アメリカのキャッシュレス事情

 日本はキャッシュレス後進国と言われて久しいですが、最近またキャッシュレスの進まなさについて私の周りで話題になっていたので、アメリカのキャッシュレス具合について報告したいと思います。確かに、日本より進んでいます。私の場合、最後にいつ使ったかな?というくらいキャッシュを使ってないです。アメリカではなぜここまでのキャッシュレス生活が可能なのかキャッシュレスによってどう/どれくらい便利なのか、をまとめたいと思います。今回はアメリカの現状をまとめましたが、アメリカと比較して日本では何が不便なのか?という点に注目して別のノートを書きましたので、こちらもぜひ。

なぜここまでのキャッシュレス生活が可能なのか?
私が気づいた主な要因は次の3つです。
1. クレジット・デビットカード対応のお店が多い
2. ネットバンキングが進んでいる
3. ポイントカードを兼ねたアプリでの支払いが進んでいる
以下で順番に説明していきます。

1. クレジット・デビットカード対応のお店が多い
 1番大きくて単純な理由だと思います。私は日本にいた時からキャッシュレス推進派で、キャッシュをなるべく使わずに、主にデビットカードを利用していました。日本でもコンビニや大きなスーパー、レストラン等ではそれらで対応できましたが、個人経営のパン屋さん・カフェなどでは対応でない方が多く、またチェーン展開しているファストフード店などでも現金のみというお店がある時には驚いてしまいました。アメリカではまずそれがほとんどないということです。

2. ネットバンキングが進んでいる
 日本で、お店で支払うのにはカードや電子マネーが使えても、どうしてもキャッシュの利用を避けられなかったのが友人との割り勘・飲み会の会費など人に支払う場面でした。銀行振込は基本ATM利用がメインで、普段使いするイメージではないですよね。「今日の飲み会代3,000円は明日振り込んどくね!」みたいな使い方はしません(笑)。それがアメリカだとネットバンキングが主流で、アメリカの銀行口座を持っていればどの銀行であってもネット上で送金ができます。しかも口座番号ではなく、紐付いている電話番号やメールアドレスを入力すれば送れます。本当に一瞬なので、その場でキャッシュを手渡す感覚です。日本でもネットバンキングのサービスはありますが、慎重な人が多く、ネットでの送金が不可能な設定を選べたり、口座を作る際に銀行で丁寧に確認されたりします。アメリカでは口座を作ったら当然のようにネットで送金できる仕組みがついてきました。慎重な人にとっては少々怖く感じられるかもしれませんが、誰もが使えるからこそ友人同士など人への支払い手段として普及しやすいんだと思います。私はこれで十分便利だと思うのですが、多くの大学生が使うVenmoというアプリもあります。これはアカウントを作って銀行口座やクレジットカードを紐付けておくと、アプリ内でお金のやり取りができるアプリです。屋台なんかではキャッシュオンリーがあるのですが、Venmoで支払いができる場合も多いです。

3. ポイントカードを兼ねたアプリでの支払いが進んでいる
 
これについて最初に思いつく例は日本のスターバックスです。ご存知の方はイメージしてもらうとわかりやすいですが、アプリをダウンロードしてアカウントを作り、事前にチャージしておいて、お店ではバーコードを読み取ってもらうことで支払いが完了します。このタイプの支払い方法を導入しているお店がわりとあることに気づきました。この場合は、これも日本のスタバと同様に、支払いに応じて自動でrewardが貯まり、一定数に達すると何らかのサービスが得られるというもの。日本のポイントカードの仕組みです。(ちなみにrewardという呼び方も一般的です。)ポイントカードは持たないという人には関係ないかもしれませんが、私はよく行くスーパーやドラッグストアは侮れないと思い、日本ではしっかり貯めていました。その時は当然のようにカードを持ち歩いていましたが、いくら支払いをキャッシュレスにしてもカードを大量に持ち歩く必要があります。それがアプリで完結するのはやはり便利です。また、ポイントカード自体をアプリに移行しているお店は日本でも増えていましたが、支払いもアプリを通す必要があることで、よりアプリ支払いが普及しやすいと感じました。


