見出し画像

学童の少年とポケカについて

 ポケモンカードで遊ぶようになってから、半分ライフワークになっていることがある。それは知り合いが勤めている学童の子たちと一緒にポケカを遊ぶこと。
その学童は以前勤めていた職場の関連施設で、所属している子達の中に顔馴染みも結構いる。今までも時々立ち寄ることもあったのだけど、最近はもっぱらポケカをするおじさん、もといお兄さんとして足を運ぶことが多くなった。

 この学童には数ある遊び道具の中にポケカがある。昔発売していた『スターターセットV コンプリートバトルボックス』に少しカードを加えて改造したデッキが5つ、それを使って遊んでいたようだ。
スリーブは擦り切れていてなかなか使い込んである様子。なんと指導員が作ったであろう木製のプレイマット(ボード?)も完備。なるほど、結構意欲的なんだなと感心した。

のも束の間。
一緒に遊んでみるとなぜか「学童ルール」なるものが存在することが判明!

「弱点、抵抗力なし」
「場に出したポケモンも待たずにすぐ進化できる(2進化も可)」

「先行でもサポートが使える」
「手札がなくなったら自動的に7枚引く」

などなど、もはや別のゲームかと思うほど自由極まりないことこの上ない。しかもデッキを使ってみると特性も無く技を使うエネルギーもないのに入っているポケモンがいたり、進化元がいないのに進化後のポケモンがいたり、構築面でもフリーダムさがうかがえる(これに関してはカードのリソースがないので仕方がないとは思うけど)
なので、気がついたら少しずつ正式なルールを教えたり貧弱ながらも所持カードを提供したりしていた。

とはいえ、場合によっては無粋になることがあるのはわかっている。子ども達が考えた子ども達のルールで楽しんでいるのに、変な大人がお節介して全てを台無しにしては元も子もない。
だけど予想に反して「この方が面白い!」「楽しい!」と言ってくれたので、ほっと胸を撫で下ろしたというわけだ。

学童にはコンプリートボックスに入っていた属性のデッキした存在しない。つまり「炎」「水」「雷」「草」「闘」の5タイプのデッキしか入ってなかった。これをぐるぐる使い回して遊んでいるので、案の定段々飽きてくる。予算の都合上、新しいデッキを買ってもらうこともすぐには難しそうだった。せっかく楽しんでいるのにこれではもったいない。

それで私は自分で構築したデッキを学童に寄付することにした。
だがしかし!ここで大人目線のガチデッキを用意してしまったら既存デッキとのパワー差があり過ぎて一気に白けてしまうことは明白。ひとつのデッキとしての面白さは残しつつ、決して強くなりすぎてはいけない。単純に金をかければいいわけではないのが少し特殊な条件だ。
ふむふむ、今までのデッキとギリギリのいい勝負ができるほどのライン。
個人的な資金面の問題もあって、あんまり高いお金をかけず、ほぼストレージの中にあるカードだけでお手軽に組めるように。
そう思って
「非Vザシアン軸の鋼」(メタルトランスでエネルギー使い回して中打点連発)
「タチフサグマ・ダストダス軸の悪」(ブロッキングと毒じわじわ、たまにとっさのテングッバイ)
を作成した。意図的にVポケモンは入れておらず、値段もカードだけで2、3,000円で組めるように意識した。
もちろん構築的には大したことないデッキかもしれないが、初めてみるギミックやカードの効果が新鮮だったらしく、より一層ポケカをよく遊んでくれるようになった。特性:メタルトランスのドータクンが入っているだけで「なにこれ!超強えー!!!」と喜びの声をあげてくれる子ども達。それなりに時間を使って用意してよかったなぁ、ほんと。
次はそのうち超タイプのデッキを作ってあげようかな。

私がポケカYouTuberのように浴びるほど余剰カードを持っていたらどんどん寄贈しまくるのだけど、残念ながらそんなゆとりがあるはずもない。それでもポケカの面白さを味わってもらいたいと思ったし、もっと好きになって周りで普及してくれたらいいと思ったので、自分ができることで今後もサポートしていきたいと思う。

そんな中、学童の中でも一際ポケカに造詣が深くて強そうな子が1人いた。私も昔からよく知る子の1人だ。
学童でポケカを遊ぶうち彼にまつわるとあるエピソードがあるのだけど、それはまた次の機会に書いてみるとしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?