亮風の歌作り・歌修行(一)「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」の後句付けをしてみた

後句付けをやってみよう。これは、前三句(五七五)が提示されていて、これに付ける後句(七七)を考える。当方が選んだ前句は、正岡子規の作った有名な句である。
「柿食えば 鐘がなるなり 法隆寺」
この句は「法隆寺の茶店に憩ひて」という前書きがあることから、旅行先での句である。この句の作られた事情が「俳句の教科書」に書かれているので引用する。

正岡子規は、明治28年10月下旬、奈良を訪れていました。その時の出来事ということです。正岡子規の随筆、「くだもの」には、奈良の宿で、女中が柿をむいてくれたことが書かれています。それを読むと、この句の成立前夜のことが書かれています。
「(前略)女中がむいてくれる柿を食べていると、さらに続けて女中は柿を向き続けている。奈良で食べる奈良の柿の格別な味に感慨を覚えていると、ボーンという鐘の音が聞こえてきた。女中にどこの鐘かと尋ねると、東大寺の初夜の鐘(午後八時ころ鳴らす鐘)であるという。)」
【柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺】俳句の季語や意味・表現技法・鑑賞文・作者など徹底解説!! (haiku-textbook.com)

つまり、実際に聞いたのは東大寺の鐘だったのだ。しかし、ここでは、法隆寺の近くに住んでいる人が作った事にしよう。この前提で下の句を作る。
  柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺 甘みを増すや 軒の干し柿


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