キャッシュレスのメリット 
 「日本はキャッシュレス後進国」「海外ではキャッシュレスが当然」という情報だけで、「日本も早くキャッシュレスを進めなくては」と判断する必要はないと私は考えています(どの分野に対しても言えること)が、私自身はキャッシュレスでかなり快適に過ごせているので、やはり日本でも進んでほしいと思います。これまでにも様々な点が指摘されているとは思うので、今回は私が個人的に感じるメリットをまとめます。
1. 友人間での支払いが楽
2. 外国人(旅行者・在住者)の苦労が減る
3. 汚いキャッシュに触れなくていい

1. 友人間での支払いが楽
 上記のように、人に対しての支払いがオンラインで完結する仕組みが整っていますが、これは本当に便利です。「お釣りがない」とか「お釣りが出ないように事前にぴったり用意しておく」とか「誰から徴収したかわからなくなる」とか、思い返すとキリがないくらい懸念がありましたよね、飲み会代の徴収。それらの心配が全くないということです。また、細かい額ほどお釣りの問題や用意する手間はありますが、逆に大きな額になるほど「次会う時まで支払えなくて申し訳ない」と感じたり、持ち合わせがなくてわざわざATMでおろす必要が発生したり、これまた面倒ですよね。これは旅行の際に飛行機やホテルの予約を誰かがまとめてした支払いの時に強く感じます。オンラインで送金できれば、「予約完了した!全部で$1000だから4人で割って1人$250でよろしく」「ありがと〜今送金した」「(送金を)確認できた」というLINEで済みます。当然のように記録も残る(かつ名目もメモできる)ので「払った」「受け取ってない」問題も発生しませんし、どんなに細かくても(例えば$249.82とか)同様に払えます。何度も言ってしまいますが、これは本当に便利です!!!

2. 外国人(旅行者・在住者)の苦労が減る
 これはまさに外国人として在住している身として感謝していることですが、支払いで困りません。例えば、来てすぐの頃は英語が全然聞き取れないわけです。レジで聞かれる"Hi, how are you?"の質問に慣れてないあまり、聞き返してしまったり、とりあえず"Thank you(苦笑い)"と答えてしまうような私が、フィフティーン(15)とフィフティ(50)を聞き分けられる気がしません!しかも、硬貨の種類を理解して正しく出せる気がしません!そうなんです、カード支払いだったらこれらの問題は全て解決されます。もちろん合計金額は言ってくれますが、細かい端数まで聞き取る必要もなく適した硬貨を探す必要もなく、最悪"Cash or card?"に対して答えた"Card, please"の発音が悪くて聞き取ってもらえなくても、カードさえ出してしまえばこちらのものです。私はキャッシュを使わないあまり、硬貨の種類を覚える気すらありません(笑)。在住であれば、自然と覚えることができたり覚えようと努力する人もいるかもしれませんが、旅行だったらなおさら無理ですよね。日本がインバウンドに力を入れているからこそ、キャッシュレスはやはり必要だと改めて感じました。これは外国人旅行者・在住者はもちろん、その対応をする店員側も同様に苦労を減らせるはずです。

3. 汚いキャッシュに触れなくて済む
 
これは本当に個人的な感想ですが、キャッシュから離れれば離れるほど、久々にキャッシュを使う必要が出た時に「うわ、触りたくないな〜」と思います。見ず知らずの人が何人も触ってきたと想像してしまうと、やはり汚く感じてしまいます。もちろんカード支払いでも店員さんに手渡す場合もあり他の人の手に触れるわけですが、店員さんに限られるため数は圧倒的に少ないし、カードを機械に挿入するだけのタイプが増えているし、バーコード式ならスマホをかざすだけなので、店員さんに渡さずに支払えることも多いです。究極、アルコール除菌ウェットティッシュで拭くこともできますし。

まとめ
 アメリカでのキャッシュレスはどのように進んでいるのか、そしてそのメリットについて書いてみました。こう考えてみると、やはり、非常に、便利です!日本でもぜひぜひ進んでほしいと願います!

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