて移動というコンテンツに縛られないという事だ.
車に乗るという事が無意識の中で行われる動作になるため、自然になるのだ.
このように今の時代にコミュニケーションをテレワークで自然に行われるのと同時に移動に関しても自然になり、多くのライフスタイルが自然となる.今社会の中ではライフアンドワークバランスがちょっとしたトレンドになっているが、今後はライフアズワークと言ったようなワイフの中にワークが入ってくる状態になる.
車の中のライフで仕事を行い、場所に制限されないワークを行うようになる.
結構手触りある未来のように思えて既に今なんだが、あとは取り扱い説明書を読んで使うだけとなった.僕らの生活は全て自然となり無意識のうちに行われるようになる.