LTVから考えるUIデザイン-枌谷 力氏 / 株式会社ベイジ【SaaS Design Conference2023】
ちょうどUIを担当したSaaSのプロダクトがαリリースされて、POやマーケターさんたちがユーザーの声やテストから上がってきたUXにおける問題点から随時改善をされていて、その優先順位をつけていく真っ最中の現場にいるので、なななななな!なるほどこれをしていたのか!とメモしまくり、そのままnoteにまとめた(なう)です。
セッションの内容をざっくりまとめると、事業成長のためには、お金 / 時間 / 人を投下することになるが、いずれも限りがあるので効果的に配分する必要がある。成長可能性が高い領域に傾斜配分する。というお話でした。
以下、セッションのメモです!
UI改善の難しさ
UIデザイナーとして「とにかく作る」状態にいると、デザイナーから見て良いと思うUIへ全力で改善することになりがちだが、UIは目につきやすく、完成がないので無限に改善できる。UIというのはそもそも完成しないし無計画に改善するのはビジネスとしてあまりよろしくない。
目につきやすい・・・問題だ、変えなきゃと飛びつきやすいが、そこを変えて何になるのかを議論なくやってしまう。
無限に改善できる・・・UIに正解はない。ターゲットや解釈が変わると見方が変わるから永久にやってしまう。
UIの影響は複雑かつ、間接的・・・重要性がわかりづらい。
定量的に証明しづらい・・・声が大きい人の意向に寄りがち。
改善プロセスの基本
”成長したいと思っているのにボトルネックになっている”ところを突き止めて改善する。仮説を立てて、やってみて、検証して、繰り返してみる。
①事業構造の把握
目標(KGI)を決める
影響因子(KPI)を決める
UI改善で狙うKPIを決める
SaaSの利益構造
UIで影響を与えやすいのが売上領域。売り上げが上がってコストが下がると利益が立つ。(LTV)単品売りのサービスではないので、SaaSは継続的に利益を上げていくという観点が必要。
ハックして顧客数を増やす、解約しにくくするみたいな貢献の仕方ではなく(LTVに注力するなら)健全な事業やデザインを進めることになる。
LTVマップ
LTVマップを作ることで
①このUIを改善することでLTVに対して貢献があると論理的に説明できる。
②デザインやUXとしてこうあるべき論ではなく、事業上の必然性にもとづいて今やるべきUIの改善、リニューアルが何の意味があるかをビジネス側に説明できる。
③ビジネスサイドもここを変えるためにやっているのか、ではやってほしいと合意形成しやすくなる。
LTVマップを作ることで優先順位をつけて、リソースの傾斜配分をすることでLTVとUI改善がうまくつながる。
デザイナーだけでやると難しいので、事業統括者やPdMなどのビジネスサイドの人たちとワークショップ形式でワンチームで一緒に決めていくと良い。
②ボトルネックの分析
ボトルネックの分析方法
1)仮説を立てる
2)仮説を元にリサーチする
3)改善対象を確定する
4)KPIを設定する
なぜこの手順が良いかは下記参照。
UXリサーチ
仮説を元にリサーチする
顧客体験をよくすれば事業が良くなるに違いないという前提のもと、網羅的にユーザー体験を掴もうということをしていることが多い。
LTV観点で言うと重要なところと重要じゃないところの仕分けがないまま全体的にリサーチをする、という行為にリソースを投下することになる。
LTVマップを見て、ボトルネックとして優先度が高い周辺のユーザー体験にリサーチのリソースを投下する。
アイデア発見型・・・難易度が高いのであまりうまくいかない。漠然としたリサーチをして、リサーチをする前からわかっていた問題しか思いつかないということになりがち。
仮説検証型・・・LTVのボトルネック周辺のUXで「おそらく」こんな問題が生じているんじゃないか?こういうことでユーザーが困っているんじゃないか?それを確かめるためにリサーチする。事業と接続したリサーチができる。
KPIを設定する
KPIを決定しないとUI改善した効果が検証できないため。
以上です!おっかけ再生が今日までなので慌てて何度も拝聴しました笑
ありがとうございました!!
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