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雑記:自分がダフトに在籍していた頃、ダフトが開発していたゲーム

どうも、こんにちは、Leonhard_Mageです。
ゲーム業界の端っこで主にゲームデザインしてる人です、よろしくお願いします。

前置き

今回は中古でソフトを全部揃えた記念に、自分がダフトに在籍していた頃に作っていた作品のお話です。
期間としてはそこまで長くないし、特に(色んな意味で)有名なタイトルは出してないです。


ダフトとは

大奥記で検索すると楽しい記事がたくさん出てくると思います。
あれに関してはもう色々あって仕方なくそうなったと言えるゲームと聞いています(社長本人から)
自分の知る限り、社長はおそらく最初に目ぱち作った人だし、実用的な速度でのアニメーションを作ったりしていた人です、わかゲのいたりに出てくるあの高校生プログラマーなので。

自分がこの会社を知った時に作っていたのは主にK−1のゲームでした。
自分が合流したのもこのタイミングです。

いた時期にリリースされたゲーム

K-1 Pocket GRAND-PRIX 2002.3.14

ほぼ素人みたいなところから関わるにはとんでもねぇタイトルからだったんですが、まあそこは色々な人に助けられています。
これで色んなことを学ぶことができました、ただ、すぐに活かせないんですよね、これが。
ずっと迷惑をかけていたなと思うし、今もここから成長してないなと思ってるのが現状。
当時触っていたゲームのいいところをGBAで触る前提で落とし込んだ様な作り方してます。

Kー1 Pocket GRAND-PRIX 2 2002.11.28

オリジナルキャラクターを作れる!と言うのが1との違い。
キャンセル必殺技とかスーパーラッシュとかで攻め手を強力にしつつ、防御手段としてスウェイを導入したりなどしてますけど、基本的なところはそのままです。
部位により防御力に差があったり、カウンターのダメージがとてもでかいとかで、組み合わせによってはワンパンKOもある豪快なゲームになりました、マークハント怖い。
あと全ての技で距離による強さを色々と調整してます。
わかりやすいので言うとホーストのミドルキックは近距離でやるとダメージが低くてのけぞりも短いんですが、先端を当てるようにするとダメージがあってのけぞりも長くなってます。
細かい要素はもうやりこんだ一部の人がわかればいいやくらいに入れてるのと、対戦での紛れを考慮しての調整で、この時に思っていたことが異種格闘技の時にもっと簡単に表現されてます。

シンプル2000シリーズ Vol.42 The 異種格闘技 2003.12.18

本当のタイトルは『SIMPLE2000シリーズVol.42 THE 異種格闘技~ボクシングVSキックVS空手VSプロレスVS柔術VS…~』なげぇよ。
これ作ってる時は本当にもう色々ありました
、色々。
制作期間五ヶ月程度でこんな思いするのかってくらい色々あって。

ゲームとしてはガードを入れるより距離と殴り合いの時の当たり方での場合わけで色々と状況が変わるゲームを想定してたんですけど、ガードがあった方がいいよねってところからシンプルになり、紛れも根性値で分かりやすくなり、企画の先輩から提案があった部位破壊で第3の選択肢も生まれて、だいぶゲームとしてまとまったんじゃないかなって思います。
ただ、プレイヤーの対象はゲーマーではなかったのでどの行動も見て判断がギリギリできる感じにしてます。
発生を見てから17フレームで反応は一般人にはギリギリ、アスリートには余裕、というのが自分のこれまでに得た見地なので、その数字を基準にゲームの色々な部分を設定しています。
今作ったらアスリート向けにちょっとだけゲームスピードを上げるモードを入れてたかもしれないです。
余裕がない中で当時やりたかった内容はガードを全ての行動の中に混ぜる以外全部入れてます。
一発逆転要素もありつつ、安易にジャブで体力0にしてもKO扱いにしないなど、色々と当時不満だった点も反映させてるのは若気の至りですね。
格ゲーで最後ジャブで終わるシーンがなんか気持ちよくないんだよなあって思ってたんですよね、もっと強い技で〆ろよって。
なので、KO可能技はフラグで管理して、それ以外の技で体力0にしてもKOできないようになってます。
また、KO可能技じゃなくてもヒットで相手を強制的にダウンさせる技があって、本来ボクシングだと発生しない猪木アリ状態にもできちゃいますが、まあルールを厳密に色々作るには時間が足りなかったのでもうこれで許してって感じで作ってます。

ダウンの時にカウント9で絶対に起きてしまう以外は悔いのないソフトです。
どうしてそうなっちゃったかの経緯はもうわかんないけど、原因はどう考えてもデバッグフラグ消し忘れだよなあ、これwww

これでも本来自分がやるべき仕事が100だとしたら、75くらいできてたって評価で、本当に色々な人に助けられました。
キャラクターの名前と誰が誰のライバルかは格闘技にめっちゃ詳しい先輩が中心になって制作する過程で決まっていったものの、プロフィールやエンディングの文章はそれを元に俺が一日でサクッと作ったくらいには適当です。
音楽は好きだけど、ボイスは忘れてぇ……

余談、このゲーム、SF5のクラッシュカウンターやSF6のジャストパリィみたいな要素が入ってます。
確率でよろける要素が入っていて、その確率も根性値で増減する、という仕組みにしてます。
根性値は簡単に減る要素で、色んなことで上限も含めて減るものの、時間で回復するものにしていて、要は攻めすぎて疲れてもダメだし、ダメージくらいすぎてもダメってのを表現してます。
ガードはボタンひとつ、上下はボタンで切り分け、中段技はないが属性の違う技はガードできない、タックルは下段ガードで切れる、って設計です。
で、そのガードをタイミングよくガードするとガードの硬直値だけが無くなるって設計にしてました、これにより連携によっては反撃が可能ってやつです。
そういえばドライブインパクトほどの効果はないけど、隙をついて相手を倒して有利に殴りに行けるタックルもありますね、これがさっきの17フレームで出来てる技です。
技出してると確定でテイクダウン、下段ガードでタックルをきれ、それ以外はボタン連打で押し合いって感じでした。
ちなみに、このタックルに行く時に強い攻撃を受けると高確率でよろけるようにもなってます。
プロレスゲームだからゲージ管理よりも確率重視にしたって感じです。
根性値を見せてるのは自分が格ゲー畑だったから見せるようにしてますが、プロレスゲームの流れで考えたらおそらく画面からは消してるでしょうね。

更に追加の余談、海外版もこれ出てるんですが、プログラマーも俺も存在すら知らなかったので、カウント9で立ってしまう不具合は残ったままです、あとボイスもそのまま。
変えてぇ……

他、多少関わってるもの

特撮変身ヒーローとミニ美女警官も多少関わっています。
どの程度関わったかというと、特撮変身ヒーローの企画自体は自分が書いたし、ミニ美女警官のプレゼンは自分も同席しました
この二点は合う人には喋ってるしたぶんTwitterにも軽率に書いてるけど詳細を明確には残してない情報ですね。

特撮変身ヒーローの企画がどういうものだったか?は実は公式サイトを見るとちょっとだけ今と違う点が見えるのでそれでわかります。
最初期は変身前でも変身後でも自由に雑魚敵を薙ぎ払い、ポーズを取ると変身し体力回復&強化(ついでに背景で大爆発が起こる)、倒した雑魚が消える前にポーズを取ると何故か倒した雑魚が全員爆発してコンボボーナスが入る、ボスに十分なダメージを与えた後にポーズを取るとボスが倒れた後に大爆発、というポーズを取ったら何かが爆発するゲームにしてました。
仮面ライダー龍騎を見ながら考案したゲームとはとても思えない、ゴレンジャーかな?ってノリです、昭和の生まれなので。
基本倒してしまうゲームにする予定だったので、ゲームプレイへの評価は如何に変身前でスコアボーナスを獲得しながら乗り切るか?と変身後のコンボボーナスでどう稼ぐか?という、ヒーローとしての立ち振る舞いとしてどれだけカッコよくできるか?=どれだけ上手く点数を稼げるか?で想定してました。
まあ、細かいところ作る前にガンホーに入っちゃったので、本当に企画書しか書いてないんですよね。
なので、シナリオに勢いがあったり白黒つけれるのは出てから知りましたし、流石に敵固すぎてでしょってなったよね。

ミニ美女警官は今だから話せるんですが、たまたま休日だった平日に社長に呼ばれて会いに行ったら、ミニ美女警官のプレゼンに連行されました
自分が書いてない企画のプレゼンをしたのは初めてでしたよ。
ゲームのコンセプトは好きなタイプだったのでその点踏まえて色々と話してたのを覚えてます。
まさか、一面からあんな難しく作るとは全く思ってなかったんですよね。
正解引かないとクリアできないようにしてるのは特撮変身ヒーローからそのままなので、ゲームデザインの軸が実に社長らしいなって感じです。

まとめ

とまあ、走り書きなので読みにくい点あったかと思いますが、自分のダフトでの思い出はこんな感じです。
異種格闘技が最後に開発したタイトルだったってこともあって、まあ思い出も濃いですね。
今でもリファインしたいなあって思うゲームでもあります。
せめてバグだけ取らせて……


